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地域創生医 桐村里紗のプラネタリーヘルス 第12回
日本ヘルスケア協会から鳥取県江府町にプラネタリーヘルス視察


こんにちは。プラネタリーヘルス提唱医の桐村里紗です。

日本ヘルスケア学会の基調講演で「プラネタリーヘルス」をテーマにお話しさせて頂いたご縁で、公益財団法人日本ヘルスケア協会(以下、JAHI)の野菜で健康推進部会、お米で健康推進部会、土壌で健康推進部会の皆様と日夜、プラネタリーヘルスの推進についてディスカッションさせて頂いています。


生活者の健康を土台から支えていこう

ヘルスケア産業といえば、健康補助食品やセルフメディケーションなどをイメージしますが、その手前には、日々の食事があります。

ヘルスケア産業に関わる企業や団体から健康寿命の延伸を実現していくことを目的としたJAHIの中に、野菜、お米、土壌の部会があることに、生活者の健康を文字通り土台から支えていこうという気概を感じます。

土壌からできる野菜やお米などの農作物を食べるという行為が、腸内環境や心身の健康につながり、同時に、農地周辺の里山から水を通じた河川、海洋の環境に影響を与えていますから、人と地球の健康を考えるプラネタリーヘルスにとっても、土壌の健全性、そして健全な土壌で育つ野菜やお米の健全性は非常に重要です。

(上段)八幡徳弘氏(副町長)、白石祐治氏(町長)、桐村一平(tenrai)、桐村里紗(tenrai)、細羽正氏(江府町役場アドバイザー)、光島宏美氏(江府町役場奥大山振興室)、中嶋浩平氏(JAHI土壌部会)
(下段)丹羽真清氏(JAHI野菜部会長)、上杉登氏(JAHI土壌部会長)、豊田富士氏(JAHI土壌部会)


丹羽会長「とにかく、現場を見なければ分からない」

そして先日、野菜部会、土壌部会の皆様が、私たちtenrai(テンライ)がプラネタリーヘルスの連携協定を結び、拠点にしている鳥取県江府町に視察に来て下さいました。

野菜部会の丹羽真清部会長が、「とにかく、現場を見なければ分からない」と普段から仰っているように、私たちがなぜ、鳥取県江府町を拠点にしているのか、会議室や講演だけではなかなかお伝えしづらいものがあります。

まずはランチに、前日から煮込んでおいた特製「奥大山酒粕プラネタリーヘルスカレー」を。

地元でとれた「奥大山地美恵」というジビエブランドの猪肉と地元産の野菜と協生農園で採れたハーブ、そして地元の小さな酒蔵の酒粕を使ったカレーです。

鍵掛峠から大山を望む(写真はイメージです)

そして、霊峰大山の裾野に位置する古来からの米所、貝田集落の棚田に赴き気候風土を身体で感じて頂きながら、営農団体を営まれ、伝統の神楽を継承する議員さんの人となりやお考えに触れて頂き、その後、役場にお運び頂き、町長、副町長はじめ、江府町役場の名職員さん達にお会い頂き、人口最小の鳥取県の人口最小の町である江府町だからこその団結力と決断力、そしてスピード感、それに加えた未来志向のセンスに触れて頂きました。

貝田集落の棚田(写真はイメージです)

結果、大納得!を頂き、なんと、町長室で奥大山ファン倶楽部のVIP会員にもその場でご入会頂いてしまうという嬉しい展開に。

町長室の戸棚からは隠し球が飛び出すことで有名(?)なのですが、今回は町長と副町長の素晴らしい連携プレーで、4名のVIP会員様が誕生してしまいました。

過疎化がすすむ地域は、課題が山積ではありますが、見方を変えれば、自然資本が豊かな生み出す土地にもなります。


地に足のついた暮らし方を伝え、継承していく

今、若い世代は土壌から何かを自分たちで生み出すことから離れていますが、本来、自分が食べるものを自分でつくり、身の回りの土地と関わっていくことが当たり前だったはずなのです。

活気ある若い世代が暮らしたくなるよう地域の魅力を高めながら、知識と経験のある世代が地に足のついた暮らし方を伝え、継承していく。

プラネタリーヘルスは、最先端の科学・技術の発展と共に、より土着の生き方を誰もが取り戻していくことを同時に進めていくことになるのだろうと思っています。

これからの展開を楽しみにしていて下さい。

(つづく)


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