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マツキヨココカラの中間期決算、経営統合の成果で大幅な増収増益

マツキヨココカラ&カンパニーが、2023年第2四半期の決算報告で大幅な増収増益を報告した。



この業績について、松本清雄社長・塚本厚志副社長・松本貴志専務は、決算説明で以下のように述べた。

【松本清雄社長のコメント】

システムやマーケの統合でさらなるシナジーを

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中、行動制限のない大型連休など、コロナと共存する社会に変わりつつあったと思います。一方で世界に目が向けると、不安定な世界情勢やインフレ、急激な円安など我々を取り巻く、経営環境は目まぐるしく変化を続け厳しい状況が続いておりました。

当社におきましては、人手の回復や比較的恵まれた天候によるシーズン品の好調などに加え、ココカラファイングループの業績が新たに加わったことで、大幅な増収となりました。利益面におきましても、両グループで PB 商品の販売拡大や、経費コントロールの徹底の他、継続して取り組んでいるシナジー創出の取り組みが奏功し、収益性が高まったことで大幅な増益となりました。

下期の経営方針は、社会的価値の提供と両グループの融合・進化の2点を重要視しています。

1 点目ですが、当社は持続可能な経営を続けていくために、お客さまを始めとした地域・社会・従業員・取引先さまから環境面に至るまで社会的立ちを提供すべく、各種取り組みを進めてまいります。

そして 2 点目ですが、当社は経営統合から 1 年が経過し、両グループの融合が大きく進んでいるものと位置付け。下期以降をさらなるシナジーの獲得に向けて、システムやマーケティングにおける統合など、それぞれの施策に取り組んでまいります。


【塚本厚志副社長のコメント】

3年後を目処に300億円の収益改善

経営統合シナジーの成果が売上総利益で発揮されています。これはマーチャンダイジングの統合を行った成果となります。

ナショナルブランド商品につきましては、棚割及び仕入れ先の効率が完了したことによるシナジー。プライベートブランド商品につきましては、マツモトキヨシグループとココカラファイングループでの品揃えの統一も完了し、共同開発体制も整っています。

また、コスト面では店舗運営において、業務の標準化・効率化を進め、グループ統一の KPI 管理の精度を高めた成果も現れております。

ナショナルブランド商品においては店舗数の増加や店舗運営の共同化による販売力が拡大しています。プライベートブランド商品では新商品の開発・認知商品のリニューアルを実施しながら、シナジーの増大と顧客の増加を図っていきたいと考えております。

そして今後の大きな取り組みとして、販売促進において来期・上期、マツモトキヨシグループとココカラファイングループの持つ、顧客基盤の統合を来期・下期に両グループのアプリ EC の統合を目指して準備を進めてまいります。こういった取り組みにより、これまで進めてきた共通販促やワンツーワンマーケットの効果はさらに大きなものとなり、また同社グループ店舗でお買い物をする価値を高めることにつながります。

店舗運営においては、認知効率の KPI 管理の精度を高め、売り場で街の実現度の改善など店舗運営の効率化を推進することによって、さらなるシナジー発現に取り組んで参ります。また、調剤分野においては変化する事業環境に対応するグループの知見を活用し、患者満足のさらなる向上を図ると共に、事業運営の効率化と規模拡大に伴うスケールメリットによるシナジーの発現を目指してまいります。

物流の効率化システムの最適化についても、着実に準備を進めることができています。物流の効率化においては、 2024 年に東海エリアや九州エリアで新たに開設される物流センターの活用を開始する予定となっております。

このようにシナジー発現に向けた各種の取り組みは、 当初の予定通りで進めることができております。引き続き基盤作りを進め、当社の強みを磨き統合後3 年目を目途に 300億円規模の収益改善を目指し、各種戦略を進めて参ります。そして、これらの取り組みは総合後 3 年目で終わりということではなく、継続して同社の業績改善に寄与していくものと考えております。


【松本貴志専務のコメント】

業績がコロナ前までの水準まで改善

私からは国内事業の上期業績と重点戦略の進捗、海外事業の状況についてご説明させていただきます。

まず上期の業績ですが、マツモトキヨシグループは営業利益率6.9%と前期に対して0.6ポイント改善いたしました。インバウンドの需要がなくなり、短期的には苦戦しましたが、コスト管理や施策の適正化を進めることで、コロナ前の水準まで改善させることができました。

次にココカラファイングループですが、経営統合によるシナジーの影響が大きく、原価の軽減、施策の適正化、店舗運営の効率化が進んだことで、営業利益率 6.7% と前期に対して 3.6 ポイントの大幅改善となりました。

マツモトキヨシグループについては、インバウンドが回復すれば、さらに高い収益率に到達できる見通しとなりました。ココカラファイングループについても今期さらなる。施策の適正化を進めており、両グループ合わせて大きく成長できる土台が出来上がったと理解しています。

