ヘルスケア産業の「挑戦・人・企業」を伝える無料専門メディア「Hoitto! ヘルスケアビジネス」

三洋貿易、インドの認知症ケア領域で新技術の活用へ 




三洋貿易(本社・東京都千代田区)が、資本業務提携先のジョージ・アンド・ショーン(G&S)、インドのAASIZAH Health Ecosystems Private Limited(AASIZAH)とともに、インドにおける認知症ケアの課題解決に向けたコンソーシアムを設立した。2026年9月18~19日にインド・チェンナイで開催された認知症カンファレンス「DemCon 2026」では、現地の認知症支援団体であるDementia India Alliance(DIA)と、新たなテクノロジーの活用を検討するための基本合意書を締結した。日本企業が持つ認知機能に関する技術と、現地の医療・介護環境や支援ネットワークを組み合わせ、インドでの認知症ケア向上を目指す。


音声や表情を活用した認知機能関連技術、インドでの活用可能性を検討

今回のコンソーシアムは、AASIZAH、G&S、三洋貿易の3社で構成する。AASIZAHが代表となり、DIAとの連携を推進する。取り組みでは、インドの多様な言語や文化、医療環境を踏まえながら、認知症ケアの向上につながる技術やサービスの活用を検討する。その一つとして、G&Sが開発する、日常会話における表情や音声などを活用する技術について、インドでの活用可能性を探る。
G&Sは、見守りタグ兼アプリ「biblle(ビブル)」の開発・販売を手掛けるほか、ビーコン技術やAIを活用し、認知症やMCI(軽度認知障害)の早期検知に関するサービス開発にも取り組んでいる。今回の連携では、こうした認知機能に関する技術を、インドの認知症ケアの現場や支援体制にどのように生かせるかが検討課題となる。
各社の役割は、三洋貿易が海外事業開発や市場開拓の経験を生かして事業化に向けた連携を支援。AASIZAHはインド国内のエコシステム形成、デジタルプラットフォーム、現地実装に関する知見を提供し、G&Sは認知機能に関する技術を担う。

現地の支援ネットワークと日本の技術を融合 高齢化社会の課題解決へ

連携先となるDIAは、家族介護者を中心とした認知症支援に取り組むインドの非営利団体。今回の基本合意は、同団体との協力を通じて、インドにおける認知症および関連サービスの課題解決につながるソリューションの開発を検討するものだ。

AASIZAHは、人、パートナー、サービス、テクノロジーをつなぐエコシステムの構築を進めており、予防的で、一人ひとりを中心としたケアの実現を目指している。三洋貿易は1947年設立の専門商社で、ファインケミカル、インダストリアル・プロダクツ、サステナビリティ、ライフサイエンスの各分野で事業を展開している。
認知症ケアでは、医療機関での診療だけでなく、日常生活の中での変化の把握や、家族介護者への支援、地域での継続的な見守りなど、多面的な取り組みが求められる。音声や表情といった日常的な情報を活用する技術は、こうしたケアを支える選択肢の一つとなる可能性がある。
一方で、インドでの実用化に向けては、言語や文化の違い、医療・介護制度、個人情報やデータの取り扱いなど、現地環境に応じた検証が欠かせない。今回の基本合意は、具体的なソリューションや技術検証、サービス実装に向けた協議を進める段階であり、今後の展開が注目される。
国内外のパートナーがそれぞれの技術や市場開拓の知見を持ち寄る今回の取り組みは、認知症ケア領域における異業種連携と海外市場開拓の事例としても注目される。