いつも「Hoitto! ヘルスケアビジネス」の人気コンテンツ・医療の世界へLet’s Go!!!現役薬学生・チルロッチの「とある薬学生の日常」をお読みいただきましてありがとうございます!チルロッチさんが薬剤師国家試験を受験することもありまして、2月は休載させていただきます。今月はこれまで4ヶ月にわたって掲載した、医療の世界へLet’s Go!!!現役薬学生・チルロッチの「とある薬学生の日常」のイッキ読みバージョンを掲載します。「まだ読んだことがない」「最初からまとめて読んでみたい」と思っている読者の方々には、ぜひ一度お読みいただきたく思います!
初めまして!私は、現在とある大学の薬学部に通っている6年生です。来年度からは慢性期の病院に就職することが決まっており、今回縁あって当サイトで連載記事を書くことになりました。国家試験が来年の2月に行われますが、可能な限り月1回の投稿を行えればと考えています。
――皆さんの友人には薬剤師は何人いますか?現在、日本における薬剤師の数は30万人を超えており、その人数は年々増加しています。もちろん、私自身の周りにもその卵がたくさんいて、今(2022年10月現在)も国家試験合格に向けて日々勉強注力しています。その一人一人には、薬剤師を目指すきっかけとなったストーリーがあり、「小さい頃から薬剤師にあこがれている」「薬剤師の資格が取れれば収入が安定するから」など、その種類も多種多様です。そこで今回は、私自身がなぜ薬学部、そして薬剤師を目指すようになったかについて、人生を振り返りながら紹介できればと思います!
私が生まれたのは大阪府で、父の転勤の都合で3歳から埼玉県に住んでいます。幼少期の頃はかなりの引っ込み思案で、初対面の人とはまともに話も出来ませんでした。さすがに今はマシになりましたが(笑)。また、活発な兄の影響でサッカーを中2まで行っていました。なぜ中2?なのかというと、一言でいえば不登校になったからです。勉強・サッカーを自分のキャパが超えるほど行ったため、その反動で無気力な状態となり、そのまま中学校の卒業を迎えました。今考えれば、この経験があったから薬剤師を目指すこととなるため、結果的には良かったのかな?と思います。当時の両親からしたら、不登校が1年以上も続いていたら呆れられると思いますが(笑)。
なんだかんだ地元の公立高校に入学し、心機一転してバドミントン部に入部しました。偏差値が高いような進学校ではなかったため、自分のペースで過ごすことができ、学校には遊びに行くような感覚でとても楽しかった日々でした。しかし、それ以上に高校生活でネックとなったのは、「今後の人生を社会人としてどう生きるか?」ということを考えてしまったことです。この高校では、就職が全校生徒の3/1から半数程度を占めており、進学するにしても指定校推薦の限られた私立大しかありませんでした。つい最近まで不登校だった人間が、就職する決心がつくはずもなく、とても危機感を感じました。そして高2の夏、私は薬学部を目指すことを決心しました。
目指すきっかけとなったのは、ちょっとした興味でした。この頃、脱法ドラッグ(現在の危険ドラッグ)がニュースで度々報道されており、「こんな小さい薬の粒が、なぜこんなにも体に影響を与えるのだろう?」と考えました。もちろんその頃の私には、そんなことを解決できる知識もなく、ただただ気になっていました(悪い意味ではないですよ、、、)。 こういった経緯があり、大学選びの際にも薬学部に注目するようになり、「だったら目指しちゃえ!」という感じで考えがまとまっていきました。もっとも、薬学部に入るための勉強はおろか、中学校の勉強すらも抜けている私が、薬学部に入学するまではとても大変でした。部活をしながら、塾で永遠に勉強、、、この生活を1年半近く続けられたのは、それだけ未来を切り開くのに必死だったんだと実感しています。今の私だったら、もう二度とこの経験はしたくないです(笑)。 ただ、このような苦しい経験を高校生のうちに出来たことは、今の私を形成したことにも繋がりましたし、なによりこの環境を用意してくれた両親に感謝しています。
無事に大学に通い始めた私を待っていたのは、薬学部の膨大な勉強でした。6年生の薬学部では、基本的に1~4年生で座学を詰め込むのがほとんどです。最初は慣れるのに少し苦戦しましたが、定期テストの対策さえしっかり行えば、大学受験ほどのストレスはありませんでした。おかげでアルバイトや自分の趣味に、多くの時間を費やすことが出来ました。また、5年時には地元の薬局・病院で実習を行い、慢性期の病院薬剤師を目指すことにも繋がっていきました。(この話はまた今度!)
