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オンキヨー、音響・振動技術を医療分野へ 

オーディオ機器の開発で培った「音」と「振動」の技術を、医療・ヘルスケア分野へ――。オンキヨー(本社・大阪市中央区)が、デジタル聴診器、AIによる心音異常の検出技術、臓器の動きを再現する模擬臓器モデルに関する3件の特許権を取得した。聴診音の可視化から心音の解析、医療教育や機器評価に活用できる模型まで、音響技術を医療現場の支援につなげる技術群だ。異業種で培った技術資産を新たな成長領域に展開する同社の、医療・ヘルスケア事業の進展が注目される。

聴診の可視化やAIによる心音解析を支援


今回取得した特許のうち、1件目は「聴診器」に関するもので、2026年10月6日に登録された。聴診音を耳だけでなく視覚的にも把握できるようにすることで、より客観的な聴診を支援する技術だ。

2件目は「システム、及び、方法」に関する特許で、2026年10月14日に登録された。対象となる心音と、正常な心音データのみを用いて学習したAIモデルを比較することで、異常な心音を検出する技術となる。

聴診という従来から行われてきた診察手法に、デジタル技術やAIを組み合わせることで、医療従事者による音の把握や評価を支援することを目指す。

臓器の振動を再現する模型も 音響技術の医療応用を拡大


3件目は「模擬臓器モデル」に関する特許で、2026年10月14日に登録された。実際の臓器、特に心臓の振動データを加振器に入力し、柔軟な臓器模型を実物に近い形で動かす技術だ。医療教育や医療機器の評価などへの活用が期待される。

同社は1946年の前身企業の創業以来、ホームオーディオ製品などを通じて音響・振動技術を培ってきた。現在はその技術を医療・ヘルスケアのほか、食品、産業、インフラなどの分野にも応用し、研究開発と事業化を進めている。

今回の3件の特許は、聴診音の取得・可視化、AIによる心音解析、臓器の振動を再現する模型という異なる領域をカバーする。音や振動を扱う技術を、医療従事者の診断支援だけでなく、教育や機器評価にも展開しようとする点が特徴だ。異業種が自社の技術資産を生かしてヘルスケア領域に参入する動きが広がるなか、音響技術を医療現場の課題解決につなげる同社の取り組みが注目される。オンキヨーは今後、取得した特許技術を活用し、医療・ヘルスケア分野での研究開発と事業化を推進するとしている。