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スマートウォッチが生むヘルスケアニーズに、どこまで対応できるか?

スマートウォッチがめざましく発展している。MM総研の調査によると、成長期にあるスマートウォッチ市場(国内)は2020年度に200万台を突破したが、2021年度は343.2万台(前年度比49.6%増)と拡大ペースが加速している。コロナ禍の健康管理意識の高まりを追い風に今後も市場の拡大基調は続く見通しだ。MM総研では、市場は2024年度に500万台規模に達し、2026年度には639万台にまで拡大すると予測している。約100万台だった2016年と比較し、6倍にも拡大しているという状況だ。https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=554

当初、スマートウォッチはスマートフォンと連携し、たとえば「SuicaやPASMOをスマホからウォッチに転送して、ウォッチをかざすと改札を通ることができる」「コンビニやドラッグストア、飲食店などで、会計時にウォッチをかざせば支払いができる」「スマホの着信や通知をウォッチで受けることができ、見逃しにくくなる」など、どちらかと言えば「スマホの機能を充実させ、生活をより便利に」という訴求だったが、ここ数年、スマートウォッチはヘルスケア領域に向けた機能を拡充し、「よりウェルネスに、より健康リスクを低く」というようなアプローチに変化している。

販売台数のシェア率でダントツのTOPを走るAppleの「Apple Watch」の機能に目を向けてみよう。現在「Apple Watch」は、スタンダードモデルの「Apple Watch Series 8」と上記機種「Apple Watch Ultra」、機能を絞ったモデル「Apple Watch SE(第2世代)」がラインアップされているが、ここでは「Apple Watch Series 8」を取り上げる。

ヘルスケア関連の機能だけでも、血中酸素を測定する「血中酸素ウェルネスアプリ」「心電図アプリ」「高心拍数と低心拍数の通知」「不規則な心拍リズムの通知」「心肺機能レベルの通知」「皮膚温センサー」「過去の排卵を測定できる周期記録」など、日々の生活の中において本体裏側に搭載されているセンサーで多岐にわたる数値を測定し、その情報をiPhoneの「ヘルスケアアプリ」に集約してユーザーに知らせている。

医療用に使われている機器と比較すると、精度は低い一方で「Apple Watch」が測定した数値や、緊急に知らされた通知を見て「Apple Watchから、このような通知があった」とドクターに相談し、検査を行った上で事前に対策を打つことで健康を維持できたユーザーも存在している。

このほかにも、日々の消費カロリーやエクササイズの時間、立った回数、歩数などの「アクティビティ」、深い、コア、レム、覚醒など睡眠時間の質を確認できる「睡眠」などの機能があり、「Apple Watch」を着けることで、「もっと歩いたほうがいい」「少し早めに寝たほうがいい」など、ヘルスケア意識を向上させるきっかけ作りにも一役を買っている。今後も非侵襲での血糖値測定や血圧測定など「Apple Watch」のヘルスケア領域における新たな機能が搭載されると多くのアナリストが分析している。

2026年に639万台にまで拡大すると予測があるスマートウォッチ。日本国民の20人に1人が利用している数字であり、利用者の数と同時に「この数値をもっと改善したい」「運動するのだったら効率的に良い体を作りたい」などのニーズが存在する。たとえば、それが睡眠であったり、食生活改善だったり、ボディメイクだったり、数多くの切り口があるだろう。今後、ヘルスケア関連のメーカーや小売業、サービス業は「スマートウォッチから生まれたヘルスケアニーズ」にどれだけ対応できるか。639万人のスマートウォッチユーザーを、相談応需や物販、サービスにリンクさせていけるか。業績だけではなく顧客満足に大きな影響を与えると考えられる。