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【レポート】訪日外客激戦区に大型ダイコク登場の衝撃

「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」開店で〝爆買い〟再来か

 ダイコクドラッグは3月31日(日)に「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」をオープンした。「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」は秋葉原駅から徒歩数秒で、中央通り沿いの好立地に位置し、合計4フロアで営業をスタート。インバウンド激戦区と言われた秋葉原も新型コロナ流行の際は多くの店舗が撤退した。駅前一等地にダイコクが進出することで日本有数の観光地にもインバウンド激戦が再び繰り広げられようとしている。(レポート:中西陽治)

駅前好立地に4フロア構成でオープン

秋葉原駅前にオープンしたダイコクドラッグ

「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」が新たに入居するビルは2021年5月にホビーショップ「ボークス 秋葉原ホビー天国」が閉店後、長期間にわたり一棟(B1F~7F)が空きテナントとなっていた。この建物は秋葉原駅から徒歩数秒で、中央通り沿いの千代田区外神田1丁目15-4に位置している。

「ボークス 秋葉原ホビー天国」の前には改装前の「ラジオ会館」が、さらにその前には「石丸電気」が入っており、電気街を象徴するビルだ。

 「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」はB1~3Fまでの4フロアに入居する。B1Fはお土産、1Fは医薬品・健康食品で、2Fはお菓子・化粧品・日用雑貨で、3Fは免税フロアとなる。当初「4月1日オープン」とアナウンスされていたが3月31日に開店が前倒しされている。営業時間は10:05~22:50。

近隣にウエルシア、マツキヨ 競合に家電量販店も

秋葉原はカルチャーの街として訪日外客が多く訪れることで有名で、駅前には24時間営業の「ウエルシア秋葉原駅前店」、電気街の入口に位置する老舗店「薬 マツモトキヨシ アキバ店」、駅ビル内に「KoKuMiN アトレ秋葉原1店」が点在。範囲を拡大すると秋葉原東西を結ぶ通路内に「ドラッグインキムラヤ 秋葉原店」、昭和通り沿いの東口に「トモズ秋葉原店」がある。

 以前、旧「ボークス 秋葉原ホビー天国」の向かいにはマツモトキヨシの店舗が存在し、インバウンド需要を一手に担っていたものの、新型コロナウイルス流行のあおりを受け、短期間で閉店している。

 また他業態もドラッグストアと競合する。中央通りの交差点には「ビックカメラ AKIBA」があり、一般用医薬品・日用品・化粧品からビューティー家電やコンタクトレンズといった高度医療管理機器までを取りそろえる。さらに東口には「ヨドバシAKIBA」が存在し、商圏を形成している。

24時間営業のウエルシア
電気街の入口に位置するマツキヨ

免税専門フロアでインバウンド受け皿のドンキに対抗

「ドン・キホーテ 秋葉原店」(写真左)

 秋葉原におけるインバウンドは「ドン・キホーテ 秋葉原店」が人気で、最近では免税対応専門のレジフロアを設けるなど、いわば〝訪日外客のメッカ〟ともいえる状況だった。筆者がレポートに向かった際も同店内は訪日外客で混雑を極めており、「一般のお客様は免税フロアで会計できません」とアナウンスされるなど訪日外客に特別な体制が敷かれていた。

「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」もB1Fがお土産、3Fはフロアがまるまる免税専門となっており、スタッフが多言語で対応していた。店頭に掲げられた「中国語・英語が話せるスタッフ募集」では時給が1,500~2,000円と破格に設定されており、またオープニングキャンペーンで免税に加えて購入金額ごとに13~17%を割り引くチケットを配るなど、その本気度がうかがえる。

 「ドン・キホーテ 秋葉原店」より更に駅前に近い位置にダイコクが入ることで、爆買いやお土産などのディスカウント合戦がより激しくなりそうだ。

高額テナントがネックか 隣の上野は既にドラッグ激戦区に

ただ、「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」が入る建物は、駅前のシンボリックな存在であるにも関わらず、3年にわたり空きテナントであったことから推察されるように賃料が高く、4F~7F(各50坪)の坪単価が2.5万~3万円となっており、ダイコクドラッグが定める収益性のハードルも高く設定されているだろう。なお4F~7Fは入居募集中となっている。

 駅の反対口には旧コクミンの店舗にそのまま入った「ダイコクドラッグ 秋葉原東口店」があり、ダイコクによる包囲網が作られた格好でもある。

しかし一方で、ダイコクは新型コロナウイルス流行の際、ドラッグストア業界の中でもいち早くインバウンド需要に見切りをつけ、観光地から即時撤退した。そしてコロナ後の再出店にかなり時間がかかった印象は否めない。今回の店舗が根気強く訪日外客の需要を取り込めるか、注目だ。

「ダイコクドラッグ 秋葉原西口店」

秋葉原から2駅進んだ上野駅周辺も、コロナで閉店していたテナントにドラッグストアが再進出し、特にスギ薬局が大量出店でドミナント展開を行っている。ダイコクドラッグは2024年3月に京都に「ダイコクドラッグ 八坂神社店」、東京に「ダイコクドラッグ 浅草中央店」を相次いでオープン。店舗展開にも〝コロナ収束とインバウンド再来〟の流れが生まれており、観光地でのインバウンド競争が再び熾烈なものになることが予想される。