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22年のメイクアップ・ボディケア市場、共に伸長予測【富士経済】

総合マーケティングビジネスの富士経済が、マスク生活の定着でアイメイクが伸びるメイクアップ、外出機会の増加やライトメイク志向の高まりでサンスクリーンの需要が旺盛なボディケアの国内市場を調査した。

富士経済グループサイト:https://www.fuji-keizai.co.jp

メイクアップ、マスク生活が続くもアイメイク需要が旺盛で2.1%増

メイクアップは、ベースメイク用品、ポイントメイク用品を対象とする。
2021年はマスク生活の定着により、アイメイクへの関心が高まっており、アイシャドウやアイライナー、アイブロウ、マスカラが伸長した。一方でチークカラー、リップカラーはマスクで隠れることや、マスクに付着することが懸念され需要が減少した。また、ベースメイクもマスク生活によるライトメイク志向の高まりでファンデーションの使用をやめる消費者が増加したほか、トーンアップ効果のあるサンスクリーン(ボディケアに含む)や日中用美容液(スキンケアに含む)への需要流出が起こったため苦戦した。
2022年はマスク生活が続いており、アイメイクを中心にポイントメイクの需要が旺盛なことに加え、行動制限の緩和により外出機会が増えていることから多くの品目が伸びるため、市場は前年比2.1%増が見込まれる。

ボディケア、外出機会増加でリップやサンタンの好調で伸長予測

ボディケアは、リップクリーム、サンタン・サンスクリーン、除毛・脱毛料、ボディシャンプー、ボディクリーム・ローション、バスプロダクツを対象とする。
2022年は新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、在宅時間の豊かさを求める消費者が増加し、バスプロダクツは高単価商品の需要が高まったため市場は前年比二桁増となった。また、手指消毒による手荒れ対策としてハンドクリームの需要が前年同様高まり、サンスクリーンは、マスク生活で消費者のライトメイク志向が高まる中、軽いベースメイクの位置づけでトーンアップ効果のある商品が活用されるケースが増えたことから、市場は拡大に転じた。
2022年は外出機会の増加により、リップクリームやサンタン・サンスクリーンの好調が予想されるため、市場は前年を上回るとみられる。

アイシャドウ、血色感あるアイメイクに関心が集まり5.6%増

以下は、メイクアップおよびボディケア市場にて注目したいカテゴリーだ。

アイシャドウ【メイクアップ】は、2020年代においてはカラーメイクのトレンドや、ツヤ感を与えるクリーム・リキッドタイプの伸びで市場拡大が続いたが、2020年は新型コロナの影響による販売店の営業時間短縮や休業、消費者の外出自粛によって大幅に縮小した。2021年は緊急事態宣言発出による外出控えなどがあったが、マスク生活の中で血色感のあるアイメイクに関心が集まったほか、韓国ブランドの取り扱いが増えたことなどから、市場は前年比5.6%増となった。
2022年は行動制限の緩和でメイクアップの機会が増加している。外出時のマスク着用は継続していることから引き続き目元重視のメイクがトレンドであり、市場はさらに拡大するとみられる。マスクの着用でアイメイクが呼気で崩れやすくなることに着目し、密着感の高いリキッド剤形やウォータープルーフ処方のアイテムなど、マスク生活に対応した商品展開が見られる。

マスカラ、まつ毛ケア意識の高まりとまつエクサロン休業で重要拡大

マスカラ【メイクアップ】は、まつ毛を濃く長く見せるためのビューティーマスカラと、まつ毛用の美容液や下地、トップコート、トリートメント効果を訴求した色付きマスカラで構成されるトリートメントマスカラを対象とする。
2020年は新型コロナの影響による外出機会の減少でビューティーマスカラが苦戦したため市場は大きく縮小した。その中でトリートメントマスカラは新型コロナ流行で在宅時間の増加に伴い、まつ毛ケアの意識が高まったことや、まつ毛エクステサロンの休業により代替需要を獲得して伸長した。
2021年はマスク着用時のメイクとしてアイメイクの需要が高まったため、ビューティーマスカラがけん引し、市場は前年を上回った。商品面では近年続いた黒以外のカラーマスカラの需要が依然として高く、色展開が活発であった。トリートメントマスカラはまつ毛ケアの習慣が広がる中で、より効果を感じられる商品の需要が増加し、高単価商品の好調が市場を押し上げた。
2022年は外出機会の増加や、引き続きアイメイク重視のトレンドであることからマスカラへの消費者の関心度も高く、市場は続伸が予想される。

行動制限緩和により外出増加でサンタン・サンスクリーンは4.0%増見込み

次はサンタン・サンスクリーン【ボディケア】。サンタンは紫外線から肌を守り均一な小麦色の肌を作る化粧料であり、サンスクリーンは紫外線から肌を保護し日焼けを防ぐ化粧料である。
2021年は緊急事態宣言の発出や外出自粛、マスク生活の常態化など市場環境は厳しい状況であったが、外出機会が制限される中でライトメイク志向が高まり、トーンアップ効果のあるサンスクリーンがメイクアップベースの代替品として需要を獲得した。テレワークの定着もオンライン会議時に肌の色ムラを整えたい消費者の獲得に繋がった。
2022年は行動制限の緩和により外出やレジャー時の需要が回復して市場は前年比4.0%増が見込まれる。中でもトーンアップ効果訴求のサンスクリーンは、新商品が活発に投入されてメイクアップベースとしての需要獲得が図られているため、2019年比で2.0倍の50億円になるとみられる。

<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用

<調査期間>
2022年3月~6月