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【ヘルスケアインタビュー】山本漢方製薬 山本整社長に聞く

『創業48年企業の今とこれからの戦略』

「2026年1月からドラッグストアルートを通じグミサプリをリリースしスタートさせたい」

 グミ市場への参入を目指していた山本漢方製薬の山本整社長は、2026年1月からドラッグストアルートを通じ普及活動をスタートすることを明らかにした。16年連続で青汁売上げメーカーNO.1の同社は、さらなる飛躍を期して、グミサプリの拡販、第5弾の機能性表示食品を申請中で、新しい商品も開発する予定だ。「今年上市した新製品が好調に推移し、ゴルーデンタイムに放映しているCMによる販促活動、さらに新製品の開発を進め、2026年1月からはドラッグストアを通じグミサプリをリリースし、スタートさせたい」と語る山本社長に、『創業48年企業の今とこれからの戦略』を聞いた。(取材と文◎流通ジャーナリスト・山本武道)

新製品の相次ぐデビューや販促活動が貢献

山本整代表取締役社長

――16年連続で青汁売上げメーカーNO.1を続けていますが、2025年は、どのような年だったでしょうか。

山本整代表取締役社長(以下、山本社長):大麦若葉製品は、相変わらずドラッグストアルートでの売れ行きは順調です。原田龍二さんご夫妻に出演していただいているテレビCMや積極的な販促活動、ドラッグストアをはじめ医薬品小売業界の皆様に拡販いただき、当社は16年連続青汁売上げメーカー第一位の座を続けさせていただいております。
 7月に開催されたアルフレッサヘルスケア主催の『2025ソリューション提案商談会』で来場者の皆様にご紹介いたしました、キャンドルブッシュをブレンドした珈琲『どっさりスリム珈琲』、『有機粉末抹茶』、機能性表示食品(『ごぼう茶100%』『サイリウム100%』『MCT大麦若葉粉末青汁』)、『マイボトルシリーズ3品目:菊芋茶、サジールイボスティー、黒豆あずき茶』に加えて、古来から体の石を出す薬草として知られる通販で人気のウラジロガシ100%の『マイボトル ウラジロガシ茶』を追加・発売し、いずれも既存商品と共に売上げに貢献することができました。

 販促ですが、今年10月から全国ネット(4番組)と関東ローカル(2番組)でテレビCMを放映(『大麦若葉100%青汁』、機能性青汁の『MCT大麦若葉』と『桑の葉若葉』、『食前野菜』、医薬品の『ヨクイニンハトムギ錠』)しております。


 万博期間中には、大阪の道頓堀にMMBボードで『大麦若葉シリーズ』(333㎡)の大型広告を設置しました。世界から来日された方々に、当社の製品と企業名を記憶していただけたと思います。
 さらに1日の利用者が740万人を超える東京メトロ駅を走る44駅53面に当社の大型看板を掲載し、かなりの問い合わせが寄せられました。

10月から放映中のテレビCM

 なお今年発売した新製品の中から3商品を紹介します。

<どっさりスリム珈琲>

「どっさりスリム珈琲」

🔹特徴:コーヒー豆に、約19%が食物繊維で構成され、抗酸化作用を持つフラボノイドも豊富に含まれているキャンドルブッシュをブレンドした珈琲/キャンドルブッシュがスッキリを、コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)が綺麗をサポート

🔹原料:コーヒー(ベトナム)、コーヒーエキスパウダー(コーヒー豆、デキストリン)、キャンドルブッシュエキスパウダー(デキストリン、キャンドルブッシュ)

<有機抹茶>

「有機抹茶」

🔹原料:有機抹茶(九州産)

🔹特徴:大麦若葉の産地の有機碾茶を使用し自社工場で製粉/インバウンドで特にオーガニック抹茶は世界的に話題の素材

🔹話題の理由:高い抗酸化作用を持つカテキンやエピガロカテキンガレート(EGCG)が豊富/カフェインが緩やかに作用するため集中力が持続しやすく、コーヒーの代替として人気/農薬や化学肥料を使っていないため“安心・安全”として高評価/SNSやインフルエンサーによる拡散/抹茶の鮮やかな緑色が映えるためInstagramやTikTokで人気

<マイボトル ウラジロガシ茶>

「マイボトル ウラジロガシ茶」

🔹原材料:ウラジロガシ

🔹ワンポイント:通販で爆発的人気のウラジロガシを、簡単便利にマイボトルシリーズで登場/カフェインゼロで体に優しい


好評な自社工場で製粉し商品化した『国産有機抹茶』

 ――このところ海外からの訪日客の間で、爆発的に売れている商品の一つに抹茶がありますが、山本漢方製薬さんが国内で販売されているオーガニックの抹茶製品も、とても人気があるそうですね。

山本社長:当社が開発し販売店様に取り扱っていただいている『国産有機抹茶』ですが、アルフレッサ様の商品提案会に出品し評価を得ました。インバウンドもあって、特にオーガニック抹茶は世界的に話題の素材として注目されていますので、発売以来、好調に推移しています。
 当社の『国産有機抹茶』の原料は、大麦若葉の生産地(九州)の有機碾茶100%を使用し、有機JAS認定の自社工場で製粉して商品化しました。
 カフェインが緩やかに作用するために、集中力が持続しやすく、コーヒーの代替として人気があり、しかも農薬・化学肥料を使っていないため、「安心」「安全」として高評価を得ています。
 ドリンクだけでなく、スイーツ(抹茶ラテ、アイス、ケーキ)、プロテインバーなど多用途ですし、しかもヴィーガンやグルテンフリー市場とも親和性が高い。さらに抹茶の鮮やかな緑色が映えるため、InstagramやTikTokで人気を博しています。

