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猫の入手方法トップは “拾った”
ペットの存在意義は…?

Fromプラネット』第216号
ペット(猫)に関する意識調査より

日用品流通の情報基盤を運営するプラネット (坂田政一社長) は先ごろ、消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第216号として、ペット(猫)に関する意識調査の結果を公開した。※回答率(%)は小数点第2位以下を四捨五入し同第1位までを表示しています。そのため、内訳の合計と表示値が異なる場合があります。

あなたが「ペット」と聞いて、なにを思い浮かべるだろうか。これを4,000人にたずねたところ(図表1)、55.8%と半数以上が回答したのが「犬」、24.0%の「猫」がこれに続きました。3位以下(「あてはまるペットはいない」を除く)の合計が7.1%にとどまることからも、犬と猫は “ペットの二大巨頭” と言えそうだ。


表1

犬と猫をどれくらいの人が過去・現在に飼った経験があり、今後飼ってみたいと思っているのかも聞いてみた(図表2)。“現在飼っている” は犬12.6% vs 猫11.0%と差が小さいが、“飼ったことがある” は犬44.4% vs 猫27.9%、 “将来(も)飼いたい” 29.9% vs 23.3%と犬が優勢に。これを年代別にみると、“現在飼っている” は犬・猫ともに20代・30代が全体よりも高値を示しており、動物好きな若者像が浮かび上がった。また全般に犬優位のなか、40代は11.6%と両者同率、50代は11.7% vs 11.9%とわずかながらも猫の方が多く、家で猫に癒されたい働き盛り世代の存在が浮かび上がった。 “将来(も)飼いたい” では、30代で32.8% vs 32.5%と両者が拮抗していた。


表2

一般社団法人ペットフード協会の2022年調査では、犬と猫の飼育頭数はそれぞれ705万頭・883万頭と猫が上回ったように、近年は猫人気が高まっているという話も耳にする。そこでシンプルに “猫が好きか” をたずねたところ(図表3)、“好き派” (「どちらかといえば」を含む)66.2% vs “嫌い派” (同)33.8%と、前者が3分の2に。性別では “好き派” は男女ほぼ同率だが、「好き」は女性が男性を7.2ポイント上回った。また年代別では、世代が上がるほどに“好き派”は減り、70代以上では52.5%、「好き」も21.4%程度どまりに。片や40代以下では“好き派”が7割超、「好き」も30代の41.3%を頂点に50代以下で3分の1となった。


表3

今回は猫を現在飼っている・飼ったことがある人に、さまざまなことをたずねている。まず、猫を飼い始めた理由は(図表4)、「猫が好きだから」が50.7%と半数に。続いて「拾ったから」21.6%、「家族・子どもが飼いたいと言ったから」20.0%と受動的な理由が続く。どのように飼い猫を入手したかを聞いたところ(図表5)、買い始めた理由2位の「捨て猫を拾った」が45.5%で最多に。これに「知人からもらった」31.9%、「ペットショップで買った」11.8%、「保護猫を引き取った」11.7%が続き、全般的に “買う” よりも “もらう” “引き取る” ケースが多かった。Vol. 178で調査した犬の入手経路ベスト3は(図表非掲示)「人からもらった」44.6%、「ペットショップなどで買った」29.7%、「拾った」14.8%であることから、犬と猫では様相が違うようである。年代別にみると、20代では全体と比べて「捨て猫を拾った」が32.8%と全体より低い一方、「ペットショップ」や「ブリーダー」で買った、「保護猫」や「家族から」引き取ったが高位にあり、若年層は多様なルートから猫を入手していると言えそうだ。


表4
表5

猫を “お迎え” すると、あれこれとグッズを買いそろえたくなる。そこで、食器などの必須なもの以外で使っている/使っていたグッズをたずねてみた(図表6)。61.0%と最も多くの人が挙げたのは「猫じゃらしなどのおもちゃ」。一緒に遊ぶ以外にも、猫のストレス解消の点からも必須アイテムと言えそうだ。次いで、家や家財を傷から守る意味もあってか「爪とぎ」52.3%、身だしなみのための「くし、ブラシ」41.4%、迷子時の対策にもなる「首輪」34.6%、外出や通院時に必須の「キャリーケース」31.3%となった。

今後買いたい/使いたいグッズでも、トップは41.8%の「猫じゃらしなどのおもちゃ」で、これに続いたのが37.2%の「キャットタワー」。高いところが好きな猫の習性を知るにつけ、欲しくなるのかもしれない。


表6

愛猫の健康を保つうえで基本となるのが食事。店頭には多種多様なキャットフードが並び、どれを選べばよいのか迷うほどだ。そんななか、猫にどんな食事を与えているのか聞いた結果が図表7。69.1%と最も多かったのが「市販のドライフード(総合栄養食)」。比較的安価でバランスよい栄養が手軽に摂れる “カリカリ” を7割が愛用していた。続いて、カリカリと比べて食いつきのよい「市販のウェットフード(総合栄養食)」31.8%。さらに「人間と同じ食事やおやつ」も25.0%に。昔ながらの “ねこまんま” を与えているのか、はたまた飼い主と一緒に高級食材を楽しんでいるのかが気になる。最近話題の「市販のペースト状おやつ」は24.0%と、「市販のおやつ、スナック(ペースト状おやつを除く)」22.2%を上回り、女性を中心に人気のよう。「手作りのフード、おやつ、スナック」を与えている人も9.4%いた。


