日本医師会の中で私は薬事と税制という難しい作業を担当している。薬事等に関して当会と日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は敵対関係にあると想像されがちだが、妻も娘も薬剤師の私からすれば、全くそのようなことはない。
まずもって、歴代の役員、何より池野現会長の努力により、25年に渡り業界を発展させてきたJACDSに敬意を表したい。地域社会の健康に寄与するには、地域のニーズを、そこで暮らす生活者と一緒に考えて形にする必要がある。これを担ってきたのがJACDSの会員1人1人だと認識している。
高齢化や人口減少により、やがてドラッグストアも市場の縮小という局面を迎える。その中でいかに他業種と競争し地域の信頼を得るのかは、薬剤師や登録販売者を育て活用していくかが鍵となる。それを前提にJACDSが目標としている「健康生活拠点」「健活ステーション」構想の実現に向けて、我々日本医師会も協力していくことを確約したい。
安心・安全に基づく地域の医療供給体制を作るには、他職種との連携も不可欠となる。様々な職種が地域に溶け込み、同じ方向に向かうパートナーとなっていかなければならない。その意味で我が国は、大きな岐路に立っている。連携の実効性を高めるには、皆の足並みを揃えなければならない。これに対して消極的あるいは無関心な者も少なからずいるが、この場を借りて皆の協力をお願いしたい。
高血圧予防に減塩食品の供給を
私は長年、血圧に関する臨床研究を行ってきた。今回の能登半島地震もそうだが、災害が起きてから1〜2週間もすると、被災者の血圧が上昇し神経系のトラブルに見舞われることがある。
高血圧の治療や予防の基本は減塩であり、普段の食事から減塩を心がけなければならない。今日のドラッグストアは様々な食品を提供しているが、今後はJACDSの会員企業の力によって、全国津々浦々に減塩の食品群を提供する体制となって欲しい。
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