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仕事と会社、そして家族、友をこよなく愛された
元東邦HD会長の濱田矩男さんのお別れ会



さようなら、濱田矩男さんーー医薬品業界の常識に捉われることなく、常にあるべき姿を追求し続け、仕事と会社、そして家族、友をこよなく愛された元東邦HD(ホールディングス)代表取締役会長の濱田矩男さんのお別れの会が、2月21日、小雨降る中、都内港区のオークラ東京オークラプレステージタワーの平安の間で開催され、多くの業界関係者が、祭壇に飾られた、いつもと変わらぬ素晴らしい笑顔の濱田さんの遺影に一輪の菊の花を手向け故人を偲んだ。

会場には、故人が2歳の頃の母と姉、妹との家族写真、尾崎市立塚口小学校時代(1947年)、学習院大学時代(1959年〜60年ごろ)、家族との会食(2022年)、社長就任披露パーティ(2005年)、大木、国分との業務提携(2007年)、創立70周年記念式典(2019年)などの写真…どれもこれも笑顔満点の濱田さんが、参集した関係者に微笑みかけていた。


濱田さんの笑顔の写真が飾られた祭壇



思い出の写真を見るお別れの会の参加者


プライベートでは、生涯にわたって熱烈なタイガースファンの一人でもあった濱田さんは、昨シーズンの日本シリーズでは11月2日に甲子園球場に駆けてつけて観戦。38年ぶりの優勝を見届けたという。それから22日後の11月24日未明、83歳で逝去された。岡田監督の胴上げシーンは、1966年10月に入社してから最高顧問に就任されるまで、実に56年の長きにわたり活躍された濱田さんへの花向けとなったに違いない。

「価格を競争軸にすべきではない。お得意様の付加価値をお届けする企業でありたいとの信念のもとに、先駆的な顧客支援システムや自動化・効率化をさらに推し進めた物流体制の構築に取り組んでまいりました。

バーコードを活用した発注や在庫管理、棚卸しも可能な高機能端末ENIFをはじめ様々な顧客支援システムを次々に開発し、大規模災害時にも稼働が可能な高機能物流センターを全国各地に設置しました。仕事と東邦が格段に好きで、決して妥協を許されない故人ですが、常に気配りを欠かさず、自然で細やかな気遣いを様々な人に向けておられました」と生前の濱田さんを偲び、東邦HD代表取締役CEOの有働 敦さんが綴られた参会者へのお礼の言葉に記されていた。

「よく来たね」ーーいつも笑顔で出迎えていただいた濱田さん。ご無理を言い取材にかこつけてお会いした日々が懐かしい。プライベートなことはお聞きしたことはなかったけれども、お別れの会に飾られた写真集を見て、お会いするたびに、ほっとしたのは、取引先、共に働くスタッフ、家族であり、友…、誰にも見せた、濱田さんの心温まる笑顔にあると思った。

濱田さん、ありがとうございました。(記事=流通ジャーナリスト・山本武道)