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医療の世界へLet’s Go!!!ドラッグストア薬剤師・チルロッチの連載とある薬剤師の日常18

第18回:「初心編」
~働いていて思うこと~



こんにちは!「今年は記録的な危険な暑さが続いています」という文言が毎年のようにニュースで聞かれる今日この頃、皆さんは夏バテに気を付けていますでしょうか? 牛丼屋の鰻を食べて、大満足元気いっぱいなチルロッチです!本日は、今まで薬剤師として働いてきたことを振り返り、「あーこうしておけばよかった」や「こういう視点で働けば楽しくなる!」と感じたことなどを、実体験を中心にお届けできればと思います。偏見も混じった意見ではありますが、ご容赦ください(笑)


環境ごとに求められる能力


以前からお読みいただいている方は分かっているかもしれませんが、私は新卒からしばらくは病院で働き、その後に調剤併設ドラッグストア(以下DgS)で勤務しております。

まず、病院で勤務していた際に頑張らなければと思ったところは、内服薬のみならず輸液やバイアル製剤などの特徴を知らなければいけない点・他職種が多数在籍しているため細かな連携が求められる点・薬局よりもリアルタイムで情報提供を行う必要がある点などです。私の場合は特に新卒で病院に入ったため、膨大な知識量をすぐに定着させ、かつ業務のスピード感に置いていかれない体力が求められました。1人暮らしをしていたのもあって、最初の2カ月で5キロくらい痩せたのは、今となってはよくやっていたなと思います(笑)。薬局でももちろんやる気は必要不可欠となりますが、初任給がどうしても低くなってしまう病院の場合は、それ以上に負けん気が求められると思いました。

DgSで勤務している際にまず感じたこととしては、保険調剤やOTC医薬品など幅広い知識が求められる点・在宅医療で継続的な患者ケアを行う必要がある点などが挙げられます。病院よりも重症度が低い患者さんに対する医療であることが多いため、その点でいうと薬剤師の専門性はどうしても低くみられることが多いのが現状です。しかし、複数の医療機関を受診している患者の飲み合わせや、長期的なケアにおける少しの変化に気づく能力など、細かな危険性をチェックできる必要があります。物理的に患者さんが近くにいないという点からも、いかに情報を整理して情報提供できるかという、生真面目さが求められると思いました。


学生のうちにすればよかったなと思うこと


ここまで主に病院とDgSの違いを伝えてきましたが、共通して思うことがあります。やる気・勤勉さも薬剤師として継続して求められる能力になりますが、その根底には同じ職場で働く人との協調性が重要になります。当たり前のことかもしれませんが、実際に働きはじめるとどの環境でも目標を達成するために上司・部下との連携が必要となり、特に薬剤師の場合は狭い空間で多数の人と関わりを持つので、それが顕著であると感じます。調剤業務の場合、処方箋監査・計数及び計量調剤・鑑査・投薬を同じ人間が行うことはほぼないため、極端に言えば伝言ゲームのような状態となります。そういった条件下で、1人でも方向性が違ってしまうと、その流れが総崩れしてしまうことも珍しくありません。

なにが言いたいのかというと、「1つのことに固執しない考え方」がとても大事だと思います。私自身も時々反省することがあるのですが、自分の業務に手一杯になってしまい周りが見えなくなることで、業務が円滑に行えなくなってしまうことがあります。あの時、「上司にこっちのフォローお願いします」や「10分だけ時間下さい」など、一言いえば良かったと後悔しています。

しかし、そういった気配りは一朝一夕で身につくものではないので、学生のうちに下積みを作っておく必要があると思います。そのため、あえて薬学生に向けてお伝えしたいのが、「薬に固執しないでください」ということです! 日々の勉強がとても大変な薬学生にこれを言うのは酷かもしれませんが、薬学生から薬剤師になるために必要不可欠なことです。ぜひ、インターンやアルバイトなどを通じて薬学以外の幅広い世界を経験してから、薬剤師としてやりたいことを見つけてください。


今後、薬剤師として幅を広げるには?自問自答の日々


「薬剤師として長期的なケアを地域単位で行う環境を作る」。私が今後、働く上で大切にしていこうと掲げている大きな目標です。これを成し遂げるために、まずは自らの店舗を管理できる薬剤師となり、他職種と共に地域患者への医療提供を行える体制を作り、より多くの人々を巻き込んでその範囲を広げていくのが野望です。いたって真面目に考えています(笑)。

何年かかるか分からない野望であるため、最近はなにを頑張ればいいんだろうと思うことがあります。その時に思い出すのは、大学の恩師が言っていた「色んな経験をすることで気づいたら目標を達成するための材料になっている」という言葉です。一見意味のないことであっても、必ず誰かのためになっていて、巡り巡って自分自身のためになることだと、勝手に良いように解釈しています(笑)。マイペースながら、ひとつひとつ壁を乗り越えてステップアップできるよう、これからも精進していこうと思います。少しでも皆さんにもモチベになればと思い、勝手に決意表明させて頂きました!

今回はメッセージ性が多めの内容でお送りさせて頂きました。これからもエンジン全開でたまにブレーキをかけて休みながら、一緒に頑張っていきましょう! 最後に、社会人2年目の人間として思うことは、働く皆さん全て「すごい!」ということです。すごく子供っぽいかもしれませんが、働き続けるエネルギーを維持することはとても大変だと実感する日々です、、、(笑)。特に今の時期、体力的にも厳しい条件の中で体調を維持しながら働いている、自分自身を褒めてあげてくださいね!

また来月もお会いできることを楽しみにしております。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。