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配膳ロボット、飲食店を中心に小売店や宿泊施設などでも伸長

総合マーケティングビジネスの富士経済が、少子高齢化、人口減少の深刻化に伴う2030年問題を控え、労働力人口減少の解決策や生産性向上の実現策として注目される自律走行サービスロボットの国内市場を調査した。その結果を「自律走行ロボット有望5種の市場ポテンシャル分析」にまとめた。この調査では、配膳ロボット、デリバリーロボット(施設内)、デリバリーロボット(屋外)、業務用清掃ロボット、警備ロボットを対象とし、飲食店、小売店、宿泊施設、オフィス、病院の5カテゴリーにおける市場の現状を捉え、将来を予想するとともに、参入メーカーの取り組みやユーザーの最新動向を分析した。



飲食店、宿泊施設などでの採用が増えている。人手不足が課題となっている飲食店、小売店ではショッピングセンターのフードコートにおいて、配膳・下膳用途で費用対効果が見えやすいことから導入が進んでいる。

飲食店は、2021年から2022年にかけて、大手外食チェーンが全店に導入したことにより市場は急拡大した。今後は人手不足の加速やスタッフの作業負荷軽減を背景に堅調な需要が予想される。

小売店はショッピングセンター内のフードコートでの導入がみられる。現状では配膳用途が中心であるが、今後は下膳用途での導入も増えると予想される。

宿泊施設は施設内のレストランや宴会場への配膳ロボットの導入が中心であるが、下膳専用ロボットのニーズも高まっている。宿泊施設の利用客が回復しつつあり、人手不足が深刻化していることから、導入が増えている。



小売店、宿泊施設、オフィスでの採用が進んでおり、清掃スタッフや店舗スタッフの人手不足、作業負荷軽減、清掃品質の向上を目的に市場拡大が予想される。

小売店では、開閉店作業などの負荷軽減や衛生意識の向上、低コストで清掃品質を維持するために清掃ロボットの導入が増えている。2026年頃に新規需要は落ち着くとみられるが、以降は安定した更新需要が続くとみられる。

宿泊施設では、人手不足が深刻化している中、衛生意識がより一層高まっていることから、清掃品質を維持するため、清掃ロボットの導入が増えている。今後も、人手不足対策や低コストでの清掃品質の維持を目的に導入は進むとみられる。

オフィスでは、オフィスビルの共用部の清掃に加え、テナント内やセキュリティゾーンの清掃ニーズも高まっている。清掃スタッフの高齢化や人手不足を背景に、清掃ロボットを用いた作業の自動化・省人化により、清掃品質の維持に関する取り組みが活発化していくとみられる。




小売店、宿泊施設、病院で採用が進んでいる。配送業務をロボットに代替させ、店舗やホテルスタッフ、医療従事者が本来の作業に集中できることが可能となるため、導入が進むと予想される。課題としては、フロア間移動のため、エレベータと連携が必要な点があげられる。

小売店では、2022年に商品の品出し用途で活用する実証導入が進んだ。2023年にはショッピングセンター内の各テナントに対する郵便物配送や、バックヤードからの品出しで活用の実証が進むとみられる。2025年以降はエレベータとの連携コストが低減することにより、配送物が多いショッピングセンターを中心に導入が進むと予想される。

病院では、医療従事者が治療や看護に専念する目的で、物品配送をロボットに代替させるニーズが高まっている。2025年までは、試験運用での導入がメインになるとみられるが、エレベータとの連携コストが安価になれば、導入が進むと予想される。
宿泊施設では、ビジネスホテルやシティホテルにおいて、客室への物品配送やリネンの配送で活用がみられる。エレベータとの連携コストが低減され、フロアを跨ぐ配送が可能となれば、導入はさらに進むとみられる。また、活用により人手不足の一因とされる長時間労働の是正が期待されることも、導入進展の要因になるとみられる。