公益社団法人日本理学療法士協会(JPTA)は、会員が自らの職場等で腰痛予防に取り組む事業「2023 職場における腰痛予防宣言!」を、厚生労働省の後援のもと10月2日(月)から実施した。
日本における業務上疾病(新型コロナウイルス感染症除く)で最も多いのは腰痛とされ、特に保健衛生業では業務上疾病のうち約8割を腰痛が占めている。腰痛は従業員の休職・退職を招くことから、従業員の健康上の問題だけではなく、労働人材確保や労働生産性の観点で経営者にとっても深刻な問題となっている。
参考 厚生労働省の「令和4年度業務上疾病発生状況」における業務上疾病のトップ3
1位:「病原体による疾病(新型コロナウイルスり患によるもの)」155,989人
2位:「負傷に起因する疾病(腰痛・災害性腰痛)」5,959人
3位:「異常温度条件による疾病(熱中症)」827人
このような状況の中、JPTAは2020年度から厚生労働省の後援のもと、理学療法士の専門性を活かし、JPTA会員が自らの所属施設における腰痛予防に貢献することを目的として、「職場における腰痛予防宣言!」と題するキャンペーンを開始している。
昨年度は全国144施設、総勢7,370名の多職種に対して腰痛予防の取り組みが実施され、着実に全国的な活動へと広がりつつある。
今年度は第14次労働災害防止計画に「労働災害防止に理学療法士の活用」が明記されたことを踏まえ、腰痛予防の活動をJPTA会員の所属施設だけでなく外部施設においても実施できるようにした。「職場における腰痛予防宣言!」をきっかけに、医療・介護現場にとどまらず、労働者の腰痛予防などの安全衛生に理学療法士も取組み、労働者の健康に寄与していく方針だ。
■事業内容
JPTA会員の理学療法士が、所属施設内で3つのMission(腰痛予防啓発ポスターの貼付・腰痛予防講習会の開催・腰痛リスク見積りと改善提案)に取り組む。全てのMissionを完遂した施設は、理学療法士が所属しない外部施設から腰痛予防の活動依頼に応じる“Champion stage”へ進む。同会ホームページに依頼窓口を任意掲載していく。
■開催概要
主催: 公益社団法人日本理学療法士協会
後援: 厚生労働省
期間: 2023年10月2日(月)~2024年2月29日(木)
詳細: https://www.japanpt.or.jp/pt/function/healthpromotion/#a5