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【書評】山本武道「ドラッグストア真価論 誰もが健康で幸せな生活を実現するために」

流通ジャーナリストの山本武道さん(モダン・マーケティング代表、「週刊がん もっといい日」編集長、ヘルスケアワークスデザイン株式会社取締役会長)が、3月10日に「ドラッグストア真価論 誰もが健康で幸せな生活を実現するために」を上梓します。今回は同著について簡単にではありますが、ご紹介させていただきます。(記事=佐藤健太)


ヘルスケア業界に従事している方でしたら、「ドラッグストア市場は急成長を遂げ、小売業界の中では数少ない“勝ち組”となった」ということは理解されていることと思います。2021年には8.5兆円を超え、20年前と比較すると業界規模が3倍以上にも及ぶほどです。約11兆円規模のコンビニエンスストア業界と比較すると、ドラッグストア業界がいかに“一大勢力”であることが分かります。

ーーでは、なぜ成長できたのか?

この質問には「コロナ禍でのワンストップ性が、消費者から支持されたから」「食品のディスカウントで集客し、OTC医薬品などのヘルスケア商材で利益を得ることに成功したから」「調剤併設率を高めて、処方箋患者を調剤薬局から流入させたから」などと、当たり前ように答える方が大半だと思います。

確かに、その答えはいずれも大正解です。しかし、それはあくまでも結果であり、その結果を実現化させるために、ドラッグストア業界は華々しい舞台の裏側で、並々ならぬ努力を重ねてきました。

この「ドラッグストア真価論」は、飛ぶ鳥も落とすレベルで市場規模を拡大させてきたドラッグストア業界の、「黎明期から現在まで、脈々と紡がれてきた歴史」「急成長の水面下で展開されてきた、ドラマチックなストーリー」「まさに今、何が行われているのか」「今後、いかに成長を持続させていくのか」が分かりやすく記述されています。

ビジネスを成功させるには「今」も大切ですが、その「今」に到達するまで、「ドラッグストア業界はどんな道を歩んできたのか」「どんな人たちが、どうドラッグストア業界の土台を形成してきたのか」。これを知ることで、ドラッグストア業界の正しい立ち位置の理解につながりますし、さらに「今、どのような未来を展望すべきなのか」を正しく判断していくことに必ず役立つものだと思います。

こちらから「ドラッグストア真価論」を購入することができますので、ぜひ手に取ってお読みください。

日々ヘルスケア業界の取材に注力する山本武道さん

山本さんは、ドラッグストア業界の黎明期である1969年から業界に密着し続け、ジャーナリスト歴54年を数えます。私も日々、山本さんと共に取材をさせていただいておりますが、取材力の高さ、人脈の広さ、そして人間力の深さに触れています。いつも山本さんの周りには温かい方々がいて、いつもポジティブな議論が交わされ、互いが磁石のように引き付け合っているかのような感覚をおぼえます。

この「ドラッグストア真価論」の読者の方々が、特に次世代のドラッグストア業界を担う若い人財が、もしビジネスで心が折れそうになったときに、この本を手に取り、ポジティブにチャレンジしていく心をもう一度取り戻すきっかけとして役立てていただきたいと、一人の読者として希望しています。


【著者プロフィール】
山本武道(やまもとたけみち)

1969年から薬局新聞社で記者活動。70年代からドラッグストアの「新業態開発」など積極的に取材していく。ドラッグストア黎明期、医薬分業前の薬局、普及前の健康・自然食品などの取材に注力し、市場育成に寄与。

80年代健康産業新聞社の取締役。現在のライフワークである在宅医療や無菌調剤の取材を開始。90年代は一般向けの書籍を発行する青龍社の取締役。デジカメ創成期の当時、先のビジネスを見越して取材。通産省の要請でデジカメに関するレポートを作成するなど市場創造に取り組む。

2000年代はフリージャーナリストに転身し、「在宅医療の今」「薬局のサバイバル」を長期連載。07年にヘルスビジネスマガジン社・取締役社長に就任。同社では「調剤薬局ジャーナル」「月刊H&Bリテイル」を創刊し、その傍でコンサルタントとして数多くの市場創造に成功する。現在は、モダン・マーケティング代表、「週刊がん もっといい日」編集長、ヘルスケアワークスデザイン株式会社取締役会長。