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医療の世界へLet’s Go!!!ドラッグストア薬剤師・チルロッチの連載とある薬剤師の日常19

第19回:「向上編」
~ひとあじ違う薬剤師になるために~



こんにちは!最近になって寒さが出てきて、ようやく半袖から長袖の白衣に移ろうかと考えている、今日この頃のチルロッチです(笑)。風邪を引きやすくなる季節でもあるため、皆様も体調管理にお気を付けください!さて今回は、薬剤師としてさらに向上していくためにはなにが必要か? 私自身の実体験も踏まえながらそちらを考えていければと思います。


よりよいサービスを提供する!


まず、ひとえに向上していくといっても色々な捉え方があると思います。薬のスペシャリストとして知識量を増やすことが必要という点や、OTC販売の推奨販売を積極的に行う点、管理者として役職をどんどん上げていくといった点など様々です。その中で薬剤師のベースとして必要な能力は、「服薬提供の際にベストな情報を伝える事ができること」と考えます。

これは肌感にはなってしまいますが、特に若手の薬剤師のうちに日頃から勉強する意識を忘れず身に着け、それを服薬提供という形でアウトプット出来ている人ほど、業務に対する満足感は高いと思います。繁忙期だとなかなかそこまで手が回らない人も多いとは思いますが、その中でも適切なアンサーを患者さんに出来て感謝される時ほど、嬉しいことは無いと思います。

私自身が最初のうちに陥りやすかったこととしては、「この薬ってなんの説明すればいいんだろう?」と思い、薬剤情報説明書を指で示しながら文章を説明していました。簡潔に「アスベリンはお小水赤くすることあります」だったり、「この薬は眠気催すことあるので運転控えてください」など、大事なことは伝えやすいと思います。もっとも、患者さんによっては「説明書に書いてあるし言わなくていい」だったり、この場合は薬使った方がいいの?とか質問したい方もいます。そういった時に患者さんの満足度をより上げられることが、対人業務の本質だと考えます。

例えば、いつも子供にレボセチリジンシロップ(抗アレルギー薬)を長期で飲ませている患者さんの場合、「問題なく飲めているか?」や「服用して眠気が出たりしてないですか?」と聞くことが多いのですが、これだといつも聞かれている質問なので飽きられてしまうことが多いです。そんな時に「最近風邪流行ってますけどお子さん大丈夫ですか?」と聞き、もし体調崩すことがあるなら、「熱が上がった状態でこのシロップ服用すると痙攣を引き起こしてしまう事あるので、その際は服用止めて下さいね」と伝えるようにしてます。

他にも、ニキビの塗り薬が処方された時などは、「赤みが出たら使用頻度減らしてくださいね」だけでなく、「塗ってから15~30分程度で洗い流しても効果はあるので、赤み出てしまう時は塗る時間も減らしてみて下さいね」と伝えるようにしてます。
こうすることで、いつもの薬だけど患者さんの知識量を1つ増やせることになります。患者さんが知らない情報を伝えると、「またこの薬剤師に話を聞きたい!」となってくれると思います。これが結果的には、患者さんのためにもなるし、会社としてもリピーターが増えることになるので、Win-Winな関係となります。より良いサービスを継続できるためには、ボランティアに走りすぎないことも時には大事だと考えます!


求めるべき姿になるためには


ここまでは現場で働くひとりの薬剤師としての考えを述べてみましたが、ここからは店舗を運営する管理者側の目線でお話できればと思います。偉そうなことを言ってはいますが、まだまだ平社員の薬剤師の戯言なので、聞き流してもらっても大丈夫です(笑)。

管理者は、その店舗を運営するために必要な存在であり、どの業界においても必須となります。特に複数ある調剤薬局においては、それを統括する本部との懸け橋になるため、自らの意見に加えて会社としての方針を、他の従業員へ伝えていかなければいけません。バランスが非常に難しいポジションであり、前職も含めて色々な管理者の人と働きましたが、どれもタイプが異なりそれによって薬局自体の色もガラッと変わる印象です。マニュアルに沿って業務に真摯に取り組む人もいれば、薬局の雰囲気を大事にする人、各従業員の性格に合わせて業務を割り振れる人など様々です。どれも間違ってはおらず、結果として良い形だったと思います。

私自身が将来管理者になった際は、同じ目線で対等に話せることを意識したいと考えています。現在取り組んでいる投薬業務や在庫管理、OTC販売に加え、これから学んでいく管理者のイロハを、実体験を踏まえて分かりやすく伝えられることが重要と考えます。そう思った理由としては、情景をイメージしてもらうことで目標をより明確に提示できると思うからです。よく、「最近の若い者は!」と耳にすることもありますが、これは決して若者が怠けているのではなく、目指すための目標が見えてこないからだと思います。それこそ、「この人みたいに楽しく働いてみたい!」と思った管理者が過去におり、私自身がこう考えるきっかけでもあります。

まだまだ若輩者ではありますが、まずは周りに気が利く後輩であり続ければと思います。以上、やる気だけは誰にも負けない薬剤師の意気込みでした(笑)。

今回は2つのテーマに絞ってお話させて頂きました。正直、今年頭の入社のタイミングにはここまで考えを広げたこともなかったので、自身の成長にも少し嬉しくなっています(笑)。経験値をさらに上げて、これからも社会に貢献できる一員であり続けられればと思います!

皆様のおかげもあり、10月号を含めてここまで連載を計19回も投稿させて頂きました。次回の第20回で、ひとまず区切りをつけさせてもらう予定となりました。最終回は、今までを振り返った総集編をお届けできればと思います!ぜひ見に来てください!
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。