学校を出たばかりの頃、2週間ほどアメリカに渡った。訪問したショッピングモールの両サイドにあった巨大なドラッグストアを見て、あまりの大きさに「いずれ日本もこうなるのか?」「いやいや、そんなことはとても想像できない」と自問しながら帰国したことを覚えている。それから10年を待たずに日本のチェーンドラッグストアは隆盛期を迎え、その矢先に私は薬剤師会に身を置くことになった。
15−6年ほど前に、ドラッグストアの方々と様々な事業を進めた時期があった。しかし、双方の路線の違いから事業は頓挫し、その後は互いにとって長く不幸な時代が続いた。
ただ近年、「薬剤師会だけでは何もできない」、一方で「チェーンドラッグだけでは実現が難しい」との思いが双方に芽生えていった。そんな折に池野会長から、「何か一緒にできないか」と声をかけられ、再度一緒に仕事をさせていただくようになった。
ここ数年、日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)、そして日本保険薬局協会(NphA)の3団体は良好な関係にある。先の能登半島地震で被災地にいち早くOTC医薬品を届けられたのも、その結果であろう。両打団体の薬剤師が肩を並べて被災地入りしたことは、良好な関係を内外に印象付けたことと思う。
薬剤師として何をすべきかを議論
我々とチェーンドラッグストアは、店舗の大きさも事業の目的も異なる。しかし、地域に正しく医薬品を提供し、国民の健康を守るという信念は一致している。
昨年には、先の3団体に病院薬剤師会を加えた4団体でシンポジウムが開かれ、各々の壁を超えて「薬剤師として何をすべきか」という議論ができるまでになってきた。これも、大きな心で我々を受け入れてくれた池野会長の計らいによるものだ。
こうした縁を大切にし、地域の方々に正しく医薬品を提供するために、今後も3団体あるいは4団体で連携していきたいと考えている。
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