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連載企画 クローズアップ企業「摩耶堂製薬」①
摩耶堂製薬 代表取締役社長 綾井博之さん インタビュー
和漢薬と西洋薬のハイブリッドOTC「摩耶堂薬」戦略

ニキビに深刻な悩みを持つ人の
“手放せないお守り”、ネオ小町錠

1935年に創業し、長期にわたって和漢薬を供給してきた摩耶堂製薬。同社は、近年社会問題にもなっている男性更年期障害の治療薬「金蛇精」(第1類医薬品)、肩・腰・背中の痛みを体の中からほぐす飲み薬「雲仙錠/散」(指定第2類医薬品)、繰り返しできるニキビを根本から治す飲み薬「ネオ小町錠」(第2類医薬品)など、非常にユニークな製品を多くラインナップしており、ドラッグストアやエンドユーザーからの支持を拡大している。摩耶堂製品の特長は、漢方薬を日本人の体質や風土に合わせて発展させた和漢薬であり、唯一無二の存在として根強いファン層を確保している。この企画は、これら製品にフォーカスし、同社社長の綾井博之さんに同社の戦略および製品に対する思いを聞いていくもの。第1回目は、「ネオ小町錠」を取り上げる。(記事=佐藤健太)

――日々ドラッグストア業界を取材していると「摩耶堂製薬は面白いラインナップを持っている」と位置付けている関係者が多くいることが分かります。その1つに「ネオ小町錠」が挙げられると思いますが、直近の動向はいかがでしょうか。

綾井博之社長

コロナ禍およびwithコロナにおいてマスクニキビで悩まれる方が増えてきたので、ネオ小町錠もそこに焦点を当てた販促を実施していますが、一方でそれ以前からご愛用頂いていたお客さまがどういう方たちなのかをもっと知る必要があると考えて、「ネオ小町錠」についてTwitterでつぶやいてくださっている方や、お店でリピート購入してくださっている方にインタビューを実施させていただきました。

その結果わかったことは、いろんな化粧品やお薬を試してこられた方たちが、最後に出会ったのがネオ小町錠で、その方たちの言葉をお借りすると「もう手放したくないお守り」のような存在だったということです。インタビューに参加してくださった方はどなたも美容に関する知識が豊富で、実際にお肌もきれいな方ばかりだったのですのでが、お話を聴くと「ある時期は本当にニキビがひどく、外に出るのが嫌だった」「なぜ自分ばかりがこんなに悩まなければならないのだろう」など深刻に悩んだ経験をお持ちでした。その方たちが弊社の「ネオ小町錠」と出会われ、お悩みを解決されて明るい笑顔を取り戻されたことを知り、非常に勇気づけられたのと同時に、同じように困っておられる方たちに「ネオ小町錠」を届けていかねばと改めて責任も感じることができました。

――予防領域に対応するOTCは数少ないですが、「ネオ小町錠」は、吹き出物やニキビの治療だけではなく、予防薬としても活用できるという特長を持っています。

ネオ小町錠

実はネオ小町錠は「ニキビなどの予防」も効能として持っているのですが、実際に多くの方が、ニキビが治った後もネオ小町錠を手元に置いて、予防薬として服用いただいていることが判りました。ニキビ体質の方は「あっ、また出来そうだ」というのがなんとか判るそうです。そんな時は早めに「ネオ小町錠」を飲んでおけば、悪化しにくいし治りも早くなると言われていました。「ネオ小町錠」は当社のロングセラー製品ですが、こういったお客様からの根強い支持に支えられてきたのだなぁと思います。

また、今回のインタビューを実施するまでは、製品の歴史が長いだけあって「ネオ小町錠」をご愛用いただいているのは比較的年齢層の高い方が多いのではないかと思っていたのですが、10代や20代の意外と若い方々にもご愛用いただいていることが分かりました。若い人にとってもお肌の悩みは深刻なものですし、こういった方々にネオ小町錠のことを知っていただくために、SNSやITを活用したプロモーションにも力を入れていかねばならないと考えるようになりました。

――確かに、TwitterやInstagram、YouTubeへの広告展開は、若年層に対する強いアピールになります。

今年3月、実際にInstagramとTwitterに広告を出してみたところ、すぐにPOSにその効果が表れました。特に20代からの購買が顕著に伸長しており、やはりこの層が「ネオ小町錠」に対する潜在的なニーズをお持ちということが判り、今期は1年かけて「ニキビとのいたちごっこを終わらせませんか?」「ニキビになりにくい体にしていきませんか?」というメッセージを発信していこうと考えています。

――プロモーションと同時に、パッケージリニューアル等は考えておられますか?

