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健康寿命延伸へ挑むニュービジネス②〜ソフトバンクG・グルメエックスの「冷凍ラーメン」戦略

有名店と同じ味楽しめる冷凍ラーメン量産化!
DgSでも買える時代が到来‼︎

時間や距離を問わず気軽に、行列のできる店と同じ味を自宅で楽しめる冷凍ラーメンを宅配するECサイト『宅麺.com』がスタートして14年。同事業の累計販売額は56.4億円、累計販売杯数は385万杯にのぼる。運営するのは、全国の有名ラーメン店との繋がりを持つ国内最大ラーメンEC(会員数50万人)のグルメエックス株式会社。ソフトバンクロボティクスのグループ企業だ。現在同社は、宅配中心の普及形態に加え、居酒屋チェーン、食品スーパーといった小売業態での提供を開始。冷凍食品部門を強化するドラッグストアルートへの参入も検討している。今後は、事業のさらなる拡大へ販売ルートの多様化を目指し、小売業界との新たなコラボレーションや、冷凍自動販売機の展開を含む新しい事業戦略を展開していく。(取材と文=山本武道)


ラーメン王国 日本。全国のラーメン店は2万4000軒にのぼり、人気店の長い行列はもはや風物詩である。その行列のできる有名ラーメンの味をそのまま自宅で手軽に食べられるのが、グルメエックスが運営するラーメン通販専門サイト『宅麺.com』だ。

同サイトは、「ITを駆使して新たな可能性を追求し、飲食業界そのものの商習慣を変えることで様々な課題を解決したい」という想いから、グルメエックスの前身、グルメイノベーション社によって2010年にローンチされた。日本全国の有名ラーメン店・つけ麺店が、実際に提供するスープ、麺、具材をそのまま冷凍した商品を宅配し、いつでもどこでも「お店と同じ味」を自宅で楽しむことができる。今年5月にソフトバンクロボティクスのグループ企業となり現社名となった。『宅麺.com』は512店舗(2024年5月時点)の有名ラーメン店がパートナーショップとして加盟する国内最大のラーメンECである。

有名店のラーメンは、長時間並べばもちろん食べられる。ただ実際には、「食べたい店が遠方にある」「日々の業務が忙しく行く時間がない」あるいは「高齢や身体の障害による行動制限」などが課題となる。そうした課題に応えた『宅麺.com』の累計販売額は56.4億円、累計販売杯数は385万杯と、ラーメン・つけ麺特化インターネット通販サービスを対象とした市場調査(TPCマーケティングリサーチ社)で1位を記録している。

そしてこのほど、「外食・小売企業の収益アップに貢献したい」「より多くのお客さまへ、名店・本物のラーメンをお届けしたい」という思いを形にするべく、冷凍ラーメンの量産化を実現。居酒屋チェーンや小売業に商品を提供する『宅麺RABO』事業をスタートした。

グルメエックス事業推進本部東日本営業部関東営業2課課長の郡山威武輝氏(ソフトバンクロボティクスFood DX事業統括FoodDX事業本部営業部関東営業2課課長)は、「今日のインスタントラーメンは高品質かつ値頃感もあり人気ですが、それでも多くの方はより本物を求めて有名店ラーメンに並びます。そのニーズを、消費者の近くに存在する小売の店舗で解決すべくし考えた事業が『宅麺RABO』です」という。

賑わった行列のできる店の冷凍ラーメンの試食(JFEX国際食品・飲料商談WEEK)、
右は宅麺RABOの冷凍ケース展開イメージ

現在『宅麺RABO』は、飲食・流通業界のリアル店舗への普及活動を推進し、冷凍食品の取り扱いを強化するドラッグストアにも門戸を開いている。先ごろ郡山氏は、第24回JAPANドラッグストアショーに赴き感触を確かめてきた。大手ドラッグストアの経営者とも面談し、「弊社の活動領域が、ドラッグストアの食品事情の展望と重なったことで、今後の可能性を強く感じました」(同)という。

『宅麺RABO』は、すでにイオンの冷凍食品専門店『@FROZEN』でも販売が始まり、他の小売業からも問い合わせが相次いでいる。「まだ実績はありませんが、ドラッグストアのバイヤーさんからも連絡をいただいております。近年は冷凍食品部門に力を入れるドラッグストアさんが増えていますので、これから有力な販売ルートとして重視したいと考えています」(同)と期待を寄せていた。