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髪を染めて「自信を持った」3割超/Fromプラネット第239号より

~白髪を染めずに自然に任せる人も約半数

ヘアカラーいわゆる「毛染め剤」は、ドラッグストアの売場を大きく占める重要な商材。カラーバリエーションも増えており、加齢とともに増える白髪を隠すだけでなく、おしゃれのアイテムとして使用する層も少なくない。日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (坂田政一社長) が公開している『Fromプラネット』 の最新号(第239号)は、ヘアカラーに関する意識調査をおこなっている。髪を染める、あるいは染めない理由を含め、さまざまな意識が浮き彫りになっている。

※回答率(%)は小数点第2位以下を四捨五入し同第1位までを表示。内訳の合計と表示値が異なる場合があります。

アンチエイジング、気にしていますか?

「若々しい見た目を保つためやアンチエイジングのために、気をつかっていること」を聞くと、「白髪染め」と答えた人は27.9%という結果となった(図表1上)。2019年の同様の質問では「白髪染め」をしていると答えた人が24.4%で、3P以上増加している。また、前回調査(図表1下)では「服装」が18.6%だったのに対し、今回は30.9%と大きく伸びている。さらに、「特にない(または、やめた)」と回答した人は前回の46.8%から39.0%に減少していた。。


表1

白髪の量はどれくらい?

白髪があるか、ある場合、その割合がどのくらいかを聞くと(図表2)、「ほとんど、あるいはまったくない」という人が31.0%、「ほとんど、あるいは全部白髪」は7.4%、「7割くらいが白髪」が10.6%、「半分以上が白髪」が11.4%、「半分未満が白髪」が12.7%、「3割くらいが白髪」が27.0%だった。「ほとんど、あるいはまったくない」と回答した人を性年代別で見ると、20代では男性が74.3%、女性が88.8%。40代では男性が51.2%、女性が48.2%、70以上では男性は10.6%、女性は4.6%まで割合が下がっている。


表2

見た目やファッションに気を遣っていない人も白髪を染めている 

白髪が「ほとんど、あるいはまったくない」と回答した人以外を対象に、白髪を染めているかを聞いた(図表3)。最も割合が高かったのが、「白髪染めせずに自然にまかせている」(48.4%)、次が「黒・ブラウン系に染めている」(42.8%)だったが、性別や年齢によって対処は大きく異なるようだ。「白髪染めせずに自然にまかせている」と回答した人を見ると、男性は女性と比べて、どの年代でも割合が高く、逆に「黒・ブラウン系に染めている」という人は、女性がすべての年代で男性を上回っていた。


表3

今回の調査では、見た目やファッションにどのくらい気を使っているかも聞いている(図表4)。ファッションの気遣い度別に、白髪の対処を見てみると(図表5)、気遣い度が高いほど、何らかの色に染めている割合が高く、気遣い度が低いほど「白髪染めせずに自然にまかせている」人の割合が高くなっている。とはいえ、見た目やファッションに「まったく気を使っていない」という人でも、そのうち2割の人は、何らかの色に染めていることも分かった。


表4
表5

白髪染めをしない理由は?

白髪があるものの、白髪染めをしていない人に、染めない理由、やめた理由を聞いた(図表6)。最も割合が高かったのは「年齢相応でいいと思うようになったから」(30.1%)だった。割合が高い順に「自然な髪が好きだから」(26.3%)、「染めていないほうがいいと自分で感じたから」(15.9%)、「続けるのにお金がかかるから」(13.8%)、「続けるのが面倒になったから」(12.5%)、「年齢的に黒髪では不自然だから」(10.5%)と続く。「定年退職など、人目を気にしなくてよくなったのを機に」(6.1%)や、「染めていないほうがいいと周りに言われたから」(2.3%)などは割合が低く、白髪染めをするかしないかは、他人からの視線より、自意識のほうが大きく影響していそうだ。


表6

髪を染めて「自分に自信が持てるようになった」!

髪を染めている(白髪染め以外の染髪を含む)人を対象に、髪を染めて良かったことを複数回答可で聞いたところ(図表7)、最も割合が高かったのは「自分に自信が持てるようになった」(34.2%)だった。なお、図表7では、項目ごとに男女それぞれで、最も割合が高い世代を赤字にしている。男性・30代では、髪を染めている人は少ないが(母数71のうち、14人)、多くの項目で男性・30代の割合が高くなっており、思い切って染めたからこそ、満足度が高くなっている可能性がある。また気になるのは、「家族に褒められた」「パートナーに褒められた」の割合に男女で違いがあること。男性のほうが「褒められた」と回答している割合が高いが、ひょっとすると、女性のほうが気がついて褒めることが多く、逆に女性のほうが褒められる機会が少ないのではないだろうか。