これまでのお客様がおられますから、大きくイメージを変えることは考えていませんが、お客様の声を反映したマイナーチェンジは柔軟に考えていこうと思っています。

その一例が商品名の扱いなのですが、実はいまのパッケージをデザインする頃は「ネオ小町錠」というネーミングの古風さを私たち自身が引け目に感じていたところがありました。そのため効能効果を前面に押し出して、商品名はパッケージ下部に小さく表記しているのですが、今回SNSに挙がったお客さまの声を聴くと「ネオ小町錠」という名前がブランド化しつつあると感じています。「名前は怪しいけれどちゃんと効く」とか「錠剤が大きくてビックリしたけど飲めば効く」、さらには「錠剤が沼のような色だけど効く」とか(笑)。

私たちが引け目に感じていたウイークポイントを、ご愛用いただいているお客さまはそれも「個性」として、苦笑しながらも受け入れてくださっている。そういったお客様を少しずつ獲得していくことで、ネオ小町錠をしっかりしたブランドとして根付かせていくことが我々の使命かなと考えています。

――ありがとうございました。「ネオ小町錠」の新たなチャレンジに期待しています。


【取材を終えての直感】文責:佐藤健太

OTC活用の新たな習慣を与える「ネオ小町錠」

実感が湧いているかと問われると「まだまだ」という段階ではあるが、超高齢化や社会保障費の膨張によって、OTC医薬品の存在価値が間違いなく高まっている。さらにコロナ禍を乗り越え、ウィズコロナ時代に突入している中、「コロナに感染したくない」という意識が、「より健康になって、病気にかかりにくい体づくりをしたい」というニーズにシフトしている。

これまでOTC医薬品業界はセルフメディケーション(自己治癒)を掲げ、使用促進および市場拡大を目指してきたが、今後はヘルスケア(予防)を含めた広範囲のニーズに対応していくことが望まれるだろう。
今回取り上げた「ネオ小町錠」の特長的なところは、皮膚トラブルの治療だけではなく、予防にも活用できるというところだ。つまり、「ニキビができたから使う」と症状が出てから単発的に服用するのではなく、「ニキビができたら困るから使う」と症状を回避するために継続的に服用できる。

OTC医薬品全体を見渡すと、予防領域までを効能効果とする製品は多くはなく、滋養強壮やアイケア、脱毛、乗り物酔いくらいでしか目立つ製品がない。「ネオ小町錠」は、生活者の身近な悩みである皮膚トラブルに対応する製品で、しかも飲み薬でありながら「予防にも使える」という画期的な製品であると同時に、前述した「より健康になって、病気にかかりにくい体づくりをしたい」というウィズコロナ時代のヘルスケア意識に対応可能な製品でもある。長い歴史を持つ一方で、非常に現代的な製品だと位置付けられる。
これまで、OTC医薬品があまり前面に出して訴求してこなかった「予防目的で使用する」ということを、新たな習慣としてユーザーに取り入れてもらうきっかけを作る製品、OTC医薬品の可能性をより理解してもらうための製品だと表現しても過言ではない。

ドラッグストアの店頭に目を向けると、やはりOTC医薬品は「今のつらい症状に」という訴求ばかりが目立つ。それがOTC医薬品のメインストリームであるのは違いないが、そればかりでは「健康だけれど、もっと健康に」というウェルネス志向を持った来店客の購買心理をくすぐることはできない。まずは、身近な皮膚トラブルからこの「ネオ小町錠」を第一選択の武器として、予防を前面に出した売り場提案を始めてみるのも、有力な戦略となるだろう。


摩耶堂製薬オフィシャルの「ネオ小町錠」紹介ページ
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