続いて、今期の重点戦略についても説明します。私たちはこれまでお客さまのオンラインとオフラインを融合させるべくデジタルを活用した改革を推進して参りました。データ量を増やすためにアプリ導入の契機に、デジタルで繋がる会員を増加させ、データの質の高めてデータベースの分析力の強化を進め、そしてデータ活用の場としてデジタルの観測の活性化をさせたり、プライベートブランドの開発やメーカーの広告配信事業などに取り組んで参りました。業界最高水準の収益率を達成するために大きく貢献してくれたと理解しています。

今後の方向性ですが、私たちは今回の経営統合で 1.2億の顧客接点と 3300 の店舗網と 1兆円の商品調達能力を得ることができました。この統合によって得たアセットを生かすべく、まずはこれまでの成果を両社の顧客や店舗に発生させるために、 DX サービスの連携・統合を進めていきます。さらに小売り事業者として。リアル・デジタルのプラットフォームを構築することで、プラットフォーマーとの競合にも立ち抜いていきたいと考えています。

続いてデータの質と量についてお説明します。まず、カード会員・アプリ会員・外部接点などを含めた国内外の接点数は上期末で1. 2億を超える規模となりました。内訳としては、カード会員は 4770万人に増加しました。マツモトキヨシグループが前期比 108% 、ココカラファイングループが 103% 、合計では 107% と堅調に増加しました。

一方、デジタル会員については、上期末では 1660万人まで増加しています。マツモトキヨシグループは前期比 136% そこからファイングループでは 147% 全体で 139% と大幅に増加しています。多くの方とデジタルで接点を持っていること、複数の接点を持っていることで、施策としての様々なアプローチが可能となっています。

デジタル販促が関与した売上高の規模と伸び率は、 2017 年 3 月期では 400億円程度だった規模がデジタル会員が増加することで、 2022 年 3 月期末では 2480億円に到達しました。今期についても上期前期比は全体で 118% の伸び率を維持しており、マツモトキヨシグループでは 115% 、ココカラファイングループでは 127% と Web やスマートフォン経由の売上高が高まっています。

全体売り上げに占める割合も高まっており、従来の紙を使った販促と比較し、コストも軽減されることで販促効率が高まっております。今後も会員基盤を統合することで、更に加速度的に対応売上が高まると予想しています。

データ活用の取り組みとしてプライベートブランドについての説明します。プライベートブランドの売上高は前期比 108%。売上高に占める構成比は 12.2% と前期差で 0.9 ポイント増加しています。内訳ではマツモトキヨシグループは売上規模で 12.8% でプラス 0.7 ポイント。ココカラファイングループは 11.1% で前期比プラス 1.2 ポイントとなっています。ココカラファイングループでは導入から 1 年が経過していますが、認知活動を継続していることで引き続き高い伸び率となっており、マツモトキヨシグループの水準に近づいてきています。

ファストパーティーデータを活用した広告配信事業も行っています。私たちのデータは複数のツールからのデータが統合されており。メーカーさまが当社で広告配信を行うと、対象商品をお客さまがどのように認知して購買に行ったかを理解することが可能になっています。

これは各メーカーの共通の悩みであった「広告効果とは分かりにくい」という課題を解決するものになっています。広告配信事業の実績ですが、取引件数は前期 136% と堅実な成長しています。小売りとは異なる収益構造の中で、収益率は 70% を超えています。

今後においては、統合でお客さまとの接点数が増加して、配信する広告の価値が高まりますので、需要が拡大することを見込んでいます。

今後の発展としては、小売り事業者としてリアルとデジタルを融合させたプラット方法を構築することに取り組んでいきます。私たちはデータの量や質を高めてデジタルサービスを消費者や取引先に提供してきましたが、これからは店舗でのカウンセリングをデジタルで再現したり、店舗を拠点とした配送も自社で整備したりするのと、店舗と Web 、アプリを一体のものとして提供することで、店舗・顧客・取引先にとって最良のプラットホームを構築していきたいと思います。

取り組みの目的は、リアルとデジタルの垣根のないサービスを提供して、シームレスな利用を活性化させるところです。それらを相互利用していただくことでリアル店舗を持つ、私たちは強みが生かされ、店舗だけの事業者やネットだけの事業者にはできない顧客との強いつながりを得たいと考えています。現在はシームレスな利用を推進するための手段として。 DX と呼ばれるデジタル技術を用いた変革を計画してるところです。これらの取り組みは小売り事業者だけではやれないさらなる大きな利益をもたらしてくれるものと確信しています。

海外授業の状況は、店舗展開は 53 店舗となり、内訳はタイに24店舗、台湾23店舗、ベトナム 3 店舗、香港 3 店舗となります。各国ともコロナの影響が緩和されて回復基調でございます。前期に対して大幅に増加しています。直近では香港の旗艦店となる4号店をオープンしました。香港の 1 等地である商業地域への出展、アジアの旗艦店という位置づけの大型店舗で好調のスタートとなっています。また、海外の事業規模拡大に取り組むと共に、国内との連携も推進していく形です。

新型コロナや国際情勢などリスクの多い商環境ではありますが、国内事業を充実させることでしっかりと事業を高めていける舞台ができております。また、アジアを中心とした国々での出展や海外での SNS の顧客接点の維持しており、インバウンド回復のタイミングでは大幅な成長が含めと思っています。