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合成洗剤1,815億円(4.7%増)
ペーパータオル320億円(2.9%増)

――新型コロナウイルス流行を経て商品需要に変化――


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済が、外出機会が増加し洗濯量が増えたことで好調な合成洗剤や、使い捨てや多用途使用が可能なペーパータオルなど、新型コロナ流行を経て商品の需要に変化がみられる生活用品(トイレタリーグッズ)の国内市場を調査した。その結果を「トイレタリー&ライフスタイルグッズマーケティング要覧 2023-2024 No.1」にまとめた。この調査では、ランドリー・ファブリックケア8品目、芳香・消臭剤3品目、ハウスホールド16品目、クッキング10品目、ヘルスケア9品目の計5カテゴリー46品目の現状を明らかにし、将来を展望した。



目や首、肩、腰などの保温を通じてリラックス効果や疲労感改善、血行促進を訴求する商品のうち、使い捨ての温熱シートと加熱することで繰り返し使用できる温熱パッドを対象とする。

2022年は、1~3月の低気温が例年よりも長く続き、11~12月も低気温であったため、市場は拡大した。2023年も、1~3月の気温が低く需要が高かったほか価格改定の影響もあり、市場は2022年比6.1%増が見込まれる。また、海外からの人流の増加でインバウンド需要による伸びも期待される。

今後は、外出機会の増加を踏まえて、主要メーカーが部位別タイプなど付加価値商品のバリエーション強化を継続するとみられるため、市場は天候要因に左右されながらも堅調な拡大が予想される。



合成洗剤の2022年の市場は、外出機会が増え洗濯量が増加したため、前年比3.0%増となった。ドラム式洗濯機専用など用途を絞り込んだ商品の発売や、コロナ禍以降、消費者が重視している除菌や抗菌といった機能が一目で分かるようパッケージ刷新の動きもみられた。

2023年の合成洗剤(含洗濯助剤)は、上位メーカーが洗浄力の強化を図った商品を発売したほか、トップメーカーがスティックタイプの粉末洗剤を発売し販促活動を強化していることなどから、市場拡大が予想される。また、環境負荷の低さや肌への優しさが注目され、子育て層の需要を獲得してきた洗濯用石鹸は、学校行事の再開で子育て層の洗濯量も増えており、ニーズが高まっているほか、ファッション洗剤(含ドライマーク洗剤)は、おしゃれ着対応の主要ブランドのリニューアルや新商品発売による単価の引き上げが予想され、それぞれ市場は拡大するとみられる。



キッチン周辺の掃除や手・食品の水気の拭き取りに使用するペーパータオルと、水切り・油切りなどの調理用途を主目的とするキッチンペーパーを対象とする。

ペーパータオルはコロナ禍で消費者の衛生意識の高まりから、手洗い時のタオル代替やウイルス対策の除菌剤ふき取りに使用されるなど用途が広がり、需要が増えた。2022年は、原材料価格の高騰による主要製品の値上げが実施されたものの、使い捨てが可能、かつ、手を拭くだけでなく料理や掃除など多用途で使用できるため引き続き伸び、特に吸水力に優れた高付加価値商品が好調だったことから市場は拡大した。キッチンペーパーは、ペーパータオルへの需要シフトがあり縮小した。

2023年は、外出機会が増加し内食が減少しているためキッチンペーパーは引き続き縮小が予想される。一方、ペーパータオルは汎用性が高いことから需要は増えており、市場拡大が予想される。今後も衛生意識が持続するとみられ、ペーパータオルの伸びは続くとみられる。



新型コロナ流行を受けて、消費者の米の備蓄ニーズが高まったことから、2020年に市場は大きく拡大した。
2021年は前年同様の市場であったが、2022年は、5月頃に平年より高温となる日が続き、虫の被害が多かったことから需要が増加した。

2023年も夏場に高温となる日が続いたものの、外出機会の増加で内食の機会が減少し、新型コロナ流行以降高まった米の備蓄ニーズが弱まっているため、伸びは鈍化すると予想される。

今後は若年層を中心とした未使用者に向けて使用啓発を進めることや、適切な頻度での交換を促すことが、市場拡大には必要とみられる。



2022年のランドリー・ファブリックケアは、柔軟仕上剤では除菌・抗菌訴求商品の需要に落ち着きがみられた。一方、市場の5割を占める合成洗剤(含洗濯助剤)はドラム式洗濯機専用商品の発売や価格改定により伸長した。

2023年は、柔軟仕上剤やファッション洗剤(含ドライマーク洗剤)、衣料用消臭スプレーなどの単価が引き上げられている。合成洗剤(含洗濯助剤)も高付加価値商品へのシフトが続いているほか、新たにスティックタイプの粉末洗浄が発売されており、市場拡大に貢献している。

2022年の芳香・消臭剤は、外出制限が緩やかになる中、密を避けた移動手段との利用が増加したことから自動車向けが好調であった。一方、室内向けは、在宅時間が減少し需要が減ったほか、物価高騰による節約意識の高まりで高付加価値商品が落ち込んだため、市場は前年比2.2%減となった。

2023年は、室内向けは、消費者の節約意識によって安価な商品へ需要が集中している。一方、自動車向けは、自動車利用頻度の増加と前年発売された商品が好調なことを背景に伸びている。

2022年のハウスホールドは、トイレやバス用、汎用クリーナーやクレンザー、家庭用排水口洗浄剤などが、外出機会の増加で縮小した。一方、ティシュペーパーやトイレットペーパーは価格の引き上げで伸長したほか、防カビ・カビ取り剤は猛暑日が多く湿度の高い日が多かったことや大手メーカーが新商品を発売したことから伸び、市場拡大に繋がった。

2023年は、在宅時間の減少を受けて掃除機会が減り、防カビ・カビ取り剤の縮小が予想される。一方、価格改定を行ったティシュペーパーやトイレットペーパーが好調なほか、時短や負担軽減などを訴求したキッチン用クリーナーなど各種クリーナーの新商品が発売されているため、市場は拡大すると予想される。

2022年のクッキングは、新型コロナ流行の影響で、内食需要や衛生意識が高まったことなどから、米びつ用防虫剤やペーパータオル・キッチンペーパーが伸長した。

2023年は、汎用性の高いペーパータオルが伸長している。また、クッキングシートのホイルタイプは、フライパンなどの調理器具の汚れを抑え、後片付けの手間が省けるなど利便性に注目が集まっており、伸長が予想されるため、市場は2022年の規模を維持するとみられる。

2022年のヘルスケアは、年初の低気温が例年より長く続き、燃料費高騰に伴う節約志向から、使い捨てカイロが伸びた。また、夏場の猛暑によって冷感スプレーや冷却シート、冷却枕といった冷却関連用品が大きく伸長した。

2023年も1月から3月の気温が低かったことで使い捨てカイロや温熱シート・パッドが伸びている。また、コロナ禍以降、健康意識が高まっており、アイマスクや鼻腔拡張グッズ、耳栓(イヤープラグ)に注目が集まっている。ドラッグストアやライフスタイルショップなどでも専門コーナーを設置しており、売り場が広がっているため新規ユーザーの獲得が進んでおり、市場拡大に繋がると予想される。