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スギ薬局 国立東京医科歯科大学と包括連携協定を締結

「調剤併設型Dgsを拠点とするヘルスケアネットワーク」を実現

 スギホールディングスの子会社であるスギ薬局と、国立大学法人東京医科歯科大学(学長:田中 雄二郎)は、2024年4月1日付けで包括連携基本協定書を締結した。今回の包括連携協定により、スギ薬局と東京医科歯科大学は、両者の知見やノウハウを持ち寄り、スギ薬局の店舗をフィールドに「調剤併設型ドラッグストアを拠点とするヘルスケアネットワーク」を構築する。包括連携による共同研究および人材育成は「予防・未病」「外来医療」「在宅医療」「医療DX」の4領域で、スタート時の研究テーマは「オーラルフレイル」「在宅での医歯薬連携」を検討している。既報のとおり、スギ薬局は2024年に入り、自治体との包括連携を加速させてきた。ここにきて巨大な医療機関であり、研究機関である国立の東京医科歯科大学との包括連携が始まり、スギ薬局の「トータルヘルスケア戦略」は新たな一歩を踏み出したことになる。

締結式に臨んだ医(左から) スギ薬局の杉浦社長と東京医科歯科大学の田中学長

スギ店舗舞台に共同研究を実施

 今回の包括連携協定は、スギ薬局と東京医科歯科大学がこれまで築いてきた知見・ノウハウと店舗・人材ネットワークを融合することで、「調剤併設型ドラッグストアを拠点とするヘルスケアネットワーク」の実現に向けた共同研究及び専門人材の育成などを行うことを目的としている。

スギ薬局の店舗網をフィールドに、東京医科歯科大学の高い研究力をもって「革新的な共同研究」を行い、経済価値のみならず、社会価値の創出にも資する新たな価値創造に挑戦していく方針だ。


未病・外来・在宅・DXの4領域でスタート

 次の4つの領域に分けて、地域医療・ヘルスケアに関する様々な共同研究や、それらの領域で活用できる専門人材の育成を推進する。


1.予防・未病領域

 健康的な生活を継続できるようにセルフケアを推進する研究。
2.外来医療領域
 急性期や慢性期の外来治療の効果最大化を推進する研究。
3.在宅医療領域
 在宅療養ケア最適化によりQOL(Quality of life)改善を推進する研究。
4.医療DX領域
 デジタル技術を活用し医療現場における質や効率の向上を推進する研究。


研究テーマは「オーラルフレイル予防」「在宅での医歯薬連携の構築」を予定

 なお、初期の研究テーマとして、以下の共同研究を今後検討していく。


① オーラルケア商品を通じた口腔機能の維持・改善
 オーラルフレイル予防を起点とした健康な「からだづくり」をテーマに、ドラッグストア店舗・商品を活用した共同研究。

② 在宅医療における医歯薬連携の構築
 地域包括ケアシステムの推進をテーマに、医科・歯科・薬局の共同介入による在宅療養QOL改善の共同研究。



東京医科歯科大学とは 

東京医科歯科大学は、医学部と歯学部からなる唯一の国立大学であり、英国の世界大学評価機関であるクアクアレリ・シモンズによる分野別QS世界大学ランキング2023において、医学分野 日本4位(世界136位)、歯学分野 日本1位(世界3位)を獲得するなど、医療系総合大学として高い研究力と人材教育力を有している。また、医学的知見に加えて医歯学が融合する附属病院の臨床現場などの強みを活かした革新的な医療イノベーションの創出を積極的に推進している。

なお、東京医科歯科大学は、2023年4月に国立大学法人東京工業大学が設置する東京工業大学との統合を発表。新大学名称は「東京科学大学(仮称)」となる予定で、統合日は2024年度の秋を想定している。