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資生堂、24年2月にサプリ事業本格スタート

パートナーにツムラとカゴメ 
美容領域の知見で先発企業を追撃

資生堂がサプリメント事業に本格参入する。2024年2月に新ブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS (シセイドウ ビューティー ウエルネス)」を立ち上げ、美容関連のサプリメントや飲料等を開発・販売する。友軍に選んだのはツムラとカゴメ。前者は生薬・漢方領域、後者は野菜を用いた飲料領域で有力なノウハウを持つ。3社の資源を融合した商品をまず国内で販売し、2025年以降は中国をはじめとするアジア地域での展開も予定する。ツムラ、カゴメの他にも、各分野のプロフェッショナルであるパートナー企業と新しいソリューションを創出していく考え。新しい健康美習慣を「J-Beauty Wellness」 として世界に発信し、新市場創造に取り組んでいくという。

コロナ禍の影響もあったが、国内化粧品市場は飽和とともに成長が鈍化しており、成長が見込める中国もリスクヘッジが必要な状況にある。事業の多角化として選択したサプリメントも、健康食品メーカーに加え製薬メーカー、食品メーカーなどの新規プレーヤーがしのぎを削っている。化粧品メーカーの雄である資生堂が、先行企業といかに差別化を図り事業を構築していくのかが注目される。


事業化の背景

資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、2030年までに「Personal Beauty Wellness Company」として、美の力を通じて人々が幸福を実感できるサステナブルな社会を目指している。その実現に向け、スキンケアの知見・研究開発力を活かしたスキンビューティーブランドを強化するとともに、新たな成長領域への取り組みを推進している。

地球環境や社会課題の変化の中で「健康に自分らしく」生きることの重要性が増しており、日常生活においても「心身的豊かさ」を求める人が増えている。同社が実施した調査※1では、20代から60代の女性の74%が肌・身体・心の繋がりを感じ、72%がキレイになるために内側から整えることが必要だと感じていることが分かった。また、店頭で活動するパーソナルビューティーパートナーの96%が顧客から健康や栄養に関する相談を受けている。このような背景を受け、ウェルネス領域展開への第一歩として、インナービューティー事業を2024年2月に本格始動する。
※1:2023年、資生堂調べ(n=23,408、20~60代女性、日本)


新ブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS」について

人の美しさを外見や「肌」のみではなく、肌、身体、心の調和が取れている状態こそが健康的で美しいと捉え、日々の生活を通じ、一人ひとりのここち良い独自の「健康美」の実現を目指したブランド。ブランド名には、美を日々、内側から育むことで、その人ならではの美を持続可能にし、“Beauty Wellness Life”を叶えていくサポートをしたい、という思いを込めた。100年超のライフサイエンス研究とデータサイエンスを活用し、肌・身体・心の関係性を解明した美の独自の知見をもとに、パートナー企業との共創を取り入れた商品やサービスを展開していく。

ツムラとカゴメとの共創について

「一人ひとりの、生きるに、活きる。」をパーパスとし「“Cho-WA”(調和)」の取れた未来を実現する企業へ」を長期経営ビジョンのテーマに掲げ、生薬と心身のつながりに強みをもつツムラ社と、「トマトの会社から、野菜の会社に。」というビジョンを掲げ、トマトをはじめとする野菜・果実のおいしさや健康価値を活かした飲料と食品等の研究開発を強みとするカゴメ社と、「よりよい社会を実現していきたい」という思いが一致し、各社との共同研究・商品開発に至った。漢方薬のプロフェッショナルであるツムラ社とは「東洋思想の五臓」※2、野菜のプロフェッショナルであるカゴメ社とは「野菜の力」から着想を得た、共同研究、商品・サービスの開発を進めていく。
※2:肝・心・脾・肺・腎

■株式会社ツムラ

■カゴメ株式会社