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日本初〝月経〟訴求の機能性発売/アサヒG食品

フェムケア食品「わたしプロローグ」発表会レポート

 アサヒグループ食品は機能性表示食品「わたしプロローグ」を2024年1月25日に通信販売チャネルにて発売する。同品は独自の乳酸菌「CP2305 ガセリ菌」を配合した、日本初の「月経に関する機能性(健康な女性の月経前の一時的な晴れない気分の軽減)を訴求する機能性表示食品。フェムケア市場と機能性表示食品に新たな価値を与える新商品の発売に際し、都内で記者会見が開かれた。(取材=中西陽治)

 〝自分らしさ〟に寄り添うメッセージ性の高い商品

岩崎氏

 アサヒグループ独自の乳酸菌「CP2305 ガセリ菌」は、「カルピス」に由来する長年の乳酸菌研究により選び抜かれた素材。これまで「健康な人の日々の精神的ストレスの緩和」「睡眠の質(眠りの深さ)向上」「腸内環境の改善に役立つ」機能性が届け出受理されている。

 このほど同グループと徳島大学との共同研究を基に、「正常な月経周期を有する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能」として届け出受理された。

 機能性関与成分「CP2305 ガセリ菌」のメカニズムは、21年に及ぶ研究により、腸に作用し脳腸相関を介して脳に働きかけ、女性ホルモン(エストラジオール、プロゲステロン)の分泌量に作用し、月経前の精神面における症状を改善すると考えられている。

 機能性表示食品「わたしプロローグ」新商品発表会で、アサヒグループ食品のコンシューマ事業本部ダイレクトマーケティング部長の岩崎琢也氏は「『CP2305 ガセリ菌』はメンタル領域で多くの機能を有しており、〝こころに良い乳酸菌〟だと考えています。この延長線上でさらなるお役立ちができるのでは、と研究を進め、日本初の『月経前の一時的な緩和』機能の届け出受理を果たしました」と発表した。

「自身を知るきっかけ」をコンセプトに

 続いてコンシューマ事業本部ダイレクトマーケティング部の藤澤侑衣氏より新商品「わたしプロローグ」の商品説明が行われた。

 「わたしプロローグ」は〝お客様のどんな気持ちに寄り添うか〟を考えて生まれた商品で、

「生理のときでも自分のことを嫌わずに、365日の自分を受け入れて自分らしい毎日を過ごしてほしい。そのために、『わたしプロローグ』というブランドにふれることで、365日1人ひとりが自分のココロと向き合い、自分自身のことをもっと知るきっかけにしてもらいたい。」

というメッセージ性の高いブランドコンセプトを掲げる。

藤澤氏

 藤澤氏は「生理や整理期間中にメンタル面で体調を崩す女性が多くいます。いつもと違う自分を受け入れることで更に落ち込んでしまったり、悪循環に陥ってしまう方もいるでしょう。そんな調子のすぐれない自分も受け入れることで、より毎日を過ごしやすくなると考えています。今の自身と向き合うことで自分のことをもっと好きになり、大事にしてもらいたいという想いが商品に込められているのです」と説明した。

 日本で初めて月経に関わる機能性を表示した商品として誕生した「わたしプロローグ」。

 その特徴的な商品名について藤澤氏は「一見するとサプリメントと思えない〝どんな商品なのか〟と思われるかもしれません。月経に関わる機能性表示食品のリリースは、日本初であることから当社としても初めての試みであり、商品名はあえて従来のサプリメントにはない方向性でのアプローチにしました。商品を通じて自分自身を知ってもらう〝始まり〟にしてほしいとの思いを込めて〝プロローグ〟と表現しています」と話す。

届出表現とパッケージに〝晴れ〟を掲げる

 機能性表示の届出で〝一時的な晴れない気分〟というこれまでにない表示を選択した理由ついて「誰にでも伝わる分かりやすい言葉を選び、ターゲットの20代後半~30代女性が自分のための商品であると感じてもらえる表現にしました。堅苦しくなく口語表現に偏らず、また商品を見るたびにネガティブな気分になりすぎないように表示にも気を付けて選定しています」と藤澤氏は語り、日本初の機能性表示と、月経というデリケートな訴求に注意した点を説明した。

