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サプリ市場、2023年1兆678億円で微増見込み
インバウンド期待も内需が落ち着く

訴求別では美容効果、チャネルでは
ドラッグストアなど店頭チャネルが好調


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済が、新型コロナウイルス感染症の影響が収束する中で、人流の増加やインバウンド需要の回復で店頭チャネルが好調な一方、通信販売チャネルが減少するなど、需要が変動しているサプリメントの国内市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2024 No.1 -機能志向食品編-」にまとめた。この調査では、27の訴求効能別にサプリメント市場を分析した。なお、「同 No.2」では訴求効能別に一般加工食品を明らか食品とドリンク類に分けて調査し、「同 No.3」では保健機能食品市場、「同 総括編」でH・Bフーズ市場全ての分析結果を総括する。

H・Bフーズ:健康の維持増進・回復や美容を目的に飲食する何かしらの効能・効果(機能性)を期待できる・期待されるイメージをもつ食品




機能性表示食品制度がスタートした2015年以降市場は拡大を続けており、新型コロナの感染が流行するなかでも体調管理や健康意識の高まり、コロナ太り対策など新たな需要を獲得した。

2022年はコロナ禍の特需は落ち着いたが、消費者の健康への意識、ダイエットやボディメイクに対するニーズは引き続き高かった。脂肪対策商品やスポーツ向けプロテインは、需要を期待した企業の参入や商品投入によって伸びた。このほか、関節・筋肉サポートや認知機能サポート、ビタミン・ミネラルチャージなどが続伸した。一方、競合激化がさらに進んだことや、消費者庁からの広告表現についての改善指導などがあったことから、前年と比較し市場の伸びは鈍化した。

2023年は新型コロナの5類移行に伴い、人流が増加し、インバウンド需要が回復に向かっている。美容サプリメントやビタミン・ミネラルサプリメントなどがインバウンド需要を獲得しており、ドラッグストアなど店頭チャネルの伸びが期待される。一方で、国内需要は特需が収束しており、成長を続けていた通信販売チャネルでの減少により、市場はわずかな伸びにとどまるとみられる。

競合激化などは市場拡大の逆風になるが、高齢者人口の増加によりサプリメントの担う役割・重要性がさらに高まっていくと考えられ、健康寿命の延伸を目的に需要が増加し、今後も市場拡大が続くと予想される。



2023年は外出機会の増加やインバウンド需要の回復などにより、店頭チャネルを中心に伸びている。上期は東南アジアからの旅行客のインバウンド需要を取り込み、大幅に実績を伸ばす商品がでてきている。また、8月には中国からの団体旅行が解禁されており、さらなる需要増加が期待される。一方で、前年まで好調だった通信販売では新規顧客の減少などにより伸びが鈍化しており、店頭チャネルの伸びが市場をけん引するとみられる。

成分別では、コラーゲンやヒアルロン酸をはじめとして多くの定番成分が安定した需要を獲得しているものの、美容トレンドの変化や健康情報の発信によってプロテインやビタミン、ミネラルなど身体に必要な栄養素を摂取するという基本的な志向が強まっており他の訴求効能市場へ需要が分散している。また、近年は新奇性の高い注目成分が登場しておらず内需停滞が懸念される。



2022年頃からライトユーザーの離脱などプロテインブームに落ち着きがみられ、2023年はさらに市場の伸びが鈍化している。新興ブランドなどは引き続き好調であるが、既存メーカーの停滞による伸びの鈍化が強くみられる。プロテインブームにより多くの商品が投入されたが、成長鈍化に伴って商品投入の減少や既存商品の整理など、淘汰が進むと予想される。

今後は、プロテインの認知拡大に加え、既に筋トレやプロテインの摂取が習慣化しているユーザーも多く、小幅ながら伸びが続くとみられる。また、企業やメディアからの情報発信によってアミノ酸やクレアチンなど、プロテイン以外の成分の啓発も進んでおり、複数の成分の併用などによる顧客単価の向上やミドル・ヘビーユーザー向けの展開強化が進んでいくとみられる。



2022年3月に消費者庁から認知機能サポート関連の機能性表示食品を展開する115社の広告表示に対し改善指導が行われた。これにより、広告出稿の中止・大幅削減などが行われたことから、露出減少により、市場の伸びが大きく鈍化した。2023年はサントリーウエルネスが市場をけん引しているが、注力度を落とす企業も増えている。

認知機能サポート商品については、衰えていく認知機能への不安感からくる強い予防意識が需要増加につながっており、メインユーザーである高齢者層の増加により、今後も市場拡大が続くと予想される。なお、アルツハイマー病治療薬の承認による影響が懸念されるが、医療用医薬品の適応は進行を遅らせることであり、予防という観点では、サプリメントに対する期待は引き続き高いとみられる。




<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
2023年7月~9月