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「看護学生もんちゃんの徒然日記」④
 看護師の多様な働き方について

こんにちわ!もんちゃんです。

第4回目に当たる今回の記事では、看護師には多様な働き方があることについてお話ししようと思います。

みなさん知っての通り、看護師は国家資格です。ですが、その資格を取った先で看護師として働くか否か、また看護師としてどのように働くかは、自分で選ぶことができます。

社会の動向を知らずして看護師は務まらない

大学では、1年生で基礎的な看護の知識を得た後に、2年生から少しずつ、領域別の授業が増えていきます。

つい先日、看護の具体的な知識をつけるまでは理解がおよばなかったことが、領域別の説明を受けて初めて興味を持てるようになりました。そしてその背景には、自分の身に起こった出来事や、世間の常識の変化が関係していると感じました。

例えば、新型コロナウイルス感染症の流行前は、感染症に関する看護にそこまで注目はなかったかもしれません。また、少子高齢社会に突入し、病院を受診する高齢者がより増加することが予想されるようになったことで、地域看護というワードを当たり前のように聞くようになりました。

このように、看護職が社会の動向を知らなければならないと言われるのは、社会の変化そのものが看護と密接に関係しているからだと感じます。

退院支援看護師とは?

そこで今回は、看護職の中でも「退院支援看護師」にマトを絞って書いていきたいと思います。

この職種を取り上げる理由は、退院できるかできないかの判断が、とても重く、難しいことだと考えさせられる出来事があったからです。それはこの記事の後半に記しておきます。

私の通う大学の附属病院では、現在この退院支援看護師が全病棟に配備されています。

その背景には、在宅療養まで切れ目ない手厚い支援を、他職種で行う体制を整えたいという意思があります。

退院支援看護師が必要な場面は、文字通り、退院支援が必要な患者であるか否かを判断する場面です。

現在のシステムでは、大学病院は退院がとても早いです。退院を早めることで、より多くの人が受診できるようになります。その一方で、退院後の支援を手厚くしようという流れが、一般的になってきました。

その上で退院支援看護師は、とても重要な役割を担っています。

退院後に利用できる医療制度や、在宅療養や施設利用などご家族の意思に沿った実地の医療を、病院外の住み慣れた場所で、どれだけ実現できるかを視野に入れながら看護をしているのです。

看護学校に入るまで、このような患者さんとの関わり方が存在するとは知りませんでした。

退院からの在宅医療はリスクを伴う

私の祖父が病院での入院生活から在宅医療に切り替えたいと言った時、この職能の存在はとても重要だとも感じました。

祖父にとって自宅は住み慣れた場所である一方、バリアフリーにはなっておらず、排泄・食事・睡眠のすべてをとっても、とてもリスクを伴う場所でした。

病院内で誤嚥により命を落としそうになったこともある祖父が、在宅医療を受けることは、死期を早めることにもつながりかねません。

祖父の長女である私の母は、病院側との話し合いにおいて、「在宅医療をなぜ許してくれないのか」という点で葛藤していたようです。

対して私は、看護学を1年学んだ立場で母の意見を聞き同様のもどかしさを感じた一方、今まで医療の力で元気に過ごせていた祖父が、自宅に移って弱っていく姿を想像すると、とても苦しく、何も言えなくなってしまったことを覚えています。

もし私が、医療の知識や技術をより多く持っていたら、この状況に対してもう少し提案をしたり、在宅医療を選択した際の祖父への対応方法も、もう少し医学的な視点から母に伝えられたかも知れません。

もう後悔しても仕方のないことですが、これほど退院からの在宅医療はリスクを伴うのだと実感し、それを専門とする看護師が存在することが、これほど重要なのだと感じたことはありませんでした。

人生で起きた出来事で方向転換するもよし

自分の看護師としてのキャリアを積むにあたり、このような自らの人生で起こった出来事をきっかけにして、看護師としての働き方を方向転換する選択肢もあっていいと思います。

逆に言えば、自分の働き方次第で、患者さんを救うだけでなく、家族の支えにもなるとしたら、これほど素晴らしい職業はないと感じます。

私もまだまだ悩み続けて、自分に合った看護師としての働き方を見つけていきたいです。

…とまあ、かっこいいことを言える立場ではないのですが、この記事を書くことで、「私も常に考えながら生きなければならない」という想いを抱くようになりました。

その意味でも、この記事を読んでくださるみなさんには感謝しかありません。大学生活を100%の力で楽しみつつ、自分らしい看護師像を見つけられればと思います!

今回もありがとうございました!