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エルゴジャパンが2023年7月に実施した喫煙者に対する独自アンケートの結果を公表。

 クリア分煙を実現する高性能喫煙ブースの販売を手掛けるエルゴジャパンは、2023年7月に実施した喫煙者に対する独自アンケートの結果を公開した。  
  これは4月に東京都在住者に対して実施したアンケートと同じ項目について、大阪府在住者を対象として再実施したもの。
 大阪では2025年に開催される大阪万博に向けて、様々な環境整備が行われており、分煙環境の整備もまたその一つではあるものの、東京と比較するとまだその対策の動きには違いがあるように思われる。
 令和4年度 飲食店における受動喫煙防止対策実態調査によると、東京において全面禁煙対応を取っている企業は72.2%に対し、大阪府のデータでは63%という数字が出ている。(東京都、大阪府の調査データより参照)
  この結果を踏まえて、消費者の意識には違いがあるのか、またそこから見える大阪府の将来動向についての考察をまとめた。
    ■喫煙者の意識調査の概要 【対象者】 大阪府に住む喫煙者601名(男性:421名、女性:180名) ※20代:23名、30代:61名、40代:129名、50代:202名、60歳以上:186名)  

  ◇調査対象者の行動特性
   

 アルコールを伴う飲食の頻度は月に1回から3回程度と答える人が最も多く、全体の37.8%を占め、ほぼ毎日と答えた人も11.5%という結果となった。
 また1回あたりの支出については、3,000円未満が最も多く37.1%の割合も占めたが、3,000円~5,000円未満:33.1%、5,000円~10,000円未満:23.3%と、いずれも高い数字を占めており、アルコールが伴う食事の支出は比較的高額であることがわかる。  
 食事に行く際には、1人もしくは2人が53.6%と半数以上を占めるが、3、4人というグループも39.6%と4割近い数字を占めている。
 【東京都との比較】 アルコールを伴う食事の頻度については、ほぼ同じ比率。回数に関してはも同じ傾向がある。  
 一方、食事での支出金額については、3,000円未満の方の比率が1.2%高く、5,000円~10,000円未満の方の比率は2.2%低くなった。
 また3~4人のグループ比率が3.7%と高く、グループでお店に行く傾向にある。
 
 ◇飲食店を選ぶポイント
 
 飲食店を選ぶ理由としては、食事の味が最も多く72.9%を占めた。
 その次に価格が66.1%と、この2つの要素が高い比率。
 一方、喫煙ができることを理由に挙げた人は、28.6%に上り、喫煙者にとって喫煙できる場所がお店選びの際に重要な要素であるようだ。
 【東京都との比較】 食事を味を選ぶ人が-4.5%、アルコールの種類を選ぶ人は-7.1%、喫煙できることを選ぶ人が-4.8%と、東京都在住者がより様々な点を意識してお店選びをしている傾向となった。

◇飲食店における喫煙環境の選択

 飲食店における喫煙環境についても質問をすると、喫煙室があるお店、店の外に喫煙スペースがあるお店のように、分煙対策をしているお店を選ぶ人が52.2%にも上る。その中でも、喫煙室がある飲食店を選ぶ人が28.8%と高い水準。一方禁煙のお店を選ぶ人は9.3%となった。
 【東京都との比較】 分煙対策をしている場所においては、そのあまりに気にしない人が、東京に比べて5.6%高く、分煙対策の方法には東京に比べるとこだわりが低い。 

◇完全禁煙の影響

 完全禁煙に切り替えたお店については、39.1%の人が足を運ばなくなった経験があり、喫煙者にとって「完全禁煙」とすることによって、お店選びの選択肢から漏れてしまっている現状が見えてきた。    
【東京都との比較】 足を運ばなくなったお店については、-6%と、東京に比べて低い水準になった。
 これは前項の設問とも連動する。つまり、分煙環境に対するこだわりがそれほど強くない分、お店の対応についても寛容ともいえるかもしれない。
 
  ◇非喫煙者への配慮について
 
 非喫煙者への配慮   なるべく吸う本数を減らすという配慮が38.9%で最も多く、次いで煙がかからないようにする、喫煙回数を減らす、ニオイを持ち帰らないようにするといった点が続いた。いずれにしても非喫煙者への配慮をする人の合計は、74.0%にも上る。  
【東京都との比較】 このデータについてはほとんど違いは見られなかった。喫煙者の配慮については、東京、大阪関わらず、同じ傾向であるといえる。    

◇望ましい分煙環境
 
 望ましい分煙環境に対して最も多い回答は「店内に喫煙できるスペースがある」の57.7%であり、半数以上の回答となり、近くで吸うことのできる環境を求めていることがわかる。  
 【東京都との比較】 店内禁煙スペースの比率が-1.4%に対して、完全禁煙が+1.5%という数字になっている。
これは完全禁煙への意識が高まっている状態であると見て取れる。  

◇今後の喫煙について
   
 
 上記の結果からも、喫煙者にとっての最適な飲食店の環境がまだまだ不十分である現状がある。
 改正健康増進法施行以降、完全禁煙となる飲食店が増加したが、一方タバコを吸う人にとっては、配慮しなければならないことが増えたようにも見て取れる。 今後の喫煙についても、まだやめるつもりがない人が大半を占める中、飲食店側における売上や客数アップという観点からも、これからの適切な飲食店の分煙対策が非常に重要になる。

  ■本調査について 調査方法:インターネット調査 調査期間:2023年7月20日 調査対象:20代以上の喫煙者男女601名