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医療の世界へLet’s Go!!!ドラッグストア薬剤師・チルロッチの連載とある薬剤師の日常【最終回】

最終回:「総集編」
~私なりの人生日記~



―――皆さんの周りには、薬のことを相談できる知り合いは何人いますか?これは私が最初に連載を書き始めた第1回の連載に、冒頭に掴みとして似たようなことを書いていました(笑)。最初の頃は薬学生として、日々友人と勉強のことで会話していましたが、気づいたら周りは先輩薬剤師だらけで、様々なアドバイスを貰いながら業務に励んでおります。2年前から続いてきた連載も、今回でひとまずの区切りとさせていただく形となりました。どうも、チルロッチです! 最初から自分語りとなってしまいましたが、最終回の今日は、今までの私自身を振り返り、これからに向けてどう生かしていければかを話せればと思います! 普段はあまり関わらない、薬学生・病院薬剤師・薬局薬剤師の回想日記みたいな感じで見て頂ければ幸いです(笑)。


これまでの私


薬学生のとき、私は勉強・バイト・時々遊びに興じているよくある薬学生でした。ある時、知り合い経由で連載の話をもらって、「いち学生の話でなにを書けばいいのか?」正直全く想像できませんでした(笑)。その中でふと思ったことは、「私自身がどう生きていきたいか?」を念頭に伝えていこうと思っていました。壮大なテーマに思えるかもしれませんが、仕事をしていく上で何を大事にしていくかというのは、会社に入る前から決めておくべきものだと、個人的には思っていました。私の場合は、前々から口にしている、「地域に根差す薬剤師」を目指していこうという着地点でした。

無事に国家試験を乗り越えた後は、薬学生と薬剤師との乖離に悩んでいた時期もありました。「あれだけ学んだのに活用できていない知識が多い」だったり、「いきなり患者さんとなにを話したらいいのか分からない」など、5年次の実務実習で少なからず感じていた不安が、社会に出て一気に出てきた気持ちでした。ただいつもと変わりない業務をこなしていく、そんな日々に嫌気がさしていたのも正直なところでした。

それでも、「薬剤師として1人前になるには?」と考えた時に、結局は自分次第あるということに気がつきました。人それぞれに、考え方の違いや活躍する舞台が異なるように、ひとえに薬剤師といっても患者さんの様子を見るのがうまい人もいたり、論理的に知識のアウトプットを行って説明できる人もいたりなどなど、実際に様々な先輩薬剤師と関わってくることで、私の目指す像が見えてきました。先ほども言った、「地域に根差す薬剤師」になるために、職場を変更して周囲の環境を変えたり、今まで以上に薬を含めたヘルスケアの勉強をしたり、薬局として継続運営するには何が必要かを考えたりと、とにかくがむしゃらにこの1年間は、能動的に動くのを意識してみました。自発的な行動によって、周囲のひとびとも協力してくれたり、その背中をまた追いかけられるモチベーションにもなっている気がします。

結局は、「私自身がどう生きたいか」を実現するツールを自ら求めに行かないと、その分のリターンは帰ってこないということを学んだ日々でした。


これからに向けてなにをする?


ここまでの物語を第一章とするなら、今後も薬剤師として第二章、第三章…と続いていくことになります。まだ薬剤師として2年目であるため、私自身が知らない視点もまだまだあると思いますが、それぞれのフェーズで大きな目標を立てることを忘れないようにしていければと思います。ただ、よちよち歩きしか出来ない子供に、短距離走の世界記録を目指すことは到底不可能と思うので、目標設定も大事になってきます。よく私がやる方法としては、「妥当に設定した目標よりも、もう2つくらい高く目標を設定する」ことです。

最近の業務でこれを実践していることとして、服薬情報提供書と呼ばれるトレーシングレポートを医療機関に多く送るということをやっています。これは、すぐに処方医師に電話で伝えるほどの内容ではないが、継続受診している病院に薬剤師が必要性を感じる場合に、情報を伝達する手段として用いられています。今後の薬局の利益になるという点もありますが、それ以上に「患者を巻き込んだ病院―薬局間の連携手段」として、今後も重要視されるものであります。最初はこれを月50件送付しようと目標設定しようと思いましたが、達成したら次の月からやらなくなってしまうなと思い、月100件に目標を設定していました。正直、心が追い付いていない時に無理に目標設定を上げる必要はないと思いますが、良い塩梅で自分自身にプレッシャーをかけることを大事だと、個人的には考えます。こういった日々の積み重ねにより、自らの得意分野を増やしていくことによって、結果的にやらされている思考からやれる思考に移って、自己実現に一歩近づいていけると思います。

余談が長くなってしまいましたが、正直言うと10年後、20年後に何を目指そうという気持ちは、今の私は決まっていません。いつまでも地域の一体として貢献できるように、日々研鑽を積んでそれを還元していく、そんな環境をこれからは自ら作っていければいいなと、ぼんやりながら考えています。そのための土台として、今後も薬剤師の日常を繰り広げていく所存です。

ここまで拝読いただき、ありがとうございました!今回の連載終了まで温かい目で見てもらい、感謝の気持ちでいっぱいです!最初は学生の戯言のような日記だと思いますが、続けて書いてきた内容で少しでも皆さんに小さな発見があれば、継続してきた甲斐があります(笑)。 今後も一人の薬剤師として活動していくので、そのへんにいる薬剤師がいたら、「連載書いてた人かな?」とでも、思い出していただけたら嬉しいです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

チルロッチ