 パッケージには、朝焼けの空を採用。「表示にもある〝晴れ〟をイメージし、つらい時は上(空)を見てほしいという前向きな想いを込めています。また、外出先で使う場合を考え、あえて〝月経〟といったストレートな表現を避けたパッケージとしています」(藤澤氏)。

自社通販チャネル活かし 寄り添いツールを用意

工夫を凝らしたブランドブック

 「わたしプロローグ」は同社の通信販売サイト「カルピス健康通販」で販売される。

 「通販チャネルの特性を活かし、お客様に寄り添うツールを用意しています。例えば定期お届けコースの初回特典では生理管理アプリ『4MOON』の一か月無料クーポンをプレゼントいたします。また、商品とともにお届けするブランドブックにも従来にはない取り組みをしています。商品の説明にとどまらず、日記として利用できるものにしました」と販売にかける思いを語った。

開発通じ社内でも〝女性の悩み〟の理解が進む

 「商品開発における社内コンセンサスについて、女性のみならず、男性の理解も重要であったのでは」という記者からの質問について、岩崎氏は「正直に言って苦戦しました。当社でも女性の働き方改善に取り組んでいますけれど、商品開発が始まった2年前ごろはまだまだ理解が進んでいない状況でした。女性の悩みの背景を説明する際、自分で体験できないことを理解してもらうことは大変でしたね。ですが、丁寧に伝えることで、賛同する機運が高まり、最近では〝私たちももっと女性の悩みを知らなければならない〟、理解していなかったことを認めて一歩を踏み出さなければならない、という想いが広がっています」と語った。

 藤澤氏は「パッケージを見て『サプリメントとわからないのでは』『機能をもっと大々的に打ち出したほうが』という社内から意見がありました。私は『月経を大きく訴求せずとも、女性はこの雰囲気を好ましく感じ取っていただけます』と伝えてきました。このニュアンスを理解してもらうには苦労しました」と語り、「社内アンケートを募るなど、理解の壁を乗り越えるために工夫を凝らしました」と振り返った。

 商品開発によりアサヒグループ内での支援の輪は広がりを見せている。アサヒグループ食品では福利厚生の一環として、2024年より希望する女性従業員に『わたしプロローグ』の提供を開始。今後はグループ国内事業会社への展開も検討中だ。

「自己受容と他社理解が広がる世界目指す」

 フェムケア&フェムテック市場規模(※1)は2023年には約734億円(前年比107%) と推計され、今後さらに活性化が見込まれる。その一方で、女性の健康課題による労働損失や生産性への影響について70%の人が「知らない」と回答(※2)しており、フェムケア&フェムテックが重要視される背景への理解は深まっているとは言い難い。

(※1)矢野経済研究所「フェムケア&フェムテック市場に関する調査」より

(※2)経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」より

 岩崎氏は「社会全体がフェムケアやフェムテックに注目し、今以上に理解が広がれば、自分の肉体面・精神面の変化に対して『それも自分だよね』と思えるような自己受容、あるいはパートナーや相手の状況への他者理解が進んでいく。我々は商品・サービスを通じ皆様の心と体の健康に貢献し、そんな世界を創り上げていきたいと考えています」と新たなフェムケア市場の幕開けに込めた思いを示した。


■商品概要■

商品名:わたしプロローグ

内容量:1袋60粒(一日摂取目安量2粒)

機能性関与成分:CP2305ガセリ菌(L.gasseriCP2305) 100億個

届出表示:本品にはCP2305ガセリ菌(L.gasseriCP2305)が含まれており、正常な月経周期を有する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能があります。

価格:2,210円(税込)

発売日:2024年1月25日

販売チャネル:「カルピス健康通販」

商品特長:カラダの変化を感じやすくなる20代後半~30代女性 あなた自身と向き合いながら生きていく、新しい人生の始まり(プロローグ)に寄り添う商品