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医療の世界へLet’s Go!!!
新人薬剤師・チルロッチの連載「とある薬剤師の日常」⑨

第9回:「業務編」



こんにちは!梅雨もそろそろ終わりを迎え、いよいよ到来した本格的な夏の暑さに少しバテ気味なチルロッチです(笑)。皆さんも、睡眠と食事だけは欠かすことなく、暑さに負けずに頑張っていきましょう!さて今回は、自らの仕事について進捗状況をいろいろお話したいと思っており、それに伴って感じた心の変化も知ってもらえればなと考えています。他の職種には無い、慢性期病院ならではの内容も記載しておりますので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います!


できる仕事が増えていく


病院の仕事は主に、薬局で行う中央業務と、実際に患者さんや医師・看護師がいる病棟業務に分けられます。以前もお伝えした通り、私の属する病院では病棟業務について秋ごろから行われるので、こちらはもう少ししてからリアルな声をお届けできればと思っています。

今回メインで取り上げる中央業務については、どの病院でも1年目薬剤師がまず出来るようにならなければならない部分であり、薬に対する知識を深める期間でもあります。私自身も最近は、薬の最大用量(この薬は1日に最大何mgまで服用可能か)や服用日数制限の薬(一部の睡眠薬は30日までの処方に制限される)など、様々な観点から薬に対する知識をつけているところであります。他にも、私の属する慢性期病院では腎機能が成人よりも低い方も多いため、これによって薬が体内に蓄積されやすく、用量の調節を行う必要があります。こういったものを検査値からチェックすることで、医師に問い合わせすることも多々あります。我ながら、頑張って調べて仕事しているなとちょこちょこ思っています(笑)。もちろん、まだまだこれからではありますが!

こういった勉強面だけでなく、最近は日々の業務も1人で任せてもらえることが多くなってきました。調剤は薬のピッキングを長時間行うため、体力的なつらさも時々感じることがあり、入力・監査といったポジションでは、処方チェックを患者さんごとに行うため頭を回転させながら業務をしています。同じ薬局内の業務なのに、なんか両極端な疲れ方なんですよね(笑)。それでも、4月からの先輩薬剤師のサポートもあり、徐々に身についてきた知識を使いながら、患者さんと話せるところまであと一歩!というところまで来ました。本当の勝負は、病棟業務で実際に患者さん相手にアクションを起こす部分になるので、この業務が始まってからまた皆さんにご共有できたらと思います。


実感してきた薬剤師としての役割


私の属する病院では、長期の入院をしている患者さんが多く、たくさんの薬を昔から服用されているケースも珍しくありません。歳を取るにつれ、様々な病気を患うことになることは自然なのかもしれませんが、それでも毎食後に10個程度の薬を服用しなければならない方もおり、大変だと感じております。また、精神的な変化が激しくコミュニケーションをとるのが難しい方だったり、寝たきりでそもそも返答がない方もいたりするのが現状です。

直接患者さんとやりとりする業務はまだあまり出来ていませんが、こういった方々のサポートを行うために薬の変更・提案を医師にすることも増えてきました。症状変化・体重・腎機能など、様々な情報を電子カルテから収集し、薬の変更について医師に電話越で問い合わせするような流れです。最初はこの電話をする際に、「医師に提案して怒られたらどうしよう」や「こんな若手の意見なんて通るのかな」など不安もありましたが、うちの病院の医師は優しい方が多く、意外とすんなりと案が通ることもありました(笑)。もちろん根拠に基づいた提案ではあるものの、実際にその案が通ってからが本番となります。薬の変更をしたことで患者さんの病態が悪化しては本末転倒ですし、そういったチェックも看護師さんや電子カルテの記載から、情報収集を日々行う必要が生まれてきます。

こういった自発的な行動を何度か行ってきたことで、やっと「薬剤師として働けている!」と実感する今日この頃です(笑)。地域の中で働いていく身としても、今後対人業務は必ず必要になると思うので、「1年目だから」と考えずに、「薬剤師だから」自ら責任をもって取り組んでいければ考えています。


ふと思う。「人の死」って何だろう


最近、死について時々考えることがあります(病んでいるわけではないですよ!)。皆さんは、自分が歳を取って亡くなった後、どのようになってしまうのかと考えたことはありますか?よく言われるのは、天国か地獄のどっちに行くのか分けられ、そこで第二の人生が始まっていくといったものでしょうか。これって最初、誰が考えたんでしょうかね(笑)。

私自身は子供の頃、それを考えるのが大嫌いで、そういった話題の時には泣いていたことがありました。親からしたら、わけわからず泣いているので、だいぶ心配になりますよね(笑)。ただ、今考えてみると、今生きている世界から自分が突然と消えてしまい、家族や友達との縁が一切なくなってしまうのですから、恐怖を感じてしまっていたのかなと納得しています。

なぜこのようなエピソードをお話したのかというと、私が働く職場では毎日のようにそういった場面が訪れている人がおり、以前よりも死を身近に感じているからです。私の病院では、毎日飲む薬については何日か先に調剤を行っており、それを看護師さんに病棟に運んでもらい、患者さんに服用してもらうといった流れとなっています。ところが、ある日になると患者さんのそれらの薬の投与が中止になるといった内容の紙切れ1枚が薬局に届き、その後にたくさんの薬が薬局に返却されることがあります。言い換えると、紙切れ1枚で患者さん1人の死を知ることになるのです。正直、その事実に全然実感が湧かないです。

ここで改めて皆さんに聞きたいのが、「自分自身が死に近づくと知った時、どのように最期を過ごしていたいか」ということです。正直言うと、薬や点滴でどうにか命をつないでいる場合、それでも生き続けることに本人は満足しているのか?と私は考えてしまうこともあります。もちろん、最後まで元気に活動していて急に亡くなってしまう方もいますし、そもそも亡くなるのは自然の現象だと考える方もいるかもしれません。それでも、死というものがどうしてもネガティブなものに思えてしまうのは、仕方のないことなのかと思ってしまいます。こういったモヤモヤを、少しでも皆さんの意見をお聞きできればなと思う、今日この頃でした(笑)。一個人としては、最後はみんなで笑えるように患者さんのサポートが、今後も地域でできればなと本気で思っています。

今回は、自らの業務を通して感じたことを、皆さんに一方的に聞いてもらうような形になってしまいました。盛りだくさんだったとは思いますが、最後までお付き合いいただき、大変感謝しております!

次回は、ちょうど連載から10回目になるということもあり、学生時代から現在までの考え方の変化についてお話できればなと考えております。

ますます体調を崩しやすくなる時期になってきますので、休息は十分にとってくださいね!そうめんの食べすぎには気をつけようと思うチルロッチでした(笑)。また来月からも、よろしくお願いします!!