ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

「5-ALAとSFCは筋肉と健全なミトコンドリアを維持することで2型糖尿病の症状を改善」の論文が
米国「Obesity」に掲載されたとSBIホールディングスが発表

SBIホールディングス株式会社(代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝 氏)が、長寿先進国として牽引していくために社会への適用を見据えた「Health」分野研究を推進する慶應義塾大学SFC研究所「ヘルスサイエンス・ラボ」(代表者:渡辺 光博 慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部教授、坪田 一男 慶應義塾大学名誉教授)と2017年に「慶應SBI ALA研究室」を共同で設立し、老化に伴う疾患の5-アミノレブリン酸(5-ALA)による改善作用に関する共同研究を進めている。

SBIホールディングスの連結子会社であるSBIアラプロモ株式会社(代表取締役:竹崎 泰史 氏)から、5-アミノレブリン酸リン酸塩(※)およびクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)の提供を受け進めてきた研究において、「5-アミノレブリン酸とクエン酸第一鉄ナトリウムは筋肉と健全なミトコンドリアを維持することで2型糖尿病の症状を改善する」という表題の論文が米国The Obesity Societyのジャーナル「Obesity」(出版社 WILEY)に掲載されたと発表した。



本研究により、SFCと5-ALAを併用摂取することで、ミトコンドリア異常が抑制され、骨格筋の健康が促進されたため、2型糖尿病を予防する効果があることが示唆された。この三年間のコロナ下において外出が控えられたこともあり、筋肉の低下が問題となっている。サルコペニアをはじめとする筋萎縮にはミトコンドリアの機能不全が関与している。本研究は生活習慣病のみならず筋肉のミトコンドリアを改善することが示唆されており、筋関連疾患の予防の観点からも重要な知見となる。

(※)5-アミノレブリン酸リン酸塩は、厚生労働省の「医薬品的後納効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に追加されている。医薬品成分ではない。

【用語解説】
ミトコンドリア:体内で必要なエネルギーを作り出す細胞内小器官。機能不全は全身のあらゆる疾患に関与している。
インスリン抵抗性:2型糖尿病の症状であり、インスリン(食後の血糖値を下げるために膵臓から分泌されるホルモン)の効きが悪くなった状態。インスリンは骨格筋や肝臓に作用し組織内に糖を取り込ませる。
酸化的リン酸化:細胞内のエネルギー通貨であるATPを作り出す反応。ミトコンドリア内で起こる。
トランスクリプトーム:細胞内全ての転写産物(RNA)。本研究ではメッセンジャーRNAに絞って解析している。