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好調な保険薬局事業と第一三共エスファのグループ入りでシナジー効果、
中期目標年商3000億円目指す――クオールHD・中村敬社長

クオールHD・中村敬社長(2018年撮影)

中期目標に年商3000億円――総合ヘルスケアカンパニーを目指すクオールホルディングスの中村敬代表取締役社長は、好調な保険薬局事業に加えて、第一三共アスファが仲間入りしたことで、2024年度の売上げ目標を1800億円、2025年の中期目標に3000億円達成を目指すことを明らかにした。

特に主力の保険薬局事業については、2024年度第1四半期の実績が前年度同期比6.4%増の395億円、次いで第2四半期も前年同期比7.4%増の809億円と好調に推移したことで、今後も引き続き薬局のM&Aや施設調剤の推進による規模の拡大を目指す。

保険事業の処方箋事業の売上高では、既存店、新店、M&Aなどを含め7.6%前年度同期比7.6%増の751億4700万円、処方箋枚数は全店合計で81億9600万円と同11.9%増だったものの、処方箋単価が前々同期比4.2%減の9537円に引き続き今期もマイナス3.9%。これは、度重なる薬価及び調剤報酬の改定に係る地域支援体制加算の経過措置終了などにより、薬剤料単価及び技術料単価は低下したことが要因と見られるが、中村社長は今後について次のように述べている。

「クオールは、1992年に保険薬局事業をスタートしてきたが、医療関連事業分野の医薬品製造部門に藤永製薬に加えて第一三共エスファが新たにグループ入りしたので、これからは保険薬局事業の売上げ成長と安定収益に医療関連事業とのシナジー効果で中期目標の年商3000億円、売上げ利益250億円を達成したい」

クオールHDは、最新保険薬局事業の年商(2022年度)は1554億4600万円(892店舗)で上場一部の調剤薬局チェーン企業のランキング3位。M&Aをした調剤薬局の価値を高め成長させるM&A戦略を進めるとともに、ローソン併設薬局(39)やビックカメラ内店舗(5)、小田急電鉄・東急電鉄駅構内(2)、売店(22)を展開し差別化出店に取り組む。

さらにMRの派遣事業や健康食品開発に欠かせない治験データ事業、近年では、サントリーウエルネスと協業し始まった、服用中の患者に身近な専門家からのアドバイスを通じ安心安全に健康食品を購入できる地域住民のための健康支援活動、医療関連月刊誌の発行等々、処方箋事業だけでない幅広いヘルスケア推進シナジー効果にも力を注いでいる。