2024年4月10日(水)雨のち曇り 桜満開
この4月、待ちに待ったスギ薬局の中野区鷺宮地域包括支援センターがオープンした。
中野区のみならず東京都内でも「最初のドラッグストア包括」が誕生したことになる。
2005年前後から進められた「地域包括ケアシステム」はその運営の中核機関として、地域の高齢者人口6000人程度を単位に全国7000か所ほど整備され、その大半が社会福祉法人や社会福祉協議会などが運営する。
その中にあってこの鷺宮包括支援センターは、民間企業であるスギ薬局が運営を受託し薬業界がその一端を担う特異な存在である。
少し残念なのは、センターを示す看板に、スギ薬局の社名を掲げられなかったことだ。
いうまでもなく社名を掲げる行為は、地域経済を担う企業の存在、価値を知っていただくものであり、民間ではごくごく当たり前の基本的な作法かつ礼儀。個人が名前を名乗り、その名において仕事を全うすることと同義である。
地域包括は「公益事業であって、営利事業ではない」。
「医は仁術」「社会貢献で儲けは二の次」といった言葉も理解はできる。しかし、国を挙げて財政負担の軽減を唱えている現状にあって、こうした意識が、社会福祉の費用対効果や財源の垂れ流しにならないのか、いささか心配に感じる出来事ではあった。
(次号に続く)