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LINE活用で利用者と薬局の距離が縮まっている

薬樹薬局ライフ溝口店
薬樹薬局ライフ溝口店

薬局をもっと気軽に利用してもらおうと、LINE公式アカウント「つながる薬局」(ファーマシフト提供)を導入し、成果を上げている薬局が増えている。川崎市高津区の薬樹薬局ライフ溝口店は、昨年(2021年)6月オープン時から「つながる薬局」を導入し、調剤予約や健康相談に活用している。

薬樹薬局ライフ溝口店は、スーパーのライフ溝口店1階にあって、買い物利用客の来局が多い。
「処方箋なしでもご利用者様が来店する店舗」を目指している磯﨑玄ストアマネジャーは、「今後、処方箋調剤だけでは薬局は成り立たなくなる」との危機感を抱きながら、もっと気軽に相談できる薬局づくりに取り組んでいる。薬樹(本社:神奈川県大和市)自体が、「健康な人、健康な社会、健康な地球」をビジョンに掲げている背景もある。

薬樹薬局ライフ溝口店の特徴をさらに伺うと、磯﨑ストアマネジャーは「小児科の応需が比較的多く、お子さまに気に入っていただいています」。母親がスーパーで買い物中、子どもはスタッフと話していることが多いという。薬局の明るい雰囲気が子どもたちの心を捉えているのだろう。

「つながる薬局」の利用メリットとしては、「調剤予約」機能を第一に挙げる。
患者からの処方箋送信、薬の準備ができたら通知。その間、患者は買い物などの時間に当てられる。家族の1人が登録するだけで、ほかの家族の情報を一元管理できるのも強みだと言う。
「(処方薬の)在庫が不足した時でも、LINEで通知してから対応しています。東京や千葉からかかりつけで選んでいただいている方もいて、在庫していない薬が処方されるケースもあります」。かかりつけ利用が遠方に広がれば広がるほど、かかりつけ薬局化支援の「つながる薬局」機能が生きる。
「処方箋がなければ入りにくい」薬局はまだまだ多い。だが、LINEを通じて気軽に利用できることで「ご利用者様と薬局の距離は縮まっている」(磯﨑ストアマネジャー)ようだ。その一方で、「薬局は、薬以外の領域でも管理栄養士活用による食事栄養相談や生活習慣、健康相談の窓口になりたい。また地域と連携しながら、ご利用者様の課題や悩みの解決につなげられる薬局になっていきたいと思います」と今後の抱負を述べている。