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医療の世界へLet’s Go!!!現役薬学生・チルロッチの連載「とある薬学生の日常」⑤

第5回:ゼロ編

~薬学生から薬剤師へ~

こんにちは!お久しぶりです。前回1月号は大きな反響を頂き、とてもモチベーションがアップしました(笑)。ありがとうございます。先日行われた薬剤師国家試験のため、2月はお休みを頂いておりましたが、無事にそれを終え、今月からまた月1回の連載。張り切ってやらせてもらいます!!この連載がみなさまの前に出ている頃は、国家試験の合否判定も出ていますので、ひとまずは試験に受かったと仮定して、お話させていただきます。マークミスなど万が一の事をしていなければ合格しているので、安心してお読み下さいね(笑)。



学生最後の試練



さて、先ほども軽く触れた薬剤師国家試験なのですが、受験者としての感想を含めて共有できればと思います。国家試験自体は2月18.19日の2日間で行われ、毎年1万4千人程度の受験者がいます。数年前から完全相対基準の合否判定システムとなっており、受験者の上位1万人弱が薬剤師免許を取得可能となります。受験会場については、比較的大きめな施設を有する大学が会場となっており、自分は運よく自分の通う大学で受験できました。正直、今まで色んなテストを行ってきた場所で受験できたのは、今考えるとかなり精神的に有利だったと思います(笑)。

試験自体は、1日6時間程度を2日間行うものであるため、知識のアウトプットや思考をするだけでなく、集中を保ち続けることも求められます。もちろん卒業試験でも同じような日程を数回こなしてはいたのですが、「この問題を解けないと薬剤師になれないかもしれない、、、」と考えると、過度なプレッシャーの中で思考し続ける大変さもありました。試験の全日程を終えた後、友達と帰っている際に話していると、自分の目が充血していると言われました。今までのどの試験でもそういったことは起こらなかったので、相当力を使い切って試験していたんだなと実感させられました(笑)。


薬学教育とその先


最後の関門である国家試験を終えて、ふと考えてみたことがあります。それは、「大学の入学前と今ではどれくらい自分自身が変化しているのだろう?」ということです。お勉強を通して薬に対する知識を習得したり、前回の連載でも書いたように現場で柔軟にできる力を学生のうちに身に着けたりしました。そういった意味では、大学に入る前は何も知らなかった人間が、現役バリバリの薬剤師とまではいかないものの、その2人の中間くらいまでは自分自身が成長出来ているのではないかと思います。もっとも、ここがやっとスタートラインではあるのですが、、、。

このスタートラインに立てる人間は、実はそう多くありません。そもそも薬学部は留年率が高いうえに、国家試験にたどり着けてもその受験者の中の4千人程度(3~4人に1人)は、確実に薬剤師にはなれません。これはさっき書いた、合格者数の完全相対基準があるためです。いくらお勉強を頑張っても、報われない人が一定数生まれてしまう、、、これは今後大丈夫なのでしょうか?

また、スタートラインに立ってからどう活躍したいか?という道筋を立てられない人も、一定数います。社会人1年目では、医師のように研修制度があるわけでもなく、各薬局や病院により新人薬剤師の教育が行われていきます。これにより、企業ごとの特色が生まれやすくなるのは良いことだとは思いますが、利益の有無に関わらず薬剤師業界が一体となって大きな行動は起こせるのでしょうか? 医薬分業が進んできたとは言うものの、医師無くして薬剤師のみで何を具体的に行えるのでしょうか? 自分も含めた、今後の薬剤師達に突き付けられた大きな課題です。


一時の休息


少し薬学の闇?に触れて重たい話にはなってしまいましたが、ここからは気軽に聞いて下さい。ただの新社会人の雑談になるので(笑)。

試験を終えた多くの薬学生は、4月に入職するまでの間、旅行や引っ越しの準備などに明け暮れます。薬学部特有の勉強至上主義の生活から、ニートのような生活に様変わりする瞬間です。かくいう自分も、ロードバイクで200キロ走ったり、友達とキャンプしたり、卒業旅行を2件ハシゴしたりと、今のうちにやりたいことを全部やっています(笑)。4月からは1人暮らしになるので、もちろん引っ越しの準備や、そのための資金集めでバイトもしたりしていますが。また、今までずっと実家暮らしだったので、家事や料理の練習もしていかないと、と思います。まだまだ学生の内にやりたいことはいっぱいあり、正直もう少し学生していたかった気持ちと、早く稼いで自立しないと、という気持ちが半々な感じです。世の中の大学生はみんな今、こういう気持ちなんでしょうかね(笑)?

なんだかんだあった6年間でしたが、今月をもって「薬学生」としての連載は区切りを迎えることとなります。次回からは薬学生ではなく、「新人薬剤師」としての日常を毎月載せることとなるので、興味のある方は第6回(4月号)を見て下さい!内容は、、、まだ何も考えていません(笑)。お楽しみに!!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。