表7

また、見た目やファッションの気遣い度別に回答を見てみると(図表8)、ほとんどの項目で、気を遣っている人ほど、割合が高くなっていることがわかる。見た目やファッションに気を遣っているからこそ、ちょっとでも良いことがあったら、よりポジティブに感じる、ということかもしれない。


表8

自分で染めるか、お店で染めてもらうか

髪を染めている人に、どのように染めているのかを聞くと(図表9)、最も割合が高かったのは「市販品を利用して、自分で染める」(44.0%)だった。特に男性は60.6%で、ほかの項目と比べると断トツとなっている。女性の場合、「市販品を利用して、自分で染める」(38.9%)より、「美容室・サロンで染めてもらう」(39.3%)がわずかに高くなっていた。先程、白髪染めをしていない理由、染めない理由を紹介したが(図表6)、「続けるのにお金がかかるから」と回答した男女は男性が15.7%、女性は31.8%と、大きな差がついたが、美容室やサロンの利用率が高いからこそ、この差が生まれているのだろう。


表9

テンション、手間、お金… 染めるor染めない理由は人それぞれ 

以下は、髪を染めている理由、染めていない理由や、染めている人への印象の自由回答。染めている理由も染めていない理由も人それぞれだったが、染めることに明確な理由がある人もいる一方で、「白髪は染めるのが当然だと思って、深く考えていない」という人もいた。また、年配の人も若い人も、染めている人は染める手間やケアの手間、費用について、「負担になっている」という声は多かった。それでも気持ちが上がったり、自分らしくいられると感じているからこそ、コストを払っているのだろう。

《 髪を染める理由・染めない理由、染めている人への印象 》

【同じ年配女性でも、考え方はさまざま】
● 70歳を超えてからは自然体の髪で良いと思うようになり、白髪染めをやめた。髪の傷みもなくなりました。(女性・70代以上)
● 白髪のままの人を見ると、きちんとしていない感じがするので自分ではコマメに染めるようにしている。(女性・60代)
● もう少し白髪が多ければグレイヘアなども考えるが、今は中途半端なので黒に染めている。白髪がほとんどになったらグレイヘアもいいかな、と思っている。(女性・60代)
● 自分では黒髪よりカラーした方が似合っていると思う。 毎月染めるから費用的にはしんどいが必要経費だと思っている。(女性・60代)
● 白髪はあるが目立つほどではない。髪や地肌への影響を考えてまだ染めていないが、白髪が目立つようになったら髪をいろいろな色に染めて、おしゃれを楽しみたいと思っている。(女性・60代)
● 年をとっても頭が白いのは自分としては許せない。白髪がないだけでかなり若く見られるし、その若さに合う体力や気力を培う努力をするモチベーションになっている。(女性・60代)
● 白髪を染めているが、髪の伸びが早いため絶えず染める必要がある。美容院は2か月に1回行き、2週間に1回は自分で染めている。すごく面倒だが、自分らしさを保ち、活き活きと過ごすために欠かせない。(女性・70代以上)
● 頭頂部に白髪が見えてくると気持ちが萎える。美容院で染めてもらうとテンションが上がり、外出も気が弾みます。1.5ヶ月に一度くらい染めていますが、夫が生前、私の頭頂部が白くなってくると「白いよ」と言って私の頭をグリグリしていたのを思い出します。(女性・70代以上)

【若い女性は染める? 染めない? 第三の選択肢?】
● カラーを繰り返したことで枝毛や切れ毛が増え、ロングヘアのためか、上下で色斑も出て、不清潔な印象になってしまった。暗く戻した際に、周りの評判も良かったので、髪を染めるのをやめた。(女性・20代)
● 黒髪でいるなら今がチャンスだと思い黒髪です。白髪染めが大変になったら金髪にでもしようかと思います。(女性・30代)
● インナーカラーをやってみたかったがケアが大変と聞き、ずっと手を出せずにいた。最近、美容院を切り替えたところ、エクステをやってもらい、インナーカラーが楽しめるようになった。髪も傷みにくくなり、良い。(女性・20代)

【男性は女性と考え方が違う?】
● 私は自然のままでよいと思って染めていないが、染める人は自分の考えでやっていることなので構わないと思う。年齢に合わない黒髪の人もいるけれど、本人が満足しているならいいのではないか。(男性・60代)
● 以前散髪屋さんで、白髪を染めたいと申し出たら、「髪質的に髪が傷みやすいのでやめた方が良い」といわれてやめた。染めてみたいような染めたくないような。自由に髪に変化をつけられる人が少しうらやましいです。(男性・50代)
● 長年白髪染めをしている母が60歳になったので「そろそろ白髪染めをやめてもいいのではないか」と言ったが、まだ抵抗があるようで聞き入れてくれない。(男性・20代))

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「ヘアカラー」に関する意識調査を実施。
期間:2025年10月22日~10月23日、インターネットで4,000人から回答を得ています。


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