長くなりましたが、ここまでが私の人生のストーリーでした。良くいえば、ドラマのような内容なのでしょうか(笑) こういった様々な過程を経て、薬剤師になった友人がもしかしたらいるかもしれないので、興味が湧いたら聞いてみると良いかもしれません! 変人がわりと多いのが、薬学部の特徴?でもあるので、面白い人生を歩んできた人もきっといると思います!
来月は「病院で働く薬剤師の形」について、お話できればと思います。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
こんにちは!先月からスタートした月1回の投稿。初回では、私が薬学生になるまでのストーリーを皆さんに知ってもらいましたが、今回はその後に待ち受ける「就職」にフォーカスを当てて、薬学生のリアルな実態をお話しできればと思います。
就職といえば、学生が社会人になるための準備運動のようなもので、初めて「大人になるんだ」という認識を持つ瞬間と考える方も多いと思います。薬学生においても例外ではありませんが、意外にも就活へのハードルは、他の学部の方よりも低いです。
その要因の1つは、国家資格を取得することで、薬剤師として働き手の需要があるためです。もっとも、その資格を得るための勉強で手一杯となる薬学生が多いため、十分な就活を行えずに社会人になってしまう方がいるのも事実です。また、もう1つの要因として、どの大学の6年制薬学部でも共通に、5年次の実務実習を行うので、既にインターンのような経験をさせてもらえるからです。これにより、実際に学生自身がどこで働くのか、具体的なイメージが自然としやすいのではと思います。
薬学生が志望する就職先としては、主に薬局・病院・ドラッグストア・製薬企業の4業種に分かれます(他にもありますが少数なので割愛)。5年次の実務実習が、薬局と病院でそれぞれ11週間行うということもあり、この2業種を志望する人が多い傾向にあります。自分もそのうちの1人ですが(笑)
何度も話に出てきている「実務実習」ですが、これは薬学部が6年制になった際に加わったカリキュラムの1つです。私自身は薬局・病院共に、サポートの手厚い恵まれた実習先に行けたため、就職先についてもこの2業種を視野に入れていました。特に病院での実習を通し、「長期的な視点で関わることの出来る現場に行きたい!」と考えるようになり、現在内定を貰っている慢性期病院で働く決断をしました。しかし、そこに行き着くまでの葛藤ももちろんありました…。
そもそも、病院のざっくりした分け方として、急性期・回復期・慢性期があります。急性期では、薬剤師の数が多く、薬の量・種類などを日々調整することで、薬物治療を重きに置いています。数年前に女優の石原さとみさんが主人公を演じていたドラマ「アンサング・シンデレラ」も、この急性期領域の薬剤師の活躍を描いたものです(ドラマの内容ほど波乱万丈は実際にはないですが…)。回復期では、主に急性期から転院してリハビリを行っており、薬剤師よりも理学療法士・言語聴覚士などが多いのが特徴です。そして慢性期ですが、ここには認知症+他疾患の患者、終末期患者(主にガン末期患者)などが中心で、自宅で1人過ごすのが難しい状態のため、在院日数も長くなります。薬の変更を行う頻度は急性期よりも低いため、「薬剤師はそこまでの必要ないのでは?」と考える方も少なからずいます。
ただ、皆さんよく考えてみて下さい。
薬の種類や量を変更する時だけ、医師や薬剤師が関与すれば良いのでしょうか?
新しい薬を飲み続けて、薬によるちょっとした日常生活の変化には誰が気づけばよいのでしょうか?
昔から飲み続けている薬による影響を、誰が把握していなければいけませんか?
万が一、今飲んでいる薬で副作用が生涯続いた場合、誰にその責任がありますか?