表7

1カ月の猫の食事代は(図表8)、最多が32.5%の「1,999円以下で、高いとみるか安いとみるかは、意見が分かれるところ。以下、「2,000円台」19.5%、「3,000円台」17.4%と、約7割が4,000円未満と回答。「8,000円以上」という人も6.5%いた。


表8

いまや大型犬を室内で飼う人も少なくない時代で、ペットに対する意識も変化している。そこで、ペットが自分にとってどんな存在なのかをきいてみた(図表9)。「癒し」と「家族の一員」がともに6割前後と突出、これに「心の支え」21.2%、「寂しさを埋めてくれる」12.3%が続きいた。「運動になる」「子どもの教育になる」などの実利的な理由は1割を下回り、現代人にとってペットは家族であり、精神的なつながりを感じる存在と言える。性年代別にみると、女性では「家族の一員」「心の支え」が男性を上回り、特に「家族の一員」は50代以下で、「癒し」も30・40代で全体よりも高い値を示していた。さらに男女とも若年~壮年層の広い年代で高値になったのが「心の支え」。「寂しさを埋めてくれる」は20代で高値になっており、若年層を中心にペットがかけがえのない存在になっていると言えそうです。一方で70代以上では、「心の支え」などペットとの精神的なつながりに意義を見出す比率は低位にとどまりながら、「運動になる」が男性で高位なのは興味あるところ。「近所やSNSでの交流が生まれる」は20代、特に男性で高くなっていた。


表9

最後に、ペットの思い出やエピソードなどの自由回答を掲載しておく。老若男女問わず愛犬家・愛猫家をはじめペットを愛する人が多くおり、ペットにメロメロな様子のエピソードも!一方で、ペットが亡くなった後「ペットロス」に陥り、新たなペットを飼うことをためらっている人も多いよう。このほか、ペットに対する人間の身勝手な行動に警鐘を鳴らす声もあった。

《 猫、ペットの思い出、エピソード、感じることなど 》

【気ままな猫、相棒の犬…全年代に愛されています】
● 旦那が実家で猫を飼っていて、結婚しても猫と一緒がいいということで猫を飼い始めた。子どもも猫が好きで、触ったり、えさをあげようとしたり、生き物に対して興味を持つようになった。(女性・20代)
● 猫に「いってきます」と言わずに出かけると、お出迎えをしてくれず、しばらくご機嫌斜めに。名前を呼ぶと必ずしっぽを振るかお返事をしてくれました。とても愛していました。(女性・40代)
● 近所の猫に会う度に猫の鳴き声で挨拶していましたが、全く相手にしてくれませんでした。ある時その猫に気付かず通り過ぎた瞬間、「ニャーオ」と “ここにいるよ” と言わんばかりに挨拶してくれました。(男性・70代以上)
● 犬を飼い始めて自分の生活はある程度犬を中心になり、規則正しくなった。犬を通じて生命の尊さを改めて感じ、犬がぶつけてくる素直な感情に心を打たれ、とても大事な気持ちを思い出させてもらっている。(女性・50代)
● 我が家で生まれた柴犬2頭、それぞれ別の先に引き取られた。半年後位に1頭の子犬を見に行ったところ、私の声が聞こえたとたん「キャンキャン」と飛び跳ねて鳴き、飼い主は「こんな嬉しがりようは今までにない光景だ」と言っていた。私の声や顔も覚えていたのかなと嬉しくなった。
(男性・70代以上)

【犬猫以外に、こんなペットも】
● 白文鳥は3歳児くらいの理解力はあると聞いていたが、本当に賢いと思う。自分の名前は理解しているので呼べば飛んで来るが、自分が行きたくない時は絶対に来ない。「そろそろ寝る時間だよ」と言うと、寝たくない時は逃げるし、人間の会話にも入ってくる。立派な家族の一員として一緒に生活している。(女性・40代)
● 仕事で嫌なことがあってもウサギを撫でると癒される。(男性・50代)
● メダカとヌマエビを飼育しているが、のんびりしている様子に癒されている。(男性・60代)

【保護犬・猫を飼う】
● 小さな頃から動物が好きだった。「大人になったら猫を飼いたい!」と強く思い、調べているうちに保護猫の存在を知った。それ以降は保護猫一択で、初心者でも飼いやすく、猫本人もストレスにならないよう慎重に選び、家族に迎えた。(女性・30代)
● 保護犬を飼っている知人がいる。純粋に犬が好きだが、いまから子犬を飼うには自分の年齢や健康が気になる、それだったら行き場のない犬たちを引き取りたい、という志の高い方で、尊敬しています。(女性・30代)

【動物好きから専門家に】
● 生まれたときから犬、猫に囲まれて過ごしてきて、現在に至るまでいなかった期間がない。おかげでペット関係の専門学校に入り、5年ぐらいトリマーとして働いていた。(男性・20代)
● 小学生時代、酷いいじめに遭っていて、飼育小屋が居場所だったことから、飼育動物に感謝できる仕事をしようと思って獣医師になった。今では、人を支えて疲れている動物たちが楽になる医療を提供することが生きる理由になっている。(女性・50代)【ペットを飼いたいけれど…】
● ペットロスが強かったので、本当はまた飼いたいが、辛すぎて飼えない。(女性・50代)
● 捨て猫を保護したり、保護猫を貰ったりしましたが、世の中如何に人間中心で動物を捨てたりする人が多過ぎると思います。責任を持って最後まで面倒を見てほしいと思います。(男性・50代)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「ペット(猫)」に関する意識調査を実施。
期間:2023年12月4日~8日、インターネットで4,000人から回答を得ています。

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