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医療の世界へLet’s Go!!!新人薬剤師・チルロッチの「とある薬剤師の日常」13

第13回:「OTC編」
~ドラッグストア勤務薬剤師としての職務~



こんにちは!最近暖かい日も出始め、過ごしやすい日が続いております。花粉の量もピークを迎えていますが、皆さんは目のかゆみや鼻水、大丈夫そうでしょうか? 私はまだ花粉症になっておらず、周囲の人たちからむしろ妬まれる日々を過ごしています(笑)。さて今回は、ドラッグストア(以下:DgS)の特色として挙げられるOTC医薬品について、DgSに入社して間もない身ではありますが、独自の観点からお話できればと思います!


OTC医薬品に関心をもった訳


まず、なぜ私自身がOTC医薬品に興味を持ち始めたのかについて、軽く経緯をお伝えしようと思います。今までの業務内容においては、処方箋に基づいた薬について患者さんとのコミュニケーションがほとんどを占めており、処方される薬の説明を行うのと患者さんから情報を聞き出すことに必死でした(笑)。しかし少しずつその業務にも慣れてきて、実際にDgSに置いてある薬についても質問されることがしばしばあったため、「そろそろOTC医薬品の勉強もしないとな、、、」と危機感を感じ始めたのがきっかけでした!

ただ、中途で入社した身でもあったため、そういった医薬品販売の研修も無かったので、「何から知識を得たらよいのか」と思ったのが正直なところでした。そこで、頼れる先輩薬剤師にどの薬をまずは抑えたらよいか?と相談したり、私なりにYouTubeやインターネットの情報をいくつかハシゴして活用したりと、試行錯誤してみました。

そこで考えさせられたこととしては、まず1つは薬の種類が圧倒的に多いということです。例えば同じ花粉症の薬であったとしても、成分が違うものもあったり、加えて別の成分も配合されていたりと、正直どんな違いがあるのかよく分からなくなってしまいました。ただ、落ち着いて考えれば「この薬の作用がメインで他は補助的な成分なのか」など、少しずつ成分表の見方が分かってきました! 次に考えさせられた部分としては、DgSの企業としてどの医薬品を販売促進しているのかを把握するところです。同じような成分で構成される薬同士の場合、そのうちどの医薬品メーカーを企業として販売促進するべきかといったものがあります。また、月ごとにキャンペーンを行う医薬品もあることも後に知りました。おそらくどのDgSでもあることなのだとは思いますが、今まで薬剤師として調剤業務しかしていなかった私にとっては、かなり新鮮な領域でした。

色んな角度からOTC医薬品の情報を手に入れたところで、早速次の日から実践で試してみることにしました!鉄は熱いうちに打て!というところですかね(笑)。


OTC医薬品のススメ


実際にDgS内で患者さんとお話をし始めましたが、意外とそれほど緊張せずに接客が行えました!学生時代に色々なバイトを行っていた成果の賜物かもしれません(笑)。ただ、あくまで体調が悪くて薬を買い求めている人がほとんどなので、しっかりと薬剤師として「どこの症状が最も辛いのか?」や「OTC医薬品のみで対応できる症状なのか?」といった部分をベースにすることは忘れないようにしています。

そこの部分を疎かにしてしまうと、むやみやたらに薬をススメてしまうことになってしまうからです。もちろんDgSは経営面から利益も考えなくてはならず、そうなると自ずと粗利率の高い薬をかってほしいというのが本音になってしまいます。ただ、企業側の本音と患者さんの求める部分のバランスを調整していくことも、販売時に必要であるなと実感しました。

最初のうちは、あまり考えすぎるとがんじがらめになってしまうなと思い、今はとりあえず「どの薬が一番コスパ良く効果を実感できる薬か?」と「DgSで売れ筋な薬はどれか?」に絞って販売業務をススメています。なんだかんだ売れ筋で値段が安いものほど、患者さんが求めやすいものになりますからね(笑)。


おまけ:患者さんとのエピソード


ここからは少し、実体験を踏まえたエピソードを1つ紹介します。ただの雑談と思ってください(笑)。私が調剤業務をしている時に、ある患者さんに投薬(患者さんの情報収集・薬の説明指導)を行っていました。患者さんのお薬についての説明は終えたのですが、そのお子さんについて市販の薬の相談を受けました。お子さんはまだかなり小さい年齢であり、求めていた効果の薬は体が成人並みにならないと使用できない薬でした。ただ、その子の日常生活に少し支障が出るような症状でもあったため念のため受診を勧めたのですが、処方薬でも小さい子供には使えるものはなくどうにも市販薬を探しても症状を改善できるようなものは見つかりませんでした。

結局、薬を用いたアプローチは出来ないと判断し、やむなく家でも出来そうな応急処置程度の内容をお伝えする形となりました。命にかかわるような症状ではないのでそこは大丈夫なのですが、もっと最善の解決策・情報提供は出来なかったかなと、モヤモヤすることがありました。

皆さんも薬に限らず、仕事を通じて似たような体験をしたことはありますか? もっと私自身、薬の知識も必要ではあるとは思いますが、それ以上に柔軟な対応が出来る薬剤師になりたいなと思う今日この頃でした。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました! 薬に限らずDgS勤務として、もっと多くの知識・経験を積んで精進できればと思います。その過程で得られた内容を、また文面という形で皆さんにお話しできたらと思っています。また来月、お時間あればぜひお読みいただければと思います!ご拝読、ありがとうございました。