これを誰がしなければならないのか。それを決めている法律はありません。しかし、薬を1回調剤して渡した時点で、その薬に対する今後の責任は、その処方をYesとした薬剤師にあると思います。渡した薬が体に与える影響について、渡された人のその後の人生をずっと保証することが、私の掲げる薬剤師像です。もっとも、それを100%成し遂げられる就職先はないため、「同じ患者を長い期間見ること」が出来る、慢性期病院を選ぶことにしました(少し熱くなってしまい、申し訳ありません)。
病院で働くことを決めた私ですが、ここで多くの薬学生がぶつかる問題に悩みました。それは、業種ごとの収入格差です。平均の初任給を比較した場合、「病院<調剤薬局<ドラッグストア」といった形になっており、その格差は大きいと月10万程度となります。また、薬学部自体の学費も高額であることから、家庭事情的に厳しい人は、収入面から自ずと病院で働くことを諦めてしまう方がいることも事実です。私自身も、約700万円の奨学金を借りているため、正直病院で働いていいのか不安になることもあります。
また、慢性期の病院を選択する際にも、私の中で迷いが生じました。新卒で病院勤務を志望する薬学生は、急性期を選ぶ割合が圧倒的に多く、回復期・慢性期の病院を選ぶ方はほぼいません。感覚的には、急性期の1/5程度でしょうか。とにかく、同僚と呼べる仲間が少ないため、就活の際も相談がとてもしづらかったです。その点において、今後もかなり孤独さを感じる業種になるのかなと感じました。もっとも、私の場合は「私自身が成し遂げたいこと」が、これから働く職場にあると思えたので、最終的には入職を決意し、無事に就活を終えることとなりました。
以上が、私自身の就活ストーリーでした。正直、低学年の頃は「大学院に進学し研究者になりたい」や「製薬企業で新しい医薬品の開発に携わりたい」と思ったりし、様々な業種に憧れてきました。それでも紆余曲折を経て、本当に私がしたいことを見つけ出し、それを実行に移すことが出来ました。
次回は、チーム医療や多職種連携について、いち薬学生の考え方を共有できればと考えています!最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
こんにちは!今回で早くも第3回の連載となりました。薬剤師国家試験まで約2カ月となり、薬学部の6年生は勉強にも精が入る時期となりましたが、私は今まで通り記事を書かせてもらいます。今回のテーマとしては、チーム医療や多職種連携といった、医療者全般の領域における薬剤師の立ち位置を、学生の観点から述べさせてもらいたいと思います。
そもそも、地域の中における薬剤師とは何なのでしょうか?よく見かける姿とすれば、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師が浮かぶと思います。最近では、患者さんの在宅に向かい、服薬指導を行うシーンも増えましたが、その普及はまだ十分とはいえません。また、これは大学の講義でも学んだことなのですが、「薬剤師が思っている以上に、その職能を理解している市民の方は少ない」ということも現状です。そのため、学生の分際ではあるのですが、今後薬剤師としてはより一層、地域に自ら出向いて活動していく必要があると考えています。
いきなりネガティブな内容となってしまいましたが、もちろん薬剤師として良い面もあります。医師や看護師による訪問診療の場合、患者さんを良くする「治療」という面に重きが置かれがちです。そこで、薬剤師が服薬管理を含めて、「患者さんの相談相手」となることで身近な変化も知ることができ、さらなる治療の向上に繋げることが可能となります。実際に自分自身、薬局実習でこういった場面にも遭遇したことがありました。他にも、大学の先生と過疎地に出向き、その地域に住む患者さんとの交流を行わせてもらったりもしました。これらを踏まえて感じたことは、薬剤師としての業務を行うことももちろん大事ですが、それ以上に「1人の人間として患者さんに接すること」が、良き相談相手としての薬剤師の地域における地位が確立されると感じました。
先ほどまでは、地域における薬剤師の在り方を述べましたが、次はチーム医療における立ち位置です。特に他業種と密接に関わる場面としては、病院が挙げられます(訪問薬局でも一定の関わりはありますが、ここでは割愛)。医師・看護師・理学療法士・臨床検査技師・社会福祉士などの様々な業種の方がいる空間では、薬に関する相談も多く、相談相手としての役割は地域とも同様です。もっとも、病院では「薬のスペシャリスト」としての回答が求められるため、膨大な知識が求められることになりますが(笑)。
