ユーザー個人のニーズに合致したサプリメントを提供するサービス「サプリノ」(運営:株式会社Suppleno)に注目が集まっている。「サプリノ」は、19種類のサプリ・240通りの組み合わせから、必要なサプリメントだけをユーザーのもとに届けるサブスクリプション(定額制)。Webサイトを通じて契約・オーダーするサービスだ。
1ヶ月で2,700円(税込)+送料300円という手頃な価格帯が支持され、正式にローンチした2021年9月から約1年間で累計顧客数が40倍と飛躍的に伸長。同社が展開する必要なサプリメントを診断するツール「ライフケア分析」についても利用者数が累計4万人を突破している。初回から2回目の継続率は91%と非常に高く、カテゴリー平均の20〜30%を大きく上回っているのも「サプリノ」の強みだ。
「サプリノ」を運営する株式会社Supplenoだが、実はサプリメント業界で著名な企業・井藤漢方製薬株式会社の社内ベンチャーとして始まり、2021年4月に同社のグループ会社としてスタートアップした企業だ。同社に勤務する社員の考えから生まれた事業であり、井藤竜生社長をはじめとする経営陣に事業提案、マーケティングテスト経て、株式会社Supplenoが誕生したという。
サプリメントの配合設計、原料調達、製造、包装まで全てグループ企業で行う一貫体制によって、手頃な価格と高品質を実現した。この試しやすい価格設定により、ユーザーの40%が「初めてサプリメントを利用する」という層であり、特に20〜30代の女性をメインに新規顧客や潜在需要の掘り起こしにもつながっているのも興味深い。
「サプリノ」は、2022年12月に開催された「日本サブスクリプションビジネス大賞2022」表彰式で特別賞を受賞している。サブスクのメリットである「お得・お悩み解決・便利」なサービスであることに加え、解約方法が明示されているなどの安全性が評価され、受賞することになったという。
同社は「誰でも無理なく、自然と健康になっていけるよう後押ししたいという想いで、始めやすく・続けやすいサービスを目指してきました。その中で、『サブスク』サービスであることはお客さまにとって利便性が高いだけでなく、セルフケアの習慣化をサポートし、日々の健康を将来の健康につなげていただくために欠かせない仕組みです。今回の受賞を機に、より一層信頼して続けていただけるサブスクサービスを目指して参ります」とコメントを残している。
「サプリノ」はB to Cのサブスクリプションとしても非常に優秀なサービスであるが、「健康経営」という切り口では、B to Bでも有用なサービスであるとも考えられる。昨今大手企業を中心に、「健康経営」が浸透しており、健康診断だけではなく、日々のストレス・メンタルチェックや健康状態のデータ化などに取り組み、人材のヘルスケアを向上させることで、実務の効率化や自社のブランディングにつなげようとしている。そこに「自社のスタッフのニーズに合致したサプリメントのオーダーを、スマホで簡単に完結することができる。しかも、比較的ローコストで」という「サプリノ」が、健康経営の定番として広がっていく未来も、とても現実的であるという見方もできる。
同社が掲げる「2025年3月期に売上高18億円」という目標に向かって、「サプリノ」がどのように裾野を広げていくのか、ぜひ注目したいところだ。