サツドラホールディングスが運営するサッポロドラッグストアー(サツドラ)は、北海道の北後志※広域5町村(余市町・積丹町・古平町・仁木町・赤井川村)と連携し、持続可能な広域防災(備蓄品)モデルの構築に向け、「ランニングストック方式」の実証実験を3月から開始する。ランニングストック方式の実証実験は、2022年3月に北後志広域5町村とサツドラHDほかによる「北後志広域防災連携に係る協定」に基づくもの。
※北後志(きたしりべし):札幌の西側、小樽市を中心としたエリア。北海道の旅の起点、ウェルネスなリゾートとして近年開発が進んでいる。
■ランニングストック方式による防災備蓄ついて
ランニングストック方式による防災備蓄とは、購入した備蓄品を自治体自ら備蓄倉庫に保管することなく、事業者の物流拠点に寄託し、事業者はそれを販売用在庫としながら、流通し管理・保管するもので、災害時等については自治体の返還要求により払い出すもの。
地方自治体の防災備蓄品に関する大きな課題として、財源・保管場所の不足や備蓄基準が整備されていないこと等に起因する「備蓄品の不足」と有事の際の備えという備蓄品の特性上、流通過程における選択肢の少なさやその閉鎖性による「(消費期限による)廃棄など無駄の発生」が挙げられる。
本実証実験でおこなう「ランニングストック方式」は、備蓄品をサツドラ店舗での販売用在庫として活用していくことで、備蓄品の廃棄ロス削減、低価での備蓄品購入、保管場所の確保等、さまざまな課題解決につなげることを目的としている。
なお、本実証実験は道内において初の試みとなり、地方自治体と民間企業が従来の物資提供に関する連携の枠を超え、新たに構築する広域防災モデルとなる。
サツドラは本実証実験を通して関係各所と各種オペレーションやビジネスモデルの検証・精査・ブラッシュアップをおこない、地方自治体と民間企業の双方にとって持続可能な防災モデルを確立することで、北海道内においてこれまで以上に地域のインフラとしての役割を果たせるよう取り組んでいく方針。
■北後志広域防災連携代表町村/余市町長の齊藤啓輔氏のコメント
この度、株式会社サッポロドラッグストアーと連携し、ランニングストック方式による防災備蓄を行うことになりました。この新たな取組は、避難者への備蓄食提供の実効性を大きく向上させるほか、私たち自治体が共通して直面している課題を大きく改善する可能性を秘めており、コストパフォーマンスの向上、廃棄ロスの解消、備蓄場所の確保などといった課題解決に向けた第一歩となります。新年早々の能登半島地震からも学べるとおり、災害は、いつ、どこで、どのように発生してもおかしくない中でもあり、住民の方々の安心と安全に寄与するため、今後においても、このような取組を検討してまいります。
■サツドラ代表取締役社長 CEO 富山 浩樹のコメント
私たちの住む北海道で発生した平成30年北海道胆振東部地震の記憶もまだ新しい中、今年も新年早々能登半島地震に見舞われるなど、日本そして地域において防災を考えることとその取組を前に進めることは必要不可欠となっております。今回実証実験をおこなう「ランニングストック方式」は、地域住民の生活を支える地方自治体と民間企業が防災という課題に対して共に考える中で生まれ、将来に渡って持続可能性と実効性のあるモデルになり得ると考えております。本実証実験を機に当社も地域防災力向上に取り組み、地震のみならず厳しい自然環境に置かれた北海道においても、地域住民の豊かで安心した生活に少しでも貢献できるよう努めてまいります。