ラスベガスの素材展に初出展、話題を集めた有機抹茶

 ――ラスベガスで開催された素材展に出展されたそうですが・・・。

山本社長:健康志向とスーパーフードブームもあって、当社が普及する国産の有機抹茶が話題を集めています。
 その理由は、高い抗酸化作用を持つカテキンやエピガロカテキンガレート(EGCG)が豊富でカフェインが緩やかに作用するため、集中力が持続しやすくコーヒーの代替となるからです。

 実は、毎年、ロスアンゼルスに行き健康食品の展示会のナチュラルエキスポに出展し、どのような製品が売れているかも見てきましたが、ラスベガスで素材展があると聞きましたので初めて出展しました。和食ブームなので有機抹茶を紹介したところ、日本のお茶が好まれていることもあって、ものすごい人気でした。

 もともとアメリカでは、当社の大麦若葉も人気がありましたから出展したわけですが、来場者から抹茶に対する評判がとても良く、特に素材がオーガニックですので、抹茶の原料の問い合わせが多く寄せられました。とても良い出会いだったと思います。せっかくのチャンスですので、海外への展開が期待できるかもしれません。

2026年に向けた戦略の展開

 ――2026年度は、どのような1年にしたいですか・・・。

山本社長:今年発売した新製品の売れ行きは好調でしたし、それにCMも貢献しました。
 新しい年の2026年ですが、ドラッグストアさんの利益に結びつくことができるよう新しい商品づくりに力を入れたいと思っています。機能性表示食品4製品(『桑の葉若葉粉末青汁100%』『ごぼう茶100%』『サイリウム100%』『MCT大麦若葉』)に続く第5の機能性表示食品については画期的な商品を申請中で、受理されればドラッグストアルートでの利益商品として貢献できると考えています。

 かねてから準備を進めてきたグミサプリですが、アメリカではグミの売れ行きはものすごく、毎年の成長は10%以上だそうですので、日本でも同様になればと期待しています。
 当社では、ドイツ・シンテゴンテクノロジー社のコンスターチを使わないグミ成型を導入し、国内では少ないグミサプリ専用の生産設備を建設しました。


 多くの関係者から、「いつ発売するのか」とお問い合わせをいただきましたグミサプリですが、準備が整いましたので2026年1月からドラッグストアルートを中心にデビューさせたいと思っています。しかし、まだ市場に出回っていませんからなんともいえませんが、ぜひグミの年にしたいですね。

 当社は1977年1月に創業し、今年で48年目。
 「商品に価格以上の価値を提供し、お客様に喜んでいただき、“安心と満足”を提供しなければならない」を企業理念として医薬品や健康茶、健康食品、機能性表示食品などの開発に取り組み、健康になるための商品をお届けしてきました。

 長年にわたり経営を続け、以前からドラッグストア様とのPB商品にも取り組んできました。2026年度は、さらに飛躍を期して、新しいオリジナル商品を開発し、テレビCMなどによるドラッグストア様の販促活動をサポートさせていただきますので、山本漢方製薬が全力をあげて開発してきた様々な商品にご期待ください。

 ――ありがとうございました。


<記者の眼>
 数えきれないほど、訪問した山本漢方製薬の小牧市内にある現在の本社兼工場。1977年1月、山本漢方製薬の創業者である山本邦男氏が名古屋市内に、医薬品製造工場を建設したのが始まりだった。7年後に第二工場(春日井郡)が設立され、1985年に約900㎡の土地(現在地)を取得し翌年に第一工場を建設。さらに2000㎡の土地を購入。第二製薬工場、食品工場が次々と現在地に建設されていった。
 やがて周辺の土地も買い求めるとともに、工場は増築に増築を重ね、現在では第十工場まであり、製造機器も導入され、漢方薬、健康茶、健康食品、機能性表示食品等々を製造する大きな工場へ。本社兼工場は、小牧空港から離れた地にあるため歩いては行けない。取材の際にはタクシーを利用した。「山本漢方は、どんどん大きくなってるよ」―送迎していただく運転手は、笑いながら話していた。
 毎年、2〜3回は訪問していたと思うが、もう何年になるだろうか。工場は拡大し働くスタッフも増えた。つい最近、取材に訪問した際には、オフィスはさらに大きくなっていた。本社オフィスから徒歩1分の地に、グミサプリの製造工場(第十工場)が建てられている。そこも昨年、見せていただいた。国内では少ない、グミサプリ専用の生産設備だった。
 グミサプリの発売は、2026年の1月からだと話されていた。いよいよ2026年は“グミサプリ元年”とも言える活動が始まる。これまで画期的な新商品を登場させ、ドラッグストアルートへ利益商品を多数開発しデビューさせていたが、グミサプリ専用の製造設備がフル稼働し、やがてドラッグストアの店頭を活性化させるヒット商品になることを期待したい。(山本記)