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ケアマネ福田英二の徒然日誌その3 身元保証人…

2024年4月19日(金)晴れ 日本中に黄砂が吹き荒れる


一人暮らしの高齢者が入院したり次の施設に移るときには、必ず「身元保証人」が必要になる。世知辛い現代でなくともこうしたルールは昔からあるが、「普段いつものように暮らしている時」は、そんなことが大事だとは滅多に感じないだろう。そして、そんな人さまの世話になることなどないのが、「普通の暮らし」である。

バスの中で転んでしまった、階段を踏み外して骨折した、風邪だと思っていたらがんだといわれたなどなど、人の不幸は思わぬ時にやってくる。そんな時に病院で告げられる言葉が、この「身元保証人」である。

多くの人は家族があり親戚があり友人があり、あるいは地域で親しくしている人がいるので困ることはない。しかし、そんなものは必要ないと一人で生きてきた人は、途端に困ってしまう。そして突然の不幸を背負った以上に、お金の心配や保証人探しが降りかかってくる。


Aさんは若いころ羽振りがよく、事業も成功して家族にも恵まれていた。が、何かの拍子にその時代は去っていき、年を取るにつれて身の回りのことが出来なくなっていった。わずかな年金と残った預金で細々と暮らしていたが、とうとうそれも限界を迎えた。

いつしか、捨てきれないもので部屋が埋まっていった。ゴミ屋敷の処分や入院費の支払い、もてる財産の管理などに、頭を悩ませることになった。

「普通の暮らし」に潜む「社会保障」とは何だろうと考え込んでしまう。困っている人を助けるのが当たり前‥ではいけないのだろうか?