2023年5月3日、鳥取県江府町において、私たちの主導するプラネタリーヘルス拠点が無事にグランドオープンとなりました。
人口最小の鳥取県の人口最小の町・江府町と私たちは、プラネタリーヘルス連結協定を結び、運命共同体として、プラネタリーヘルスのローカルモデルをつくっていきます。
今回、土中環境の視点から滞った山や森林を全国で再生しておられる地球のお医者さん、NPO法人 地球守の高田宏臣さんをメインゲストに、プラネタリーヘルス拠点にある湧水地を観察しながら連続する中国地方最大の霊山・大山の健康診断をしました。
高田さんの土地の診断は、さながら人の健康診断を見ているようです。
人の健康において、呼吸と血流は生命線というのは誰も異論はないと思います。
それと同じように、実は、大地も呼吸し、隈なく毛細血管のように血脈(水脈)が張り巡らされています。
山の頂上から麓、人が暮らす都市、海に至るまで循環している、目に見えない大地の地下の水と空気の流れ「地下通気水脈」。
実は、これこそが、山や森の多様な動植物を育むために不可欠であり、近代の開発の影響で、そこかしこで地下通気水脈が途絶えた結果、山や森林の保水力が低下し、土砂崩れが起きている原因と考えられています。
地下通気水脈の停滞は、まるで動脈硬化の人のようです。
人の生活習慣病の根底には、動脈硬化による血流不全があり、酸素と栄養、水が運搬できなくなると細胞が弱り、各臓器の機能低下が起きます。
老化現象はつまり血流不全とも言えますが、すると表面的には皮膚はパサパサして保水力が低下します。
動脈硬化が起きた山や森林も同様に、老化し、土の保水力がなくなりパサパサになるために、植物が弱り、動植物の生態系が変化していきます。
地下通気水脈の構造を作る際に、重要なのが、微生物。
菌類が細い毛細管に奥深く菌糸を伸ばし、パイプを使って植物の根に水と栄養を送ります。菌類が活動できなくなると、植物に水と栄養が運ばれなくなり、弱ってしまいます。
全国の森林で、起こる竹藪化やナラ枯れ、そして土砂崩れ。こうした目に見える地球の病気への対処は、目に見えない地下通気水脈を取り戻す根本治療をすることが重要です。
その方法は、実に簡単。
石ころ、落ち葉、枝、あれば炭、そして長いドライバー(ぐりぐり)と手ハンマー。
具体的な方法はここでは書きませんが、鍼灸師が滞った経絡のツボをつくように、ポイントに空気と水の通り道をつくります。
高田さんチームに簡単なデモンストレーションをしてもらいました。
かつての先人達が、日常生活の中で当たり前にやっていた里山に生きる作法のようなもの。歩きながら、ちょっとした滞りを見つけたら、ぐりぐりトントン。
参加者の女性や杖をつくご長老まで、誰もが「地球守」になれると確信したのでした。
プラネタリーヘルス拠点では、誰もがプラネタリーヘルス・アクションに関わっていただける仕組みを作ります。
他でもない自分が、日常の中で意識できる範囲で、コツコツと地球を再生していく。
一人一人の意識の変化が、プラネタリーヘルスを実現します。
5/14開催プラネタリーヘルスアクション第2弾
「協生農法で食べられる公園をつくろう」
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