さらに、病院薬剤師に求められるスキルとしては、病棟に入院している患者さんとの接し方です。病院では、薬剤管理指導料を加算することができ、これによって病院の経営にメリットをもたらすこととなります。最低でも週1回以上は患者さんの病室に出向き、投薬による体調の変化を観察することになるのですが、ここで良い関係が構築できるようにコミュニケーションを上手くとることが重要となります。患者さん自身は、体調が良くないから入院しているのですが、その日々のちょっとした変化にもコミュニケーションを通して薬剤師側が気づけないといけません。そうしないと、加算をとるという目的が先行してしまい、結果として患者さんへのケアを十分に行えないこととなってしまいます。個人的には、できることなら毎日病室に出向くのがベストだと思いますが、それが十分に行えない病院が大半であるのが現状です(病院の経営にメリットが無く、そこまで業務に時間を割けないからだとは思いますが…)。ここは、今後の私自身が解決すべき課題であるので、実際に薬剤師になってからまた言及できればと思います。
最後に、将来薬剤師として働く上で、いずれはこういうふうに世の中が変わっていければなと感じていることを、軽くお話ししたいと思います。いち学生の考えなので、興味が湧かなければスキップしてください(笑)。
前回の連載の際に、私は「薬の観点で長期的なケアを行える薬剤師になりたい」と言いましたが、それは入職先の病院に限った話ではありません。慢性期病院に入院している患者さんは、あくまで地域に住んでいる市民の1人であり、たまたま病院で出会った人というふうに考えています。院外に出れば住宅は無数にありますし、そのあたりの道を歩いている市民の方も多くいらっしゃいます。また、目に映らないだけで、自宅から出ずに独居で過ごしている方もいますし、家族によって介護されている高齢の方だっています。
なにが言いたいのかというと、「入院している人=患者さん」という認識だと思われがちですが、実は地域の中にこそ、治療や相談を求めている患者さんが多くおり、薬剤師がそこに介入していく重要性がとても大きいと考えています。よく、病院薬剤師と薬局薬剤師で区分され、互いが互いを別の業種であると言っている場面を目の当たりにするのですが、それこそが落とし穴ではないかと思います。患者さんの入退院時に情報共有を行うのみの薬薬連携ではなく、互いのフィールドに入り込めるような環境が必要です。こういった、市区町村ごとの薬剤師の連携をより密接に行うことで、町を1つのフィールドとしたケアが行えるのではと、個人の見解として書かせてもらいました。
以上で今回のテーマにおけるお話は終わりたいと思います。私自身も、自分の考えを見直す良いきっかけとなりました(笑)。実際に薬剤師になったとして、上記で述べたことを達成できるのか、少し不安を感じるところではありますが、やれることを精一杯行えればと思います!
次回は来年1月号となりますが、そこでは薬剤師国家試験の直前となる学生が、どのような生活を送っているのか紹介できればと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんにちは!少し遅いかもしれませんが、あけましておめでとうございます。皆さんは年末年始を有意義に過ごすことは出来ましたでしょうか?私は久々に大阪に里帰りをしており、学生らしくダラダラ過ごしていました(笑)。もちろん勉強も少しはしていましたよ…?さて、薬剤師国家試験まで残り1カ月を切り、薬学生にとってはいよいよ正念場となる時期がようやく近付いてきたようです。そこで今回は、私自身の経験も踏まえ、薬学部での「勉強」について。そして薬学生にとっての「学ぶこととは?」ということに着目し、お話しできればと思います。
国家試験の話をする前に、薬学部での勉強について触れたいと思います。以前にも記載しましたが、どの大学の6年制薬学部においても、低学年・高学年で内容が分けられることが多く、低学年では座学や実験の授業。高学年では実務実習や卒業研究、そして卒業試験が行われます。
まず、低学年でのいわゆる「お勉強」なのですが、私たちの学科では多くの領域を単位取得する必要があり、そのほとんどが必修科目となっています。そのため、単位をいくつも落とすとその時点で留年が確定してしまうため、定期試験の突破こそが入学後の第一の壁となります。薬学部の留年率は高く問題視されることもありますが、あくまで大学側が国家試験を受からすために知識を定着させるためのものであるため、これに関しては致し方ないとも思われます。私自身は、この定期試験を突破するためのお勉強のおかげで、高学年になってもあまり苦労なく卒業に向かうことが出来ました。ただ、勉強が好きなわけではないです。あとで楽をしたかったので(笑)。
