ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

プラセンタのリーディングカンパニー・経営トップに聞く
スノーデン・明壁 正英 代表取締役会長 インタビュー


組織力を活かした経営基盤で
「未来創造スノーデン」に


プラセンタのリーディングカンパニーとして、そして多くのドラッグストア店頭に配荷されているロングセラーブランド「プラセントップ」シリーズや、高品質なプラセンタの原料供給などで知られるスノーデン株式会社。同社は、2021年12月31日にトップ人事を行い、この1年半、新たな経営体制のもとで運営されてきた。今回「Hoitto! ヘルスケアビジネス」に、スノーデンの新たな時代を築くべく経営トップのバトンを託された代表取締役会長・明壁正英氏にインタビューを実施した。明壁会長に、プラセンタのリーディングカンパニーとして、その経営トップとして、どのようなビジョンで未来を見据えているのか聞いた。(取材と文=佐藤健太)


――2021年12月31日付で代表取締役会長にご就任しましたが、経営トップとして、どのようなビジョンをお持ちでしょうか。

スノーデン・代表取締役会長の明壁正英 氏


明壁会長 当社の決算は6月期でして、現在47期目を迎えたところです。これまで長きに渡って「健康・長寿・美に関する独創的商品を開発し、社会に貢献する」「創造・誠実・信用・情熱を基とし、堅実経営に徹する」「国際的視野の中で経営を考え現在の繁栄と明日の安定と発展のために企業活動を推進する」という理念を掲げて、ヘルスケア産業に関わってきました。

スノーデンの創業者であり、私の父でもある明壁義蔵前代表取締役会長(現名誉会長)から代表取締役のバトンを受け取ったのは45期目の半期を終えたタイミングでした。もちろん、これまで掲げてきた経営理念は継承していきますが、46期の期初に「未来創造スノーデンの新たな第一歩のために」というスローガンを社員に伝えました。これは、45年の軌跡を重んじ、経営理念の哲学を守りながらも、時代に合った経営・企業活動を取り入れたいという考えからです。

私がスノーデンに入社したのは33歳で、明壁名誉会長が60歳のころでした。入社時から「いかにスノーデンを、社会にとって良い会社にしていくか?社員のためにできることは何か?」と考え続けてきましたが、自らが中心となってこれを経営に取り入れられる立場となりました。代表取締役会長である私と、代表取締役副会長であり実弟の明壁史弥、取締役社長の中川泰男が中心となって重要項目の地ならしや方向性を決め、入社時から現在にかけて考えてきたことを有言実行していきたいと考えています。

明壁名誉会長が創業者として強力なリーダーシップを発揮してきましたが、私は経営理念を時代にあった形で翻訳をして、これを守り、なおかつ透明性を持たせることで経営陣が何を考えているのか社員に伝えていきたい。つまり、今後の企業発展のためには、特定の人物が牽引するのではなく、組織力で経営基盤を安定させていくことが重要だということです。

これを実現するには「変えてはいけないもの」「変えるべきもの」「新しく始めるもの」を明確にしつつ、それぞれフラッグである目的とゴールを掲げて、そこに向けて企業力を集中させることが不可欠だと認識しています。スノーデンの役員・社員のベクトルを結集させ、その結果、企業全体が成長していくという経営を目指していきます。


――スノーデンは原料供給から最終製品まで、プラセンタのリーディングカンパニーとして知られていますが、その強みはどこからきているのでしょうか。


明壁会長 情報化社会や気候変動、環境問題、ウイルスとの戦いなどによって経営環境はドラスティックな変化を見せています。そうした中で「良い企業とは、どのような企業か?」という視点に立ってみると、第一に「世の中において存在意義のある企業」、第二に「企業理念・哲学が明確であること」、第三に「その企業が提供する製品・商品・サービスのパフォーマンスが期待を裏切らないこと」。これが最低条件であると私は位置付けていますが、当社の最大の強みは、これらを満たしていることだと思います。


明治から引き継ぐ「活蔘」の育成・発展を目指す


――経営トップとして、中長期ビジョンで取り組みたいことをお聞かせください。


明壁会長 当社は51期目(2027年)に創立50周年を迎えます。そこまでに、東京工場を熊谷工場に統合したいと考えています。昨今、建築費が高騰しているため、より効率的な統合が必要とされます。

さらに、株式会社明治から「活蔘事業」を2024年4月1日に引き継ぎます。これは当社にとって非常に大きな出来事であり、この新規事業をいかに発展・安定させるかということも、とても重要です。ご存知の通り、当社のOTC事業には一般用医薬品の「プラセントップ」「正官庄」が存在しており、これは滋養強壮カテゴリーに属します。「活蔘」も一般用医薬品であり、同じカテゴリーの商品であるため、ある意味では競争してしまいます。各商品を、どのように差別化して売上・利益に繋げていくのか。難しい問題ではありますが、ポジティブな考え方でチャレンジしていきたいと思います。

