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医療の世界へLet’s Go!!!ドラッグストア薬剤師・チルロッチの連載とある薬剤師の日常17

第17回:「相違編ver.2」
~あれから1年後の新人薬剤師たち~



こんにちは!学生は夏休みの時期に入り、内心少しうらやましいなと思いながら過ごしている今日この頃のチルロッチです(笑)。今回は、去年から薬剤師として働きはじめている私の同級生たちを対象にアンケートをとり、どのような事を思いながら日々業務に取り組んでいるのか? 1年前にアンケートに回答してもらった友人達を対象に、再び聞くことにしました! 以前のアンケートの内容に関しては、第8回の内容に記載しておりますので、気になる方はまずそちらをご参照ください!


アンケートの質問内容


前回と同じく約10人を対象にアンケートをとりました。薬剤師歴としては、今年2年目の薬剤師の方々です! 1年間経過してからの変化を知りたかったので、あえて前回と同じような質問にさせていただきました。

質問内容としては、下記の5つとしています。
①ここまで薬剤師をやっていて、1番良かったなと思ったことは?
②今までの業務の内容で、辛かったと感じたことは?
③薬剤師として、今後頑張っていきたいことは?
④今の職場におけるやりがいは?
⑤将来的に別の会社・業種で働きたいと思うか?

業種が異なるメンバーに聞いてみたため、それぞれ個性が出ていてやはり考え方も全く異なっていたので、とても興味深かったです(笑)。ちなみに、業種としては病院・調剤薬局・ドラッグストアの3つに絞らせて頂きました。


1年間経つことによる変化


まず、①「ここまで薬剤師をやっていて、1番良かったなと思ったことは?」です。

これは特に二極化されており、一番多かったのは「患者さんから感謝される」という点で、次に多いのは「収入面で安定している」という点でした。確かにどちらも納得な点です、、、(笑)。前回も収入面に関して回答してくれた人は多くいましたが、色んな経験を積んでいるからか患者さんから感謝されることに充実感を感じる人がより多くなっていました! やっぱり誰かのために働けるのって医療者共通の良いとこだなと思います。

次に、②「今までの業務の内容で、辛かったと感じたことは?」についてですが、こちらは各々色んな悩みがあるのだなと思いました。回答としては、「一包化や脱カプセルの調剤に時間をとられること」や「薬歴の記載に追われること」・「自分の経験不足で職場の業務が滞ってしまったこと」など、どれも気持ちが分かってしまい心苦しかったです、、、自分も思い当たる節がいくつかあるので(笑)。また、「出荷調製品の薬がある処方箋を断ってしまう場面」といった回答もあり、これによる患者さんへの対応も気をつけないといけないなとは感じます。ただでさえ体調が悪くて病院を受診しているのに、その後に薬局で薬がありませんなんて言われたら、たまったもんじゃないですからね。このへんは特に調剤薬局の意見として多いところでした。

さて次は、③「薬剤師として、今後頑張っていきたいことは?」です。これは大きく業種ごとに分かれてくる意見でした。病院薬剤師では、「カンファレンスでより質の高い意見を出せること」や「薬剤減案によるポリファーマシー改善」などが挙げられ、これは他業種と強い結びつきがある環境ならではだと思います。外部への発信力という点では、私自身も地域への働きかけを出来るようになりたいため、見習わないとですね!

調剤薬局薬剤師で多い意見としては「調剤報酬の加算についてより深く学ぶ」という点です。これに関しては私も同意見で、今までは調剤や服薬指導に力を入れていましたが、薬局として利益を得るには?と考えた時に、各薬剤師の意識づけで行えるのが、この分野だなと考えます。

ドラッグストア薬剤師の意見としては、「在庫管理や本部指示を的確に行うこと」や「OTC医薬品の知識も増やすこと」です。正直これも同感で、多岐に渡る業務をこなすためにも効率よく業務をこなすのはもちろんのこと、予備知識が多く求められる業種であることは間違いないと痛感します。やはり経験は積んでも、薬剤師はいつまでも勉強することが必要だと痛感させられます、、、

質問も残すところあと2つで、次は④「今の職場におけるやりがいは?」です。これは1番意見が分かれており、どういった環境に身を置いているかによって仕事に対する視点が異なるためと考えます。

いくつか紹介すると、「服薬指導やOTC対応をいかに分かりやすく説明できるか」・「自分の知識を活用して処方箋の疑義照会を行えること」・「1年目薬剤師の教育指導を行うこと」・「治療・退院に向けた薬剤提案を行えること」などです。アンケートに目を通して感じたのは、去年と内容の大きな変化はないものの、それぞれ薬剤師ごとにスキルアップしていることで、さらにその分野でより深いやりがいを見出している人が多いなという傾向です。

最後の質問で、これはおまけ程度にみて下さい(笑)。⑤「将来的に別の会社・業種で働きたいと思うか?」です。一定数は今の職種・会社で継続して働きたい人もいますが、半分以上は別業種に転職したい!という形でした。例えば、OTC医薬品専門薬剤師の場合だとゆくゆくは調剤経験を積みたいという意見がありました。他にも、病院勤務薬剤師はその経験を生かして地域の薬局で活躍したいなど、今自分自身が持っていない部分を手に入れるために転職したいなど、ポジティブな意見が多い印象でした。内心は、アンケートをとりながら前向きな意見が多かったことに親友としてホッとしました(笑)。


視点を外に広げるために


今回もアンケートをとらせてもらい、私自身が考えたこともない意見も多々あり、とても興味深いものとなりました。正直、薬学生の頃や働きはじめた社会人1年目の頃に、このように色んな人の声を聞くことが出来ていれば、「もっと広い視点で・もっと明確な目標で」業務に取り組めていたのかなと思うこともあります。良い意味でも悪い意味でも、コミュニティーが狭く深くになりがちなのが、薬の世界だなと感じる今日この頃です。

そこで1つ、皆様に色んな薬の世界に触れてもらえるようなイベントを紹介します!(急に宣伝みたいになって申し訳ありません(笑)。)ドラッグストア業界の方々だと聞き馴染みあるかもしれませんが、JAPANドラッグショーというイベントです。8月30日~9月1日に東京ビッグサイトで行われる予定で、一般の方々でも気軽に参加できます!イベントの内容は様々で、健康食品やフェムケア商品の紹介、他にも薬学生を含んだクイズ大会もあったりなど、薬剤師のみならず現役の薬学生にもオススメの内容となってます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?


https://www.drugstoreshow.jp



今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。今年も危険な暑さの日が続いているので、皆さま脱水にはお気をつけてお過ごしください! 室内でも熱中症になるケースはありますので。また次回も、来月にお会いできることを楽しみにしております。以上、チルロッチでした!