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新生堂薬局 「健康台帳」と心電計活用

新生堂薬局の「心電図記録・血圧測定コーナー」

優れたテクノロジーと温もりあるコミュニケーションの融合

日本の予防医療の担い手に

日本の医療費増大の要因は、一般用医薬品(OTC)等を相談しながら、安心して買える薬局が少なくなったからだとも言える。

先の「第22回 JAPANドラッグストアショー」でのビジネスセミナーで講演に立った、新生堂薬局(本社:福岡県福岡市)の取締役常務執行役員メディカル事業本部の村山裕美事業本部長は、「(店舗で)相談が十分にできないことにより病院で受診する機会が増え、医療費が増大するという悪循環を生んでいる」との見解を示した。

「食品強化型の調剤併設ドラッグストア」を掲げる新生堂薬局の事業方針は「相談できる薬局づくり」だ。村山本部長は「ドラッグストアは、日本の予防医療の担い手となる必要がある」とするものの、現状では、商品過多による商品情報の理解不足や、店舗スタッフと比べて顧客・患者の数が増えているために十分なアドバイス・指導ができていない、などの問題を抱えていることを指摘した。

「ヘルスケア・カウンセリング」プラットフォーム

セルフメディケーション推進や健康寿命延伸を担うために何か大切なことができないか。OTC薬や健康食品、サプリメントに関する顧客データを基にアドバイスできるしくみはないか。ないなら自分たちで作ってしまおうと、マーケティング会社のMMIと共同開発したのが「健康台帳」だ。

正確な商品情報と顧客情報に基づくOTCの正しいカウンセリングを実現――。健康台帳は「どの店」でも「スタッフの経験年数」に関係なく、顧客・患者に寄り添った健康相談や、OTCの最適な提案ができる「日本初の『ヘルスケア・カウンセリング』プラットフォーム」と銘打つ。

村山本部長によれば「スタッフ誰もが健康相談できるしくみ」「お客様が安心してOTCを購入できるしくみ」を実現したという。 

「健康台帳には顧客・患者情報として、性別・年齢、(薬の)服用履歴、健康食品・サプリメント、妊娠の有無、授乳の有無、健康チェック数値等を記載します。医薬品登録販売者が自信をもってOTCを推奨販売できるしくみであり、健康相談に応じることができるシステムになっています」とし、今後はビューティカルテ等との連携、また将来的には医療機関への情報提供など、しっかりと連携できる体制を整えていきたいと、村山本部長は述べた。

心電計付き血圧計、全店導入の意図

健康台帳と合わせて、顧客・患者が自ら体調を管理することが重要だとし、このたび心電計付き血圧計(オムロン ヘルスケア提供)を全店に導入したことに言及した。

「血圧計、体温計、体組成計が家にある方は多い。今後は心電計も家に備えるケースが増えてくるでしょう。ただ現状ではそこまでは難しいことから、まずは店舗で取り揃えて健康チェックができる環境を整えることが望ましいと思いました」

特にリフィル処方箋の2回目、3回目の服薬指導時の活用にも期待しているようだ。

「高血圧の患者様には血圧計でチェックしていただけますが、不整脈の方は厳しいと思っていました。今では心電計を用いることでチェックが可能となり、リフィル処方箋の推進に役立つのではと期待しています」

「予防医療機関」としてのブランドポジショニング

 「新生堂薬局が考える未来のドラッグストア予想図は、地域包括ケアシステムの一翼を担い、調剤併設ドラッグストアのドミナント経営を進め、予防医療機関としてのブランドポジショニングを確立することです。顧客や患者データを活用したセルフメディケーションの推進、そして健康台帳と心電計等での健康チェックデータをもとに、行政、医療機関等との健康寿命延伸につながる連携を積極的に進めていきたい。

さらに、このような取組みによって、ドラッグストアが予防医療機関として地域住民に認知していただくことが大切と考えます」

最後に「優れたテクノロジーは日々進化していますが、ただ、今後ドラッグストアに大切なのは温もりのあるコミュニケーションであり、優れたテクノロジーと温もりのあるコミュニケーションを融合させながら、地域の予防医療に貢献していくことが、これからのドラッグストアに求められる役割だと思います」との箴言で結んだ。

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