ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

クオールとサントリーウエルネス 地域の健康支援で協業スタート

 薬局での相談販売、〈健康食品と薬の飲み合わせ〉不安に「安心」と「信頼」

【上】健康食品の相談が服薬指導との相乗効果を高める機会にも(クオール薬局) 【下】協業オリジナル商品、6ブランドの一週間分パウチ

高齢化が急速に進む中、治療から予防へ、セルフメディケーション推進の取り組みを明快に示す好例だろう。

クオール薬局とサントリーウエルネス(東京都港区)が地域の健康支援に関する協業を開始した。健康食品に関心のある来局者に対して、クオール薬局の薬剤師から成分の安全性や薬との飲み合わせ等を説明し、適切な理解を促進していくとともに、サントリーウエルネスの健康食品(6ブランド)を販売する。薬を服用中の患者にとっては、身近な専門家からのアドバイスを通じて、安心安全に健康食品を購入できる。相談販売を開始して1か月程度だが、患者の健康の悩みや関心ごと、生活状況なども把握しながら、服薬指導との相乗効果も生まれつつあるようだ。

薬剤師によるアドバイスの重要性

「対物から対人へ」の業務シフトが進んでいるとはいえ、実際に、薬局でその変化を実感している患者はどれほどいるだろうか。オンラインが進めば、服薬指導から薬の受け取りまで、利便性・効率性は際立つものの、少なくともセルフメディケーションの推進を掲げる薬局と患者の関係性を深める上ではある意味限度があるのではないだろうか。

このたびの協業に際して、通信販売を主力とするサントリーウエルネスでは、「飲んでいる薬と健康食品の飲み合わせについて知りたい」「毎日の健康に健康食品をどのように生かせばいいかわからない」といった顧客一人ひとりの声に応える意味でも、薬局薬剤師のアドバイスは重要だと見ている。さらに、「薬剤師が患者一人ひとりに接するからこそ知り得る悩みや健康意識、いわゆる(薬局での)対面から得られる声を今後の商品開発などの事業に生かしていきたい」(ヘルスケア事業部・中本昭智課長)と、初めての薬局展開に期待を込めている。

今般、クオール薬局で相談販売される商品は、「セサミンEX」「DHA&EPA+セサミンEX」「快眠セサミン」「グルコサミン アクティブ」「ロコモア」「オメガエイド」の6ブランド。通販主力の5ブランドと、昨年(2022年)1月にリリースした「快眠セサミン」のラインアップで、通常30日分から販売している商品を、今回オリジナルの一週間分パウチとして提供する。

店頭での流れは、クオール薬局を訪れた患者に、調剤を待つ間、日々の暮らしに役立つ健康情報や健康食品に関する情報を記載したパンフレットを手渡す。服薬指導時、薬剤師が患者と健康食品に関する疑問や現在の健康不安等についてコミュニケーションをとり、適切なアドバイスをする。そのアドバイスのもと、興味を持って購入したい人に販売する。31店舗から開始し、2023年中には550店舗に拡大する予定だ。

この1か月の販売状況での売れ筋は、「ロコモア」と「DHA&EPA+セサミンEX」だという。 

定期的な勉強会を開催

両社の協業のポイントとして注目するのは、定期的な勉強会の開催だ。

クオール薬局の店舗スタッフが、長年にわたり健康に役立つ様々な素材の探索や機能・安全性評価等の研究を推進してきたサントリーウエルネスの生命科学研究所の研究員から、同社商品について学び、 健康食品に関する適切な理解を深めるという。 一方、サントリーウエルネスは薬剤師(店舗スタッフ)と患者の対面によって知り得る悩みや健康意識について学ぶ。

協業にあたって両社は、以下のようにコメントを寄せている。

「今回の協業により、両社が持つさまざまな知見と、新たなネットワークを最大限活用し、未病領域への貢献を広げたいと考えています。さらに、健康意識の変化に対応し、薬剤師による飲み合わせチェック 等、安心して健康食品を利用いただける状態にすることで、地域住民の健康を支援し、クオールのスローガンである「あなたの、いちばん近くにある安心」を実現してまいります」(クオール薬局)

「これまでの通信販売からお客様との接点を広げることでお客様一人ひとりにいっそう寄り添い、安心・納得して商品を購入いただける機会を創出していきます。同時に、お客様に対する理解を促進し、今後の商品・サービスの開発・提供に活かすことで、サントリーウエルネスのミッションである「ひとりひとりの『生きる』を輝かせる~心と肌と体のつながりを通じて~」を実現していきます」(サントリーウエルネス)

(石川 良昭)

ニュースリリース→ 00.pdf (eir-parts.net)