4年次になるとCBT(薬学共用試験)という試験を、どの大学の薬学部でも受けることになります。これに受からないと、5年次に行う外部実習に参加することが出来なくなるため、実質留年となってしまいます。もっとも、ほとんどの学生はこれを乗り越えられるので、そこまで不安を感じることはありませんが。5年次からは座学のお勉強よりも、実際にその知識をどのように活用するのか?という、実戦形式にシフトしていきます。大学によって期間は異なりますが、約半年間の外部実習に加え、それ以外の期間は卒業研究を行う日々が続きます。また、その合間を縫って就職活動もしなければならないため、急に学生1人1人で考えることが増えるため、精神的に参ってしまう学生も若干名いると感じました。ただ、これを乗り越えれば、残りは卒業試験・国家試験のみとなるので、いよいよ薬学部の終わりが見えてきます。
卒業が近くなってきた学生たちに待ち受けるのは、またしても「お勉強」です。正直、低学年で学んだ基礎知識を再度覚え直して、国家試験のための対策をしなければいけないのはなぜ?と、感じることが多いです。もちろん現場で実用的な知識も求められますが、そうではない範囲も試験では設問として出題されるので、少し違和感を覚えます。将来的に問題の内容が変化していけばいいなと勝手に思っています(笑)。
さて、話が逸れてしまいましたが、結局は誰が何と言おうと、薬剤師として活躍するためには合格するしかありません。膨大な範囲の試験ではありますが、資格試験であることに変わりはないので、頻出問題や正答率の高い問題を効率良く反復して解くことで、点数はどんどん稼げるようになります。勉強時間が足りなくて試験に落ちるケースは良くありますが、落とし穴として1つあるのは、真面目な勉強をしている人ほど点数が伸びにくいこともあることです。言い換えると、参考書を1から学び直している人は、体系的にその分野の知識を知ることは出来ますが、試験では触れられないことまで覚えようとしてしまいます。
あくまで私の偏見ですが、そこまでいくと単なる趣味になってしまうので、「なんでこんな頑張っているのに報われないんだ!」という負のスパイラルに陥ってしまいがちだなと感じます。そういった学生も少なからずいることから、授業の教室や自習室がピリついていることもありました。数カ月後には、友達みんなで笑えているといいですが…。
なぜあえて、先ほど勉強法の悪い例を挙げたのかというと、社会人になり座学をする時間が減っても、根本的な考え方は変わらないと感じたからです。その場に適応した手段・方法を用いることが出来なければ、どれだけ努力してもただの自己満足で終わってしまい、むしろ他人との意見の食い違いが発生しがちだと考えます。これはどの職場の方でも言えることではあると思いますが、医師・看護師・理学療法士などの多くの職種との懸け橋の役割をもつ薬剤師にとっては、それがかなり重要視されると思います。あえて6年制薬学部の意義を求められたなら、「お勉強をすることはもちろんだけど、それを通じて現場で柔軟に対応できる力を、学生のうちから身に着けて欲しい」と誰かが考えたのかなと思います。私自身の勝手な妄想ですが(笑)。
ふと、実習の時にベテラン薬剤師の方から言われたことを思い出したのですが、「6年制の薬学生には今の薬剤師業界を変えていく力がある!」とおっしゃっていました。その時は、「6年制を卒業したからといって、結局は薬剤師としてやることは一緒だし、あんま変わらんやろ」と内心思っていました。ごめんなさい、ベテラン薬剤師さん(笑)。
でも今考えると、人数がますます増えていく薬剤師業界の中で活躍するには、その環境で求められるイノベーションを自ら実現でき、多くの視点から考えて多くの発信が出来る薬剤師なのではないかと思います。6年制が始まってまだ10年ちょっとしか経っていませんが、その歴史を作っていかなければいけないのは、私自身なのだと認識させられました。
あくまで、お勉強を私なりに咀嚼してみた内容でしたが、薬剤師になってもそれが続くとなると気合を入れていかないとなと思いました。もっとも、小学校と同じ長さの大学6年間をもう一度行えと言われたら、二度とやるもんか!とはなりますが(笑)。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。次回2月号は、勝手ながら国家試験に全力で臨むこととなるので、一旦休止させてもらいます。無事に合格し、3月号でまたお会いできればと思います!まだまだ寒い日が続くので、皆さんも体調にはお気をつけてください。では、次回もお楽しみに!
【編集者より】
医療の世界へLet’s Go!!!現役薬学生・チルロッチの「とある薬学生の日常」は3月27日から連載再開の予定です!引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします!