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JAHI×キリンHDで「げんきな免疫プロジェクト」記者会見を開催

「全国統一 免疫対策テスト」で健康を後押し


 日本ヘルスケア協会(JAHI)が11月の定期記者会見を都内で開催した。JAHIとキリンホールディングスが協力し、免疫とは何かを広く分かりやすく知るための「げんきな免疫プロジェクト」について紹介。プロジェクトではJAHI監修のコンテンツ「全国統一 免疫対策テスト」が披露され、公共交通機関やweb広告で発信し、「免疫ケア」を国民的な習慣へと発展させていく認識を共有した。(記事=中西陽治)




 JAHIの11月次定期記者会見が、日本橋のJAHI多目的ホールで開催された。記者会見にキリンホールディングスが登壇し、「げんきな免疫プロジェクト」を紹介し、JAHIと連携した「全国統一 免疫対策テスト」の開始を報告した。

「全国統一 免疫対策テスト」
https://www.genkimeneki.jp/menekitest/

「げんきな免疫プロジェクト」は〝ニッポンをもっと健康にする新習慣「免疫ケア」を国民ごと化する官民連携プロジェクト〟で、キリンHDが中心となり26団体・2つの自治体とパートナーシップを結んでいる(11月14日時点)。


今西会長「健康維持に資する免疫Pに共感」

 

JAHI今西会長

プロジェクト紹介に先立って登壇したJAHIの今西信幸会長は「日本は世界に例を見ない高齢社会である一方、世界で最も高齢社会で成功した世界ともいえる。しかし反面で優れた保険制度を保つために、医療財政の面では厳しい状況にある。優れた公的医療保険を維持し、後世に継承していくならば、今を生きる我々が、病気にならないように意識し、健康を維持することが重要となる」と日本が抱える課題を示した。

 その上で「このたびJAHIが『げんきな免疫プロジェクト』に協賛したのは、免疫が当協会の掲げる〝健康維持〟の根幹となる要素だからです。睡眠時間の確保、食事の質、運動のタイミングなど、このプロジェクトには免疫を維持するためのヒントが多くあり、これを一般生活者の方々に、平易な投げかけとして受け取ってもらいたい」と話した。


キリンHD「免疫は健康に過ごすための礎」


キリンHD林氏

 続いて、キリンHDのヘルスサイエンス事業部マーケティンググループの林絵里香氏が登壇。「『げんきな免疫プロジェクト』はJAHIから全面的なサポートいただき、パートナー企業をはじめ、様々な団体・企業からも賛同をいただいているプロジェクトです。免疫の大切さと、ケアする重要性を身近に感じていただきたい、という思いでプロジェクトを立ち上げました。免疫ケアの大切さを広く皆さんに知っていただき、身近に感じていただきたい」と話した。

 プロジェクトのスタートは今年の5月。発足当時は毎日のように感染症の話題があふれていた。しかしその後、日常を取り戻していこうという転換の時期を迎えた。

 林氏は「私たちは、自身の健康を自分で守っていかなければならないという時期に直面しています。キリンでは免疫のケアが自身または家族や身近な人を守る術になるのでは、と考えていました。オーバーな話かもしれませんが、健康の土台である免疫をケアする『免疫ケア」が日本を元気にする礎になる、という思いがプロジェクトの柱なのです」と思いを語った。

 会見では「今回目玉としてご紹介させていただきたいコンテンツ」と林氏が語る〝全国統一 免疫対策テスト〟の紹介が行われた。

 「全国統一 免疫対策テスト」はいつでもどこでも誰でもできるWebコンテンツで、免疫ケアに関わる生活習慣や知識を、14問のクイズを通して解説。最後に性年代といった属性を入力すると、属性に沿ったアドバイスとメッセージが表示される。すでに公共交通機関や、web広告で発信されており、JR各線の車内やバス停の広告でも確認することができる。

「このコンテンツは、JAHI様のご協力なくして実現できなかった取り組みです。わかりやすく楽しく免疫対策を知っていただくべく『全国統一 免疫対策テスト』というwebコンテンツを11月6日からローンチしました」(林氏)。






会場では「全国統一 免疫対策テスト」から例題が表示された。

 問題:免疫のために、睡眠においてより優先した方がいいのはどっち?

 A:寝る時間を一定にする B:起きる時間を一定にする

 問題:免疫のための筋力アップとして、最も効果的な部位はどれ?

 A:ふくらはぎ B:腹筋 C:二の腕

など、参加したヘルスケア業界関係者にとっても少々難しい問題が例示された。

 テストを監修したJAHIでは、「誰もが日常の生活中にある場面をポイントとして、免疫への気づきや考えるきっかけになるような難易度にした」と話す。


体験フロー(クリックでページに移動)

 




 「げんきな免疫プロジェクト」を通じて〝免疫〟を生活者に抵抗感なく公共性をもって発信していくために、国民的キャラクターの「チコちゃん」がプロジェクトの旗振り役を務める。チコちゃんが「げんきな免疫プロジェクト」仕様の〝免疫カラー〟の青い衣装に身を包み、プロジェクトのアイコンとして活躍する。

 「ポスターやパンフレットなどの広告では、まずチコちゃんに『なぜ免疫ケアが大切なのか』『免疫ケアのアクションを』という呼びかけをして、プロジェクトを掲げたうえで、免疫の理解を深めていく、という形となっています」と林氏は説明する。

 「げんきな免疫プロジェクト」のパートナーシップの構成は、

①圧倒的な露出の高さを持つTVなどのメディア。

②身近な接点として〝運動〟と「免疫ケア」をクロスさせた提案を行っているフィットネスクラブのティップネス。

③キリンの35年に及ぶ免疫研究から生まれた素材「プラズマ乳酸菌」が免疫機能の維持に役立つことが明らかになり、この素材を供給することで、キャンディや青汁といった多様な剤型で販売している〝プラズマパートナー企業〟。

④「プラズマ乳酸菌」含有の商品を生活者に届けている調剤薬局企業。

⑤自治体では、イベントや配布物を通して「免疫ケア」の重要性を県民・区民に直接伝えている神奈川県と大阪府。

⑥アカデミアとして学術面でバックアップとネットワークのあるドラッグストア業界を通して情報発信で協力する日本ヘルスケア協会。

となる(下図:協働パートナーMAP参照)


協働パートナーMAP



生活者との接点が拡大中

 続いてプロジェクトの具体的な事例が紹介された。

 ティップネスでは「免疫ケア 運動プログラム」を独自に開発し、オンライン視聴しながら10分で行えるフィットネスを実施しており、腸活・呼吸・自律神経調節などのテーマに沿った体操を提供している。

 調剤薬局のクオール薬局やアイセイ薬局では、実際に生活者が目にする場所にポスター掲示をし、「プラズマ乳酸菌」含有のサプリメントの提供も行っている。

 林氏は「調剤薬局様は処方箋を受けてお薬を患者様にお届けすることが本質と思われますが、その中で、免疫ケアにつながる物販に関して、パートナーである調剤薬局の社長様をはじめスタッフから厚いご賛同をいただいています。啓発動画コンテンツでもクオール薬局様、アイセイ薬局様のトップおよびスタッフの方に出演していただいています。この免疫に関わる活動に前のめりになって参画していただいており、『プラズマ乳酸菌』商品の販売にも力を入れていただいています」と強いパートナーシップを示した。

 プロジェクトの接点拡大について「流通チャネルでは、ドラッグストア様でサプリメントをはじめ、飲料、青汁、お菓子など幅広い商品を取り扱っていただいています。またヨーグルトや100mlペットボトル飲料といったチルド商品もありますので、ドラッグストア様、スーパーマーケット様といった流通業界の賛同を賜り、幅広い『免疫ケア』商品の提供を行っていきたいと思います」と林氏は語る。

 の自治体の取り組みでは、神奈川県の取り組みが紹介された。

「神奈川県では独自の取り組みとして、県民に向けた『未病改善』を発信しています。〝ハマの番長〟こと三浦大輔さん(横浜DeNAベイスターズ監督)が『未病番長』を担っており、三浦さんとチコちゃんがタッグを組み、ポスター等掲示物で『未病改善』と併せて『免疫ケア』を啓発していただいています」と林氏は紹介。

神奈川県は「未病改善」とコラボ

 また、県内の小田原市や南足柄氏ではイベントも開催(参考記事:https://hoitto-hc.com/7787/)。免疫状態を可視化して行動喚起する検査キットを用いた「げんきな免疫プロジェクト・免疫検査イベント」を11月に実施している。

 キリンHD独自の取り組みではプロジェクト発足前の2021年から、小学校で免疫ケアの特別授業を実施してきた。林氏は特別授業に関して「免疫ケアを国民ごと化するためには、大人だけではいけないと考えています。キリンが作った教材を教員の皆様にお配りして、いつもの授業の中で免疫の大切さを伝えていただいています。授業の満足度も高く9割以上の小学生が『今日から免疫に良いことをしたい』と興味を示してくれました」と手ごたえを語る。



 最後に林氏はプロジェクトのゴールについて「このプロジェクトは一時的なものではなく、半永続的に取り組むべきと考えています」と言及。

 「感染症対策意識が高まる社会情勢への対応以前に免疫の価値はあると考えていますし、免疫ケアをするタイミングは、感染症流行シーズンの秋冬だけではありません。免疫は日々を健康に過ごすための礎なのです。〝風邪をひかないための免疫〟という意識にどうしても偏りがちになりますが、季節に変わらず年間を通じて免疫の重要性を伝えていきたいと考えています。国民の健康に貢献できる価値ある取り組みにだと確信していますし、先を見据えたプロジェクトへと発展させていきたいと思います」と熱意を語ってくれた。


今西会長と林氏