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ケアマネ福田英二の徒然日誌その7 その人らしく…

2024年5月9日(木)雨のち曇り ちょっと涼しいけどアイスクリームの日らしい。


ドラッグストア初の記念すべき地域包括支援センターを開設してから、やっと4週間が過ぎた。わが職場は混乱の毎日である。愚痴を言えばきりがないし、悔やんでばかりでは本当に身も心も壊れてしまう。

こんな時に役に立つのが離人感(あるいは離人症)である。「自分の行動や考え、体の感覚などに現実味を感じられない状態のこと」と紹介されている。強いストレスや危機感が強い時には一時的にストッパーが作動して、それ以上の負荷をかけないように上手に反応することができる。人間の意識や感情などは、本当にうまくできている。

昔習った「防衛機制」も同じように役に立つ。酸っぱいリンゴや置き換えなど日常的に使っている。さあ今日は憂さ晴らしに赤ちょうちんか・・!「あんな奴初めから気に入らなかったんだ・・」と、明日のために今日も飲む。


高齢者のお宅にお邪魔すると、こうした風景がいろんな形で見えてくる。たくさんの写真やアルバムに囲まれている人、その反対に雑然としていて片付けられない人、あまりにもきれいすぎてむしろ他人が入り込むのを避けているような部屋などなど、さまざまである。皆さんのお話も同じで、「一人で寂しいねえ」としみじみ語る人もいれば、「子どもなんかいらない一人が気楽だね」というお方もいる。中にはたくさんの武勇伝や経歴を披露して、かつての雄姿を得意げに語ってくれる。

こうしたいろんな人たちを見ていると、人の生き方が「その人らしく」見えてくる。「人は生きてきたように死んでいく」とは、よく言ったものだとつくづく感じる。

介護保険は「その人らしく生きることを支える」サービスだされている。でも、そんなものがなくとも、みんなその人らしく生きているように見える。人のたくましさだろうか。