サプリメント業界で新たな技術が注目されている。ザック・ベル博士と科学チームが沖縄科学技術大学院大学(OIST)で協力し、4年以上の歳月をかけて開発した技術「SEED-TECHNOLOGY(シードテクノロジー)」だ。これは、マクロ栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、食物繊維など)やミクロ栄養素(ビタミン、ミネラルなど)のバルクパウダーを、水に溶けやすい硬質材料に変換する世界初の技術である。
活用例を1つ挙げると、粉末プロテインを水に溶かす際、袋を開封し、スプーンでシェイカーに入れ、力を込めて振ることでようやく喫食できるようになる。また、粉末であると「分量を均等に測れない」「溶けづらく、ボトルを振り続けないとダマになることがある」「パウダーがこぼれ、汚れてしまう」などの問題も発生し、これを嫌がる利用者も存在する。
しかし、このシードテクノロジーを活用し粉末プロテインを錠剤にすることで、「指でつまみ、水に入れるだけであっという間に溶ける」という魔法のような利便性を利用者に提供可能となり、喫食までのハードルを低くすることができる。さらに、この技術は粉ミルクやコラーゲン、食事代替品、ビーガンプロテイン、スーパーフードなど、幅広い素材にも活用できるという
このシードテクノロジーを活用した製品を展開しているのが、沖縄県を拠点とする健康と高機能のサプリメント企業・Shima & Co.。ザック・ベル博士も共同創業者に名を連ねている。同社は、現在プロテインとスーパーフードなどの粉末を固形にしたビーガン・プロテインシードの「Shima Okinawa(スーパーベリー味・シークァーサー&パイナップル味)」をMakuake(https://www.makuake.com/project/shima-okinawa/)やb8ta店舗を通じて販売・出品中だ。
これらは砂糖を一切使用していないが果物の自然な甘みを感じることができる。4種のスーパーフード(アサイーベリー、マキベリー、マカ、カカオ)を使用し、高い栄養素を得られるだけでなく、乳製品やグルテンは不使用。15種類のビタミン、ミネラルの他、スーパーベリー味は12g、シークァーサー&パイナップル味は15gのソイプロテインを配合している。
同社の共同創業者であり代表取締役社長を務める山本静香ジェニファー氏は、「Shima Okinawa」について「一般的なプロテインは、筋トレやダイエット、美容などを目的に使われるケースが多いですが、『Shima Okinawa』は美味しさと利便性を追求したプロダクトです。スーパーフードやソイプロテインを配合しているので、体に良いのはもちろんですが、日常を過ごしていく中で、“ときめき感”を得られる味やブランディングにこだわりました。『Shima Okinawa』を一度召し上がっていただき、一人でも多くの人に笑顔を届けたい」と語る。また「Shima Okinawa」の販売について、「もちろんECサイトでも展開していきますが、日本国内のドラッグストアやスーパーマーケットへの販路拡大も考えています」(山本社長)
同社は、シードテクノロジーを「Shima Okinawa」の開発・展開だけにとどまらず、OEMにも取り組んでいくビジョンを持っている。「シードテクノロジーは、一般のプロテインパウダーやアミノ酸などにも対応できますし、今私が考えているのは青汁のシード化です」と山本社長は話す。粉末サプリメントの利便性を飛躍的に高める「シードテクノロジー」。今後、サプリメント業界にどのようなインパクトを与えるのか、注目すべきだろう。