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新型コロナウイルスへの有効性示すPOP、サラヤが刷新!

新型コロナウイルスへの有効性示すPOP、サラヤが刷新!

〜関係省庁の確認を経て、初の店頭告知を実現〜

コロナ禍で肥大化した手指消毒剤に新たな基準が示された。今年2月、厚労省が「医薬品・医薬部外品の消毒剤において、科学的および客観的な根拠があれば、特定の菌種・ウイルス種への有効性を広告などによって情報しても良い」としたのだ。その第1号としてサラヤ製品が、店頭のPOP等で告知を始める。今後は店頭で、有効な手指消毒剤を、胸を張って推奨できる環境が整う。

関係省庁へ表現内容を確認

 「この手指消毒剤は、新型コロナウイルスに本当に効くのか?」

––コロナ禍の生活者の多くが感じていた疑問に対し、これまで店頭のスタッフは、明確な返答ができずにいた。特定の菌・ウイルスへの効果を市販品で示すことが、薬機法上認められていなかったからである。

さらに2020年初夏、コロナの感染拡大とともに、手指消毒剤の供給不足が起きた。結果的に海外の粗悪な製品が流通するようになり、一部の顧客から、「効果の判らない商品を販売しているのか⁉️」という心無い言葉も受けるようになった。

この状況に胸を痛めていたのが、創業から70年に渡り日本の衛生環境を守ってきたサラヤである。同社コンシューマー事業本部の山田哲本部長は、「手指消毒の効果は高濃度アルコールかつ品質の安定した製品に現れますが、当該製品の供給が一時的でも滞ったことに、メーカーとして責任を感じました。しっかりとした効果のある製品を流通させることが我々の使命であり、それがコロナの収束に不可欠だと、胸に刻みました」と語っている。

実績とエビデンスに信頼

その思いを受けるように、厚労省は今年2月25日、同省医薬・生活衛生局から通知を出している。

内容は「第三者による適正性の審査を経た根拠資料の提出」を条件に、特定の菌種・ウイルス種への有効性に関する情報提供を認めるというもの。つまり、明確なエビデンスを有する製品のみに、効果を示すことが許されたのだ。(画像は実際の通知文書)

サラヤは直ぐさま有効性を伝えるPOPを制作。関係省庁を訪問し、コロナ収束への思いを伝えると共に、表現内容に関する相談と指導を受けた。

もともと同社の手指消毒剤は、医療現場での使用を前提に開発されていることから、実際の菌・ウイルスを用いた試験をおこなっており、エビデンスを有している。

今回の新型コロナウイルスにおいても、国内有数の設備を有する大阪大学微生物病研究所と共同研究を進めていた。実際のウイルスを用い、かつ実生活に近い、より厳しい環境下で試験をおこない、効果を実証していた。

大阪大学微生物病研究所との共同研究結果。負荷物質を加え実生活に近い環境で試験をおこなった旨が明記されている

こうした実証データもあり、店頭表現は容易に行えるものと考えたが、実際に店頭で訴求するためには、薬機法だけでなく景品表示法の観点からの配慮も必要となる。

「新型コロナウイルスは、ウイルスの名前にとどまらず、病気の一つと認知されている。そのため手指消毒剤であるにも関わらず、薬と誤解する人がいるかもしれない」というものだ。

これら関係省庁への相談・確認をサラヤは粘り強くおこない、有効性を伝える表現を確立した。先述した実生活に近い状態での厳しい試験も、「不実証広告規制」をクリアする重要なファクターとなった。

なお、新型コロナウイルスは変異を繰り返して現在に至るが、「当社の手指消毒剤の作用メカニズムは、変異しても変わりがないことを確認しています。新たな変異株が出現した際は即座に情報をアップデートすることを約束し、この部分も理解していただきました」(山田本部長)という。

直貼POPでメーカーの責任全う

特定ウイルス・菌種に対する有効性の告知が可能となったことで、新型コロナウイルスのほか、ノロウイルスやインフルエンザウイルスといった季節性の感染症についても、事前に告知して対策をおこなえるのもメリットの1つという。

告知の媒体として、流通向け資料(チラシ)のほか、陳列棚用レールPOP、及び製品への直貼POP(↓画像)を用意した。

「直貼POPは、告知の責任を当社が負うという覚悟のもとに制作しました。今回の件で多くの販売店様から高い評価を頂きましたが、最終目標であるコロナの収束に向けて、引き続き努力してまいります。重ねてのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます」(山田本部長)