マーケット調査会社の富士経済が、2020年8月から2022年4月までに行った医療用医薬品の市場調査結果を総括分析するとともに、今後の医薬品開発や患者数の動向、法規制の変化などを考慮しつつ、2030年まで市場を予測した。この調査では、国内の医療用医薬品市場を17の疾患で区分し、ジェネリック医薬品やバイオシミラーへの切り替わり状況も併せて、将来を展望した。
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2021年2位であったオンコロジー領域 固形がん治療剤は、免疫チェックポイント阻害剤の適応拡大を主因に市場拡大し、2030年には疾患区分別の最大規模となる。また、3位であったCNC(中枢神経系)領域疾患治療剤はアルツハイマー型認知症に対して抗βアミロイド抗体といった抗体医薬品が相次いで発売されて市場拡大していき2位となる。一方で、2019年に1位であった生活習慣病治療剤はジェネリック医薬品への移行や薬価改定の影響から年々市場縮小し、3位となる。
免疫疾患治療剤、整形外科領域疾患治療剤、皮膚科領域疾患治療剤といった生物学的製剤やJAK阻害剤との関連性の高い市場は拡大し、順位が上昇すると予想される。