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メイクアップ・ボディケア市場が軒並み好調
リップカラー14.4%増、サンタン・サンスクリーン9.8%増

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済が、消費者の外出機会が増えているほか、日本の渡航制限緩和に伴うインバウンド需要回復が期待される化粧品市場を4回に分けて調査。第三回目の調査では、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴いマスクの着用が個人判断となったことで需要回復しているメイクアップと、サンタン・サンスクリーンやリップクリームなどが好調なボディケアの国内市場を調査した。



2022年は、外出機会が増加したことで、リップカラーやチークカラーのほか、ファンデーションの使用を再開するなどマスクを外すシーンにも対応したメイクへと見直しを図る消費者もみられたことから、市場は前年比6.6%増の5,020億円となった。

2023年は、新型コロナの5類移行に伴いマスクの着用が個人判断となるなど制限が大幅に緩和されたことから、メイクアップの使用機会がさらに増加するとみられる。為替や原料高の影響により、メーカーによっては価格を引き上げているが、マスクを外すシーンが増えることで“メイクを楽しみたい”という消費者の意欲が高まっているほか、一部ではインバウンド需要も回復に向かっていることから、市場は前年比7.6%増の5,400億円が見込まれる。



2022年は、多くの品目が伸長し、中でもサンタン・サンスクリーンとボディシャンプーの伸びが大きかった。サンタン・サンスクリーンは、新型コロナ対策が緩和されレジャーや旅行などでの需要が回復したことや、ミストタイプの新商品が投入されたことから大きく伸長した。また、ボディシャンプーはコロナ禍で帰宅後すぐに身体を洗いたいという清潔・衛生意識の高まりが続いており、高単価なプレフォームタイプが好調だったことから、市場は前年比3.5%増の2,557億円となった。

2023年は、行動制限が解除され、訪日外国人観光客によるインバウンド需要も回復に向かっていることから、サンタン・サンスクリーンは前年を上回る伸びが予想される。また、マスクを外す機会が増えることからカラーリップの需要が高まり、リップクリームも伸長するとみられることから、市場は前年比3.0%増の2,634億円が見込まれる。



2022年は、新型コロナ対策が緩和され、イベントや会食などマスクを外す機会が増加したことから需要が回復した。また、商品面では「ケイト リップモンスター」(カネボウコスメット)が“マスクをしていても落ちにくい”という明確な機能訴求によりSNSで大きな話題となったことなどにより好調だったことから、市場は前年比12.8%増の625億円となった。

2023年は、マスクの着用を個人の判断に委ねるとした政府方針が発表され、リップカラーの使用機会がさらに増加することから、市場は前年以上の伸びで拡大すると予想される。



2022年は、需要期であるゴールデンウィークに行動制限が求められなかったことからレジャーや旅行などでの需要が回復した。また、商品面では新規性の高いミストタイプの投入がみられたほか、トーンアップ訴求のアイテムもカラーバリエーションの拡充などにより好調だったことから、市場は前年比9.5%増の437億円となった。

2023年は、前年よりも一層使用機会が増加するとみられるほか、訪日外国人観光客によるインバウンド需要も回復に向かっていることから、市場は前年比9.8%増の480億円が見込まれる。



2022年は、使用を再開する消費者が徐々に増加した。また、改めて自分の肌に合うアイテム・色味などを知りたいというニーズが高まった。百貨店や化粧品専門店などではタッチアップの再開もあって店頭でのカウンセリングニーズが高まり、高価格帯商品が好調となったことから市場は前年比2.4%増の1,688億円となった。

2023年は、マスクを外す機会が増えており、使用を再開する消費者が増加していることから、市場は前年比6.6%増の1,800億円が見込まれる。



2022年は、外出頻度の回復によってリップクリームの使用機会が増加したことから市場は前年比3.2%増の227億円となった。商品面では、マスクの付け外しに対応して、マスクにつきにくいカラーリップの需要が高まり、色が落ちにくいことを訴求するアイテムが好調となった。

2023年は、マスクを外すシーンがさらに増えることでリップケアの意識が高まるとみられ、使用回数の増加や使用シーンごとの使い分けが進むことから、市場は前年比3.5%増の235億円が見込まれる。