現在当社は40億円規模の企業ですが、「活蔘」を育成していくことで、50億円規模の企業を目指すことができます。一つのスローガンとして「中小企業から中堅企業へ」を掲げ、創立50周年には、50億円規模をぜひ達成したいと考えています。


――貴社は長年ドラッグストア市場で「プラセントップ」シリーズを流通させてきました。ドラッグストア企業から「高品質」「リピート率が高い」と高い評価を得ていますが、「プラセントップ」がドラッグストア市場で成功した要素は、どこにあったと位置付けておりますか。


「プラセントップ液」と「プラセントップ錠」

明壁会長 おかげさまで多くのドラッグストア企業さまに「プラセントップ」シリーズをご採用いただいております。私も営業本部長として、長らく各地のドラッグストア企業さまと関わらせていただいておりましたが、商談の際に、経営トップにお越しいただいて「愛用しているよ」と実際に商品をお持ちくださることがありました。商品を可愛がっていただけるのは、大変ありがたく思っております。

また、当社は直販を原則としているメーカーですので、ドラッグストア企業さまと直接的なアプローチが可能ですし、商談の機会も安定的にいただくことができます。私が営業本部長だったころから「顔が見える営業」を推進し、これが根付いてきたこともあり、スノーデンという企業、「プラセントップ」というブランドを、より身近に感じていただけるようになりました。今後ともこの営業姿勢を守り、店頭を介して一人でも多くのお客さまのQOL向上に努めていきたいと思います。


――今年1月から「乳酸菌分解プラセンタ発酵液」の原料販売を開始しました。差別化要素など「乳酸菌分解プラセンタ発酵液」についての詳細と、上市後の反響などをお聞かせください。


乳酸菌PR31

明壁会長 販売開始のタイミングで化粧品開発展に出展し、開発者がセミナー等を実施したこともあり、想定以上の反響がありました。

これまで当社は、酵素分解法にてプラセンタエキスを製造してきましたが、新たなプラセンタ分解法についての研究を重ね、独自の乳酸菌により、プラセンタを直接発酵分解する新たな製法を確立しました。この「乳酸菌分解プラセンタ発酵液」は、乳酸菌による新たなプラセンタ分解法を用いたもので、酵素や酸で分解抽出する一般的なプラセンタエキス製法とは異なります。

日本国内の農場で飼育された豚の新鮮なプラセンタ(胎盤)を、独自の乳酸菌PR31の力で発酵分解。この発酵工程によって、様々な代謝成分が産生されます。乳酸菌PR31によりプラセンタを発酵分解した後、酵素分解を行うことで従来のプラセンタエキスの特性も併せ持つ発酵液が完成するといったものです。

乳酸菌PR31は、中国新疆ウイグル自治区の伝統的発酵乳「キテック」から分離された、乳酸菌分解プラセンタ発酵液の製造に必須の乳酸菌です。岡山大学宮本拓名誉教授により世界各地の発酵食品から分離された乳酸菌ライブラリーの使用許諾を得て、胎盤を直接発酵分解する力を持つ乳酸菌として選抜しました。


――「乳酸菌LJ88」など、貴社はユニークな原料をお持ちです。


乳酸菌LJ88(殺菌)末

明壁会長 「乳酸菌LJ88」は、「胃には胃の乳酸菌」というコンセプトを持つ当社独自(日本、韓国、米国において関連特許取得)の乳酸菌です。健康なヒトの胃から分離された乳酸菌で、胃酸分泌を抑える効果があることが確認されており、スノーデンと東海大学の共同研究によって誕生した乳酸菌です。

2023年6月30日~7月2日に開催された「第29回 日本ヘリコバクター学会学術集会」で、当社の研究者・小松靖彦が「乳酸菌LJ88殺菌体摂取による胃食道逆流症関連症状の改善」について発表し、参加した方々から大いに注目されました。登壇者・来場者の大半が医療関係者・学術関係者であり、メーカーからの発表者は当社だけでした。

この「乳酸菌LJ88」ですが、国内では大手ドラッグストア企業さまのストアブランドにご採用いただき、OTC胃腸薬と併用可能という特徴を持っているので、OTC胃腸薬をご購入されたお客さまに推奨していただくなどで、好調な販売実績を築いています。

また、シンガポールでは「ガストリセル」という名前で商品化されています。現地のWATSONS(ワトソンズ)などのドラッグストアで販売されているのですが、非常に売れ行きが良い状況にあります。これをASEAN圏内に広げていくために、グルテンフリーなど現地のレギュレーションに合わせた配合に切り替えようとしている最中です。


――この度はインタビューをお受けくださり